(注意)応力ひずみ曲線のグラフにひずみ(mm)と書いてありますが、ひずみは無次元なので単位はありません。
表は訂正しましたが、グラフは修正できない(グラフそのものを編集するファイルを捨ててしまったため)ので、mmは無視してください。
ひずみの詳しい説明はこちらから

課題で取り組んだこと

発表日:2023年4月14日(金) 再発表日:2023年4月19日(水)再々発表日:2023年4月26日(水)

片持梁と単純梁を引張と曲げで解析、応力ひずみ曲線を作成して降伏応力が235N/mm^2になることを確かめる。(解析対象はSM400)

解析モデル

引張の場合 http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/dansohipari.png

曲げの場合 http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/dansomage.png

曲げの際にかけた荷重 http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/magekajuu.png

曲げについての考察(4/26発表用) (Marcで解析した結果も載せました)

・片持ち梁の固定面の数値化

ECRO_LINEの降伏後のヤング率の数値を1000,1,0.001でそれぞれ設定し比較したところ、降伏前までの値(応力,ひずみ)の変化は同じだったので、降伏後のヤング率を0.001で解析したデータを使う。再解析で見た点②を基準として、②が降伏した際の同じpastimeの応力とひずみのデータを取る。降伏点は応力とひずみの変化が一定でなくなったところ(比例関係でなくなったところ)をとる。

8MPaで曲げた際のひずみの様子(手前が固定面)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/zukataEPSI.png

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/zusuuji.png

ひずみ応力(MPa)
0.001042249.267
0.000936234.025
0.000984236.751
-0.000013-1.57226
-0.001037-252.657
-0.000935-233.743
-0.001067-252.314
-0.000010-0.717033
0.00010126.7453

7.5mm(ひずみが最大)でsliceしたところと比較

片持ち梁曲げ(固定面から7.5mm)

ひずみ応力(MPa)
0.001072221.063
0.001084223.697
0.001061218.876
0.00012325.3584
-0.001076-220.903
-0.001111-227.414
-0.001065-218.376
-0.000047-9.75992
-0.000024-4.57733

分かったこと

前の降伏値の求め方(ヤング率が約1000MPa下がったところで降伏と判断)から今回のやり方に変えたことで固定面でも235MPaに近い値で降伏する結果となった。固定面からz軸正方向に向かうほど、応力は徐々に小さくなっていくので、片持ち梁のモーメント図と同じ変化となったと言えるだろう。(曲げモーメント最大=部材の曲げる力最大)

また、断面の四隅は面の真ん中の点(②,⑥)より大きな値が出ていることから、四隅は外力の影響が受けやすい場所だと考えられる。つまり、最初の発表までに用いていた解析法、面(または線)に存在する全ての点を平均したデータを使って応力ひずみ曲線を描くのは外れ値も含んでしまうためあまりよろしくない手法であったと考えた。

・曲げが引張のときみたいにグラフが曲がらない理由

salomeの設定は問題なかった。また、載荷値を下げてみてもグラフの形状は引張のように曲がることはなく、緩やかな曲線であった。(ECRO_LINEの降伏後のヤング率の数値を小さくしても、解決しなかった。)

曲げの場合、引張のように一気に降伏するのではなく、固定面側からじわじわと部材が降伏する(材質がゆっくり柔らかくなっていく)ため、緩やかな曲線を描くグラフができるのではないかと思われる。

もしかすると、asterstudyで曲げ降伏の解析設定を行う際、引張解析の設定に更に入力する必要のあるコマンドがあるかもしれない。今回、探した範囲では分からなかったので、これからの研究活動で何かしら分かったことがあれば追記しようと思う。

5/2(火)追記:Marc Mentatというツールを使用して片持ち梁の曲げ解析を行い、応力-ひずみ曲線を作成した。グラフを見れば分かると思うが、設定した降伏応力(235MPa)を超えることはなく直線になっている。今回、塑性後のひずみと応力を入力して弾塑性解析を行なった。この方法はSalome-MecaでいうTRACTIONに近いものだと思われるので、ECRO_LINEではなくTRACTIONを使うべきなのだろうか...?

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/Mdanso.png

発表後の再解析についてのまとめ(4/19発表用)

解析手法

幅10mm✕厚さ10mmのモデルで解析。モデルの設定等は上記の解析モデルと同じだが、単純梁については片方の支承をz方向に自由に動けるように再設定した。(x,y方向は固定)

他のモデルは時間の関係上省略させていただきます。(解析1つに相当の時間がかかるため。)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/zuTH.png

引張:梁の長さの中間地点でsliceして上側と下側を1点ずつ見る。(片持ち梁:50mm 単純梁:60mm)

これは梁の変形を考慮して、最も変形しにくいと思われる場所が梁の中間だと考えたため。

曲げ:片持ち梁は梁の固定面から少しずれた位置(7mm)でsliceして、引張側の1点で見る。(→ひずみが最大のところで見た。)単純梁は載荷した場所をsliceして、引張側の1点で見る。

・赤丸の点が解析の際に見たところ

引張の場合、上と下側の赤丸。曲げの場合、片持ち梁は上側の赤丸,単純梁は下側の赤丸。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/haru1.png

解析結果

片持ち梁引張

降伏時の応力とひずみ 上と下の点、どちらも同じデータが得られました。

ひずみ応力(MPa)
0.00114233.64

以前の降伏時の応力とひずみデータ

ひずみ応力(MPa)
0.00114233.64

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/saiKH.png

片持ち梁曲げ

降伏時の応力とひずみ

ひずみ応力(MPa)
0.00114233.497

以前の降伏時の応力とひずみデータ

ひずみ応力(MPa)
0.00110229.697

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/saiKM.png

単純梁引張

降伏時の応力とひずみ 上と下の点、どちらも同じデータが得られました。

ひずみ応力(MPa)
0.00114233.64

以前の降伏時の応力とひずみデータ

ひずみ応力(MPa)
0.00114234.002

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/saiTH.png

単純梁曲げ

降伏時の応力とひずみ

ひずみ応力(MPa)
0.001139234.487

以前の降伏時の応力とひずみデータ

ひずみ応力(MPa)
0.00107218.189

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/saiTM.png

コメント

平均で見る方法からある1点のみを見る方法に変更した結果、SM400の降伏応力である235MPaに近い値で降伏したことが確認できた。引張については以前の結果とほぼ同じ値が得られたが、曲げについては値が大きく変化したので、以前の方法では外れ値の影響を受けていたことが考えられる。 しかし、1点どこを見てもいいわけではなく、影響の受けにくい場所を選んで見る必要があるだろう。

気になった点として、単純梁の引張については片持ち張りの引張と同じ結果が得られたことである。これは片方の支承をz方向に自由に移動できるようになったため、そちら側に大きく引っ張られたことで片持ち張り引張と似たような変形が起きたために同じ結果が得られたと考えられる。

解析結果の一例(引張のみ)

・片持ち梁引張

強制変位(5mm)(DDL_IMPO)を使った解析結果[モデルは10mm✕5mm✕100mm]

ひずみ応力(MPa)
00
0.0002550.1
0.00050100.2
0.00075150.3
0.00100200.4
0.00124234.9
0.00152235.2
0.00179235.5
0.00206235.7
0.00233236.0
0.00259236.3
0.00286236.5
0.0031236.8

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/2hipari5mm.png

荷重(FORCE_FACEを236MPaに設定)を使った解析結果(解析値に関しては最初の5点と最後の5点を載せました。)[モデルは10mm✕5mm✕100mm]

ひずみ応力(MPa)
00
1.18001E-052.36002
2.36006E-054.72007
3.54013E-057.08015
4.72024E-059.44027
0.00113418226.714
0.001146229.077
0.00115783231.441
0.00116966233.804
0.00284734236.56

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/hipari236.png

・単純梁の引張[モデルは10mm✕15mm✕120mm]

降伏時の応力とひずみは233.8MPa,0.0011

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/tan1015100.png

まとめてみたもの

Kは片持ち梁、Tは単純梁、Mは曲げ、Hは引張

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/aono/dannsoseikoufuku.png

メモ

TRACTIONとECRO_LINEの注意点

TRACTIONで設定する場合、AnalysisのCOMPORTEMENT→RELATIONをVMIS_ISOT_TRACに設定すること。 ECRO_LINEの場合、AnalysisのCOMPORTEMENT→RELATIONをVMIS_ISOT_LINEに設定すること。 なお、ECRO_LINEの設定のやり方についてはSalome-Meca_降伏点検証 を見てください。

部材ごとに応力を見る方法

補足:1つ選択した場合、その点のpastimeごとの変化を見ることができます。どこの点を取ってPlot section overtimeを行うかはお任せします。(1点だけでもいいし、必要な点だけ取ってもいい。全部取るのもあり?)ただ、何故そのように取ったか説明できるようにすること。

参考資料


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Last-modified: 2023-07-28 (金) 00:29:52