Salome-Mecaのビーム要素(梁要素)に関するページを作成しました。
これから梁要素を用いた解析を扱うよって人は見ていただけると参考になるかも。
また、何か分かったこととかあればこちらに書き込んで共有してくれると嬉しいです。

参考資料

code-asterによる解析 step-by-step (最初にこの資料を読んだほうがいいかも。)
結果の出力絡みのお話(CALC_CHAMP,IMPR_RESU)
構造要素の概要 (1D,2D要素の説明,これも読んだほうがいいかな。)
code-asterの説明書 (英語,フランス語で書かれているので翻訳サイトを使って読んでください.)
Beginning with code_aster(code-asterに関する質問ができるページがあるが,ビーム要素絡みの質問があると,このページを参考にしてと言う人がまあまあいます。)
code-aster質問ページ(説明書読んでも分からなかったら,このページで調べてみるといいかも.ただし,英語でキーワード等を入力する必要があります。)

ビーム要素(梁要素)とは

ビーム要素(梁要素)とは点と点を線で結ぶ要素である.ソリッドやシェル要素と違い,要素数やmesh分割数が少ないため,短い時間で解析できるという利点がある.
例えば,橋梁モデルみたいな巨大なモデルで時刻歴応答解析をする場合,ソリッド要素で解析すると途方のない時間がかかります。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/Salomemodel300.png

単位系の注意点

Salome-Mecaは単位系について自分で設定しないといけません。
モデル長mm想定なら...ヤング率(MPa),荷重(N),応力(MPa)
m想定なら...ヤング率(Pa),荷重(N),応力(Pa)

現在の課題

ばねを用いたピン接合について

Salomeで梁要素を用いてピン接合の再現をするにはばね要素を入れる必要がある。
しかし、現状として解析が回るモデルと回らないモデルが混在している状況である。
(写真のような,横ばねが存在しているモデルとエラーが出る可能性が高い.また,エラーメッセージの種類も同じものが出てくることも確認.)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/N199.png

↓メッセージ内容
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/error3.png

現在、解決策を模索中であるが、検証をしたものをここにまとめておく。

・バネ要素の両端(部材との共有節点)に自由度の設定をする。
上の写真の場合、ばねの右端の共有節点DRXの自由度エラーが出ているため、その節点の自由度をDRX=0にする。

材料非線形に関する問題

CREA_RESUの設定

材料非線形を考慮する場合,CREA_RESU→COMPORTEMENTの設定をしないといけないのかも.(要検証)
説明書を翻訳したものを以下に載せた.簡単にまとめると,NON_LINEシリーズの互換性のチェックとして使われるから,非線形力学の場合は設定しないといけないとのこと.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/chiyooka/CREA_RESU1.png

モデルの作成・片持ち梁を例にした解析手法(編集中)

100mm✕10mm✕10mmモデルを対象に説明します.(これまで先輩方のビーム要素モデルを見るとモデル軸方向をxにとっていたため,それに従い説明します.) モデルを片持ち梁として,変位を見てみましょう。

Geometry

(1)ポイント(0,0,0)(100,0,0)を作成する.

(2)線(ポイントの右隣にあるアイコンをクリック)を作成する.下の写真のように(1)で作成したポイント同士を繋ぐ.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/makeline.png

(3)(POU_D_EMを適用する場合のみ)
ビーム断面を作成する.材料非線形を考慮した解析や複雑な断面(橋梁の主桁断面[台形]とか)を用いた際は必ずやること。
これはAsterstudyでビームモデルに断面を適用するのに必要な作業です!
長方形断面を作成する場合は画面上部にある長方形マーク(長方形フェースを作成)をクリックする.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/maketyouhou.png

円形断面を作成する場合は長方形マークの右隣の楕円マーク(円盤の作成)をクリックする.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/makecircle.png

方向はモデル軸方向をxにとっているため,OXYにする.そうしないと,Asterstudyでビームに断面を適用することができない.
(構造研スタイルと同じようにモデル軸方向をzにした場合,方向をOYZにすれば断面適用ができる.)

モデルとしては,こんな感じになるはず.(作成したのは正方形断面)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/modelzu.png

Mesh

(1)ビームモデル(line)のメッシュを切る.1D→Wire Discretisation,歯車マークからNumber of Segmentsを選択.
セグメントの数は分割数を示しているので,任意の数値を入れる.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/meshgamen1.png

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/meshgamen.png

(2)(POU_D_EMを適用する場合のみ)
断面のメッシュは2D→NETGEN1D-2D,歯車マークからNETGEN2DParameterを選択. 最大・最小サイズの数値を一致させ,任意の数値を入れる.ただし,あまり細かすぎると結果を見る際に重くなってしまうため,その点は注意.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/meshgamen2.png

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/meshgamen3.png

(3)メッシュを計算した後,グループを作成する.
要素の型は,基本的にノード:点,Edge:線,Face:面の3種類を使う.
手動で選択する場合,コンテンツにチェックを入れた後,グループを作成したい要素を選択(マウスで左クリックしながら動かすと,枠ができて,その範囲内の要素全て選択できる)→選択したところは黄色になるので,確認できたら追加→適用でOK.
全てを選択するは,断面をグループ化するときに使う.

今回は,固定点と載荷点,線要素(ビーム)全て,(断面作成している場合)断面をグループ化する.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/tutorial1.png

Asterstudy

(数字-1)の箇所は断面を作成した場合(POU_D_EMを用いる場合)に追加で行う設定方法の説明です.

(1)LIRE_MAILAGEを選び,計算したメッシュ(ビームモデル)を選択.(断面を作った場合は,LIRE_MAILAGEを2つ作る.)FORMATはMEDで!

(2)AFFE_MODELEを選び,MAILAGEはビームモデルのものを選択する.AFFEは,断面を用意しているならMODELISATIONをPOU_D_EM,ないならPOU_D_Eを選ぶ.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/tutorial2.png

(2-1)DEFI_GEOM_FIBERを選択し,SECTION(断面定義)を選ぶ.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/tutorial11.png

TOUT_SECTorGROUP_MAで作成した断面を選ぶ。
GROUP_FIBERは好きな名前をつけてよい。(ここでは,sectionと名付けた)
MAILAGE_SECTはLIRE_MAILAGEで適用した断面を選択。
COOR_AXE_POUTREは0で。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/tutorial12.png

(3)AFFE_CARA_ELEMを選択.ビーム要素において,ここでの設定はとても重要となるため,詳しいことはその他のテクニックで記載する。
POUTREを選び,GROUP_MAをビームモデル,SECTIONをRECTANGLE(矩形),CARAをH(正方形用の高さ),VALEを10と入れる.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/tutorial3.png

(3-1)

(4)DEFI_MATERIAU→ELASで材料特性選択.鋼材を想定しているため,E=205000,ν=0.3と入れる.

(5)AFFE_MATERIAU→MODELEにチェック入れ,AFFE選択→(4)で作成した材料特性をビーム断面に適用する.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/tutorial4.png

(5-1)

(5-2)

(6)AFFE_CHAR_MECAを選択.固定条件と載荷条件は別々に分けて作成するため,AFFE_CHAR_MECAを2種類用意する.
まず,固定条件はDDL_IMPOを選択し,GROUP_NO(グループ化[Group]した点[Node])に固定点を選ぶ.
DX=DY=DZ=DRX=DRY=DRZ=0と入れてもよいが,ENCASETR[完全固定]にチェックを入れても良い.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/tutorial5.png

載荷条件はFORCE_NODALEを選択.(ここで入れる値は[N],他のFORCEシリーズと違って,力を断面や長さで割ってから入れる必要はない。)
GROUP_NO(グループ化[Group]した点[Node])に載荷点を入れ,掛けたい力を入力.今回は,y軸負の向きに10N掛けた.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/tutorial6.png

(7)AnalysisはMECA_STATICSを選択(POU_D_EMには対応していないので,注意!)
CHAM_MATERとCARA_ELEMにチェック入れ,EXCITにAFFE_CHAR_MECAの数だけ適用する.(今回は2つ)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/tutorial7.png

(7-1)AnalysisはSTAT_NON_LINEを選択(POU_D_Eには対応していないので,注意!)

(8)IMPR_RESUで.medファイルを作成,FORMATはMEDで!

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/tutorial8.png

RESUではRESULTATにAnalysisで設定したもの(MECA_STATICS or STAT_NON_LINE)を選択.CARA_ELEMにチェックを入れて,NOM_CHAMにDEPLを入れる.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/tutorial9.png

なお,今回は変位のみを見ることが目的のためCALC_CHAMPは使わなかったが,使う場合はその他のテクニックを参照してください。

Paravis

Asterstudyで解析したmedファイルを開く.適用する前にGenerateVectorsにチェックを入れること!(チェックを入れないと,Warp by Vectorを選択できないため。)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/tutorial10.png

その後,Warp by Vectorを選択して変位図を見て,spread sheet viewで結果を確認する。

つりあい解析(二段階解析)のやり方

つりあい解析とは、事前に解析した構造解析の結果(1段階目の解析)を、次に解析したいモデルにその結果を入れて解析を回すこと(2段階目の解析)を指す。
横軸時間をとる時刻歴解析やモデルを先に変形させてから力を与えることもできる。(あるモデルに張力を与えて,その後に衝撃を与えるとか。後者の解析は現在確認中)
大きなメリットとして,解析時間の短縮が挙げられる.そして,段階的に解析を行えることから,例え長時間掛かる解析でも重複する部分があれば、その部分を1段階目の解析とすれば,改めて解析をする必要がなくなる。

・使用モデル
卒論で扱ったケーブル1本の簡易モデルからケーブル(C1)をなくしたモデル

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/kanimodel.png

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/kanihadan2.png

・解析条件
荷重は死荷重とケーブルから得られた張力を掛けている.
時刻歴応答解析 解析時間は115s,100sまで荷重等をゆっくり載荷させ,そこから110sまでモデルを安定させて,その後にケーブルに掛けている張力を0に落とす.
109sまでを1段階目,109sから2段階目の解析を行う。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/timestep.png

・設定法
写真のようにStageを2種類用意する。
chainanalysisが1段階目,chainanalysis-2が2段階目用のStageである。 http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/turiai1.png

1段階目 commファイルはこちら

基本的に自分が行っている解析のaster-codeをいつもどおり組めばよい。
時刻歴解析の場合,区切る時間(今回は109s)までの解析をここで行うこと。

2段階目 commファイルはこちら

AFFE_MODELEやDEFI_MATERIAUなど1段階目の解析と共通するものはStage2に入れなくてよい。
Stage1で設定したものがそのまま使えます。

使用するaster-code
絶対:Analysisに含まれるもの ,Output IMPR_RESU
人によって変わる:Functions and Listsに含まれるもの (時刻歴使うなら絶対にいる), BC and Loads AFFE_CHAR_MECA(2段階目で載荷条件を変える場合)CALC_CHAMP

ここでは時刻歴応答解析を行っているため,以下のように設定した。
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/turiai2.png

1段階目の解析終了地点から解析を再開しないと,1段階目の結果が引き継がれないので,注意!

そのため,解析時間は109sからスタートする。

Analysisでは,それぞれのaster-codeに入っているコマンド:ETAT_INITを加える。
(静的解析を行う場合,STAT_NON_LINEで。MECA_STATICSにはその設定が存在しない。また,固有振動数を求めるときに使う?CALC_MODEにも存在しないが,その場合のつりあい解析のやり方は模索中)

また、MODELEやCARA_ELEMといった選択式で入力するところはStage1で設定したものがそのまま使えるため、それを入れる。 RESULTATに1段階目のAnalysisで用いたものを入れる。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/turiai4.png

EVOL_NOLIに1段階目のAnalysisで用いたものを入れる。
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/turiai3.png

OUTPUTは1段階目と異なる.medの名前をつける。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/turiai5.png

RESUにはNOM_CHAMの設定とTOUT_OREDEとTOUT_CMPをOUIにする。

・解析の回し方

写真のようにstage同士をつなげることでつりあい解析が可能となる。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/turiai6.png

初めて回す際、一気に2段階目まで解析を行おうとすると,2段階目でエラーが出たら1段階目の解析もやり直しになってしまうため,別々に分けてやることをおすすめします。

まず,1段階目の解析を回したいので,2段階目の解析に赤い四角マーク(skipという意味)を押してからRunする。

解析が回ったら、1段階目の解析に青いチェックマーク(再利用という意味)を入れ,2段階目の解析にプラスボタンを押してRunする。Runすると,上の写真ようにStage同士を繋げることができる。

・1段階目の解析結果が考慮さえているかの判断

Paravisで2段階目の解析で行った結果ファイルを開く。
2段階目の解析結果のスタート地点の出力した値(DEPLとか)が0になっていなければ成功!

つりあい解析を行った場合と行わない場合での結果を比較したところ、お互い同じ結果が得られた!

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/turiaikekka.png  

その他のテクニック

ここでは,様々な解析手法を説明する.
一部,千代岡の卒論日誌から引用し,編集したものを載せています.(適宜、このページ用に編集中)

要素番号や節点番号の探し方

Meshで探すことができる。
まず、作成した(計算した)メッシュを右クリックして,メッシュに関する情報を開く。
開くと,下の写真のような画面が出る。 http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/chisiki1.png

要素情報を選ぶと,3つの選択肢が出る。ノードと要素を選び,空欄に数字を入れると,数字に対応したノード・要素の座標や重心等の情報が見れる。 http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/chisiki2.png

グループ化した要素についても、詳細情報が見れる。 http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/chisiki.png

AFFE_CARA_ELEMについて(編集中)

AFFE_MODELEとAFFE_CARA_ELEMの対応コマンド

ソリッド要素では,AFFE_MODELEを3Dと設定していたが,ビーム要素では,基本的にPOU_D_E,POU_D_EM,DIS_TRの3種類を使用します.(意味は下のまとめたところに書いてあります。)

AFFE_MODELEで設定したMODELISATIONはAFFE_CARA_ELEMのコマンドに適用できるものを選ばないとエラーがでます.
対応しているものを以下にまとめたので、参考にしてください.

POUTRE:POU_D_E, POU_D_T, POU_D_TG, POU_D_T_GD, FLUI_STRU, TUYAU_3M,TUYAU_6M, POU_D_EM, POU_D_TGM
BARRE:BAR, CABLE_GAINE
CABLE:CABLE, CABLE_POULIE
COQUE:COQUE_AXIS, COQUE_C_PLAN, COQUE_D_PLAN, DKT, DST, DKQ, DSQ,Q4G, COQUE_3D, DKTG, Q4GG
DISCRETE:DIS_T, DIS_TR
DISCRETE_2D:2D_DIS_T, 2D_DIS_TR
MULTI_FIBRE:POU_D_EM, POU_D_TGM

→梁の種類によって、選択するものが異なる。自分がこれまで使ったものをこちらにまとめた。
・真っ直ぐな梁:POU_D_E(オイラー[Euler]梁), POU_D_T(ティモシェンコ[Timoshenko]梁)
・マルチファイバーの梁(鉄筋コンクリートを想定したモデル作成や非線形材料の解析に使う。)POU_D_*M [*にはEやGなどが入る]
・棒(鉄筋とか断面が円のもの?) 2D_BARRE, BARRE 引張と圧縮応力が見れる
・ケーブル CABLE 引張荷重 (引張だけ出せるが、斜張橋などのケーブルのような挙動ではなく、コンクリートのプレストレスなどを再現するのに使われるコマンド)
・DIS_T,DIS_TR 離散要素(バネ要素) T[Translation]は変位,R[Rotation]は回転を示す.ピン接合を再現するのに使う.

CABLEについて

前にこの要素が橋梁モデルに使えるのか議論していたこと(未解決)があったため、ここにまとめておく。

・SalomeのCABLEとは
コンクリートのプレストレスなどを再現するのに使われるとのこと.橋梁には適さない要素に見えるが果たして...。

・設定方法
○AFFE_MODELEでの設定法

MODELISATIONをCABLEに変更.

○AFFE_CARA_ELEMでの設定法

N_INIT:初期張力の値を入力。しかし、橋梁のケーブルに引張の張力を与えているにも関わらず、引張の挙動をしてくれないらしい...
→現状は,初期張力0と入力して,いつも使っているCREA_CHAMPを用いて張力を入れる方法でケーブル要素に張力を与えている.
SECTION:断面積を値を入力
FCX:DEFI_FONCTIONで作成した関数を入れる.
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/chiyooka/setupCABLE.png

○DEFI_MATERIAUでの設定法

ピン接合の再現方法(DIS_TR[バネ要素]の設定法)

Marcでは.梁ピン接合という設定で再現できるが,Salomeではバネ要素を用いた線で再現できる。(AFFE_MODELEでDIS_TRを設定し,AFFE_CARA_ELEMのDISCRETでK_TR_D_L,M_TR_D_Lを選択する.)
部材と部材の距離はできる限り短くする。(下の写真のモデルのバネ要素の線は0.1mmにしている。)

DISCRETのK_TR_D_Lの設定画面
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/pinset.png

VALE[0],[1],[2]は変位に対する剛性(0,1,2の順にx,y,z方向を示す.), [3],[4],[5]は回転に対する剛性(3,4,5の順にDRX,DRY,DRZを示す.)
回転に対する剛性を緩め、変位に対する剛性を高めることでピン接合の再現ができる。
REPEREはGLOBAL(グローバル座標)でよい。

DISCRETのM_TR_D_Lの設定画面

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/M_TR_D_L2.png

VALE[0]〜[4]は質量行列に与える値です。質量行列を0にしないと以下の警告メッセージが出るため,ここでは全ての値を0にする。(このメッセージが出て,解析エラーになったケースもあり)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/eroorDISTR.png

↓矢印説明書に書かれていた質量行列に関する内容を日本語訳したもの

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/jM_TR_D_L.png

ビーム断面の適用方法

1D要素で弾塑性解析を始めとした材料非線形の解析を行う場合は、POU_D_EM, POU_D_TGMを用いる必要があり、これらの要素にはビーム断面を作成してビームモデルに適用する必要がある。

(1)DEFI_GEOM_FIBER
まず、このコマンドを使う前にビーム要素の断面として使う断面モデルをGeometryで作成、Meshを切り、LIRE_MAILAGEで適用すること。
SECTIONは断面定義、FIBREは断面の穴あき部分を定義する?(例えば、鉄筋コンクリートの断面モデルを作成する際、鉄筋を入れるところはcutして空白部分をつくり、そこをFIBREで当てはめていた。)
ビーム断面が厚肉断面もしくは空白部分に何も入れる必要がなければ、SECTIONだけでよい。
TOUT_SECTはビーム要素に作成した平面モデルを全て適用したい場合にチェックをいれる。
GROUP_FIBERは好きな名前をつけてよい。
MAILAGE_SECTはLIRE_MAILAGEで適用した平面モデルを選択。
COOR_AXE_POUTREとANGLEは0でよい。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/DEFI_GEOM_FIBER.png

(2)AFFE_CARA_ELEM
GEOM_FIBREが適用されていることを確認して、MULTIFIBREの選択。GROUP_MAは自分のつくったビーム要素を選択し、GROUP_FIBREは(1)で設定した名前と同じ名前を記入。後はAFFE_MODELEで適用した設定に合うコマンド(POUTREなど)を設定すること。(例:MULTIFIBRE+POUTRE)
(ただし、AFFE_MODELEで_*Mと書いてあるキーワードを設定すること。詳細はAFFE_MODELE(1)参照)

(3)DEFI_COMPOR
ここでは断面の材料特性と状態(弾塑性を入れるとか)を定義する。
このコマンドは画面上の{a}+の横にある{}+(Show All Commands)をクリックして、DEFI_COMPORと検索すると出てくる。
スクロールして探すなら、Otherの欄にあるので、それを選択してクリック

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/addcommands.png

適用すると、下図のような画面が現れるが、GEOM_FIBREはDEFI_GEOM_FIBERを適用する場所、MATER_SECTは断面に定義する材料特性である。
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/COMPOR1.png

MULTIFIBREを選択したら、GROUP_FIBREは(1)と同じ名前,materはDEFI_MATERIAUで設定したものを適用、RELATION(構成則)は弾塑性(VMIS_ISOT_とか)などを入れることができるので、自分が入れたいものを選択する。(STAT_NON_LINEのCOMPORMENTで設定するRELATIONはMULTIFIBREにすること。)
最後に、DEFI_COMPORをAFFE_MATERIAUのAFFE_COMPORで適用するのを忘れずに行うこと。
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2022/chiyooka/COMPOR2.png

動的応答解析のやり方

・注意点
(1)DEFI_FONCTIONとAFFE_CHAR_MECAは、Pre Analysis・Analysis用とPostprocessing用に分けること。また、名前も変えるのも忘れないように。
(2)DISCRETに質量マトリクスを用意しておくこと。DISCRETには質量を入れられないので、M_TR_D_LにVALE0を入れる。これでDISCRETの質量マトリクス計算を無視することができる。
この設定をしないと、ASSEMBLAGEでバネ要素に質量マトリクスを定義しようとするので、エラーがでる。
詳しくはこちらを参照

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/M_TR_D_L.png

(3)DYNA_VIBRAとCALC_CHAMPの名前は同じにすること。(同じ名前にしないと、何故かエラーが出る。理由は不明。)
(4)CALC_CHAMPのEXCITにDYNA_LINEで設定したCHARGEの分だけ入れること。(ちなみに、DYNA_NON_LINEではこの作業は必要ない。)

設定方法
[1]Pre analysisのASSEMBLAGEを選択
・ここでやること
①NUME_DDLは{}押し、nddlと入力。
②MATR_ASSEで質量マトリクスと剛性マトリクスを定義する。(質量マトリクスはMASS_MECA,剛性マトリクスはRIGI_MECAを選択。MATRICEは好きな名前でOK.)
③CHARGEはAFFE_CHAR_MECAで適用した境界条件分だけ追加する。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/ASSEMBLAGE.png

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/MATR_ASSE.png

[2]DYNA_NON_LINE
ここで弾塑性を入れた動的解析ができると思われるが、そのあたりの設定をまだ把握してないので、分かり次第追記します。
・最低限やること ①SCHEMA TEMPSでNEWMARK,FORMULATIONをDEPLACEMENT(変位),β=0.25,γ=0.50と設定する。(ニューマークβ法の設定)
ちなみに,説明書の12ページを見ると,ニューマークは時間積分を行なっているとのこと。
更に詳しく調べると,これは直接積分法(正確には直接時間積分法)の陰解法と呼ばれているらしい。
(Marcもニューマークβ法を用いて連鎖崩壊に関する解析をしていたので,名称はこれで間違っていないはず。)
参考サイト

②INCREMENTはDEFI_LIST_INSTで設定したものを選ぶ。
③EXCITにAFFE_CHAR_MECAで作成した数だけ設定する。載荷条件にはDEFI_FONCTIONで作成したテーブルを適用するのを忘れずに
ビーム要素なら、CARA_ELEMにチェックを入れること。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/1DYNA_NON_LINE.png

陰解法と陽解法について

陰解法は時間変化を取り扱う解析で、現在の時間TからT+ΔTに進むときの連立方程式を解く解法.
特徴として...

陽解法は現在の時間Tをもとに、時刻T+ΔTの解を求める解法.
特徴として...

Salome-Mecaでは,DYNA_NON_LINE→SCHEMA_TEMPで設定可
陰解法:NEWMARK,HHT
陽解法:DIFF_CENT,TCHAMWA

各解法の説明

・NEWMARK
時間積分法の一種.平均加速度法の係数β=0.25,γ=0.50の組み合わせでよく使われる.

・HHT
①修正平均加速度:組み合わせ「HHT,MODI_EQUI = 'NOT'」

②Hilber-Hughes-Taylor法:組み合わせ「HHT,MODI_EQUI = 'OUI'」

・DIFF_CENT

・TCHAMWA

ある時間で力を0に落とす方法

FEMにおいて,要素をある時間で切断・消すことはできない。(例:ケーブルを破断させる)
そこで,力を0にしたい要素をあらかじめ消しておいて,元々要素があった向きに力を掛け,その力をfunctionで操作することで,ある時間で要素を切断・消すことを再現できる。

ケーブル2本で桁を吊っている簡易モデルを例に説明する。解析時間は115s,timestepは0.001で110sでケーブルを0.001s掛けて破断させることを想定(横軸:時間をとる時刻歴応答解析を行うこと。)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/kaniver2.png

<下準備>
(1)まず、破断させたい要素の軸力(EFGE_ELNO)をデータ化して取り出す。横軸を時間に,縦軸を軸力(ケーブルの張力)になるようにデータを並べる。
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/makeTdata1.png

(2)110sまで画面を移動させ,110.001sで=0を入力。そして,解析終了時間まで下に引っ張る。(これで破断させてから解析時間終了まで張力は0となる。)
画像では「,」ついてますが、この時点では「,」要らないので、無視してください。
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/makeTdata3.png

(3)時間データを違うセルに貼り付け、その隣に,=","&並べた張力データのセル番号を入力し,解析終了時間まで下に引っ張る(セルの右下の小さな黒い四角形をダブルクリックでもいけるはず)。
「,」を入れないと、Salomeにデータを入れることができないため、忘れずに行うこと!
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/makeTdata2.png

ちなみに、0.005s掛けて張力を0に落としたい場合、破断初めの時間(今回は110s)の張力を110.005sまで等間隔(110s時の張力÷5)で張力を0を落とすように数値を設定すること。
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/makeTdata4.png

(4)作成したデータをテキストエディタに貼り付け、それを保存する。

<Salomeでの設定方法>

(1)Meshの画面に行き,破断させたい要素を取り除いたcompound_Meshを作成する。
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/2honkanimodel.png

(2)DEFI_FONCTION→VALEを選択。import tableを選択.(表に矢印がついているマークをクリック)
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/makeTdata5.png

(3)import tableを選択すると,ファイルを選択する画面が出る。ファイルの種類をAll filesに変更して,テキストエディタで作成したデータを選択.
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/makeTdata6.png

(4)BC and Load → FORCE_NODALEを選択.
ここで,元々要素があった向きに軸力を与える必要がある。元々あった要素が軸方向に存在するなら単純にその向きに力を与えればよいが、今回のモデルのように要素が斜め方向に存在する場合は力の分解を用いる必要がある。(x,y,z軸方向にしか力を与えられないため。)
要素をなくした部分を斜辺として,1つの三角形として表現する。(今回は,底辺1000mm,高さ1000mmの三角形とみなす.)
シンプルな方法として,三平方の定理を用いて斜辺を求め,底辺/斜辺、高さ/斜辺で力の分解ができる。
今回は1:1:√2の三角形のため,1/√2の力の分解となる。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/makeTdata8.png

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/makeTdata7.png

そして,(2)で与えたDEFI_FONCTIONで与えた関数を与えることで,元々存在していた要素方向に掛かる力を再現することができる。(力の分解したときの値×DEFI_FONCTIONで与えた張力)

温度でのプレストレスの与え方(編集中)

ここでは温度でのやり方を示す。(ひずみは後述のPRE_EPSIについてを参照)

(0)DEFI_FONCTIONで温度変化のfunctionを作成する。(MECA_STATICを用いる場合は必要ない)
NOM_PARA(横軸)をINST,NOM_RESU(縦軸)をTEMPに設定。
PROL_はVALEで作成したグラフの範囲外(DROITEは右側,GAUCHEは左側)をどうするか設定できる。(あってもなくても問題ないと思うが,一応入れている。)
写真はEXCLUを使っているが,これは除外という意味。(VALEの範囲外を解析に考慮しないという認識でいいと思う。)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/ondo1.png

VALEの設定方法はSTAT_NON_LINE(静的解析)orDYNA_NON_LINEといった時刻歴応答解析で意味合いが異なるので注意.

写真は静的解析を想定したもので,0倍の変化時に温度0、1倍の変化時に温度-100℃になるようなfunctionを作成している。
時刻歴の場合だと、解析時間0秒のときに温度0℃、解析時間1秒のときに温度-100℃となるfunctionを作成したことになる。
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/ondo2.png

(1)Post Processing → CREA_CHAMPを選択。
TYPE_CHAMは「NOEU_TEMP_F」を選択する。(MECA_STATICの場合は,「NOEU_TEMP_R」を選択。)
OPERATIONは「AFFE」,MODELEにチェックを入れる。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/ondo3.png

AFFEを1itemにする.温度荷重を与えたい部材をGROUP_MAで選択.
VALEはMECA_STATICSを用いる場合,ここで最終的に変化させたい温度を入力する.
VALE_FはMECA_STATICS以外で用い,(0)で作成した温度のfunction(画面だとfunc0)を入れる。
NOM_CMPはTEMPと入力.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/ondo4.png

(2)Output → CREA_RESUを選択。(MECA_STATICSの場合は必要ない。)
この設定をしないと温度荷重を考慮して解析を回してくれない(MECA_STATICSは除く)ので、忘れずに行うこと!

(3)AFFE_MATERIAU → AFFE_VARCを選択。

ひずみでのプレストレスの与え方

(追記)
こちらは、プレストレスをひずみで与えるやり方です.
簡易モデルでは、この方法でプレストレスを与えたが、PRE_EPSIを適用する要素は必ず要素分割をする必要があります.
PRE EPSIは「設定したひずみになるように外力を与える」コマンドであるため , このコマンドを適用した要素は「与えた外力」しか考慮しない解析値を求めてしまいます.
それを回避するために,要素分割し,分割した1要素に以下の式で求めたεを入れてください.

PRE_EPSIをプレストレスとして用いる際の式:ε = α T × 要素分割数 (α:熱膨張係数 T :温度)

PRE_EPSIの説明書 51,52ページ参照

モデルをひずみを用いて変形させることができるコマンドである。
1Dモデル(Multifiber要素も含む)ではEPX(梁のローカル軸に応じた伸びの要素別定数値),3DモデルではEPXX,YY,ZZ,XY,XZ,YZに値を入れる。
(ky,kzはたわみの微分方程式から得られるdθ/dx = -M/EI の値を入力する。使う必要があるなら入力する。ちなみに、式を見ると、kyは-dθ/dx,kzはdθ/dx とのこと。)
X,Y,Zの軸の向きはグローバル座標(salome画面の色がついてる座標)にあたるもので、正の値を入力すると伸び、負の値だと縮む。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/PRE_EPSI.png

単純梁モデル(10✕10✕120mm)にEPXX:0.01を与えると、以下の挙動が得られた。(Scalefactorは10倍にした。)
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/PRE_EPSI2.png 

線に色がついてるところが変形前のモデルの端であり、写真を見るとモデルが伸びていることが分かる。

・簡易モデルに用いた際に分かったこと
現在、ケーブルにPRE_EPSIを入れており、縮む挙動(ケーブルが桁を引っ張るようにする)をみる場合、ひずみの値に-をつける必要があるが、それだと応力がマイナスの値が出てしまう。(σ=Eεよりεがマイナスの値を与えているため)
その理由について考えてみたが、要素を構成している節点にモデルを縮ませるような負荷を与えるように力を与えており、その内力(抵抗力)を応力としてSalomeが計算しているのではないかと推測した。(説明書に変形の負荷と書いてあるので、与えたひずみになるような外力をPRE_EPSIの設定をしたモデルに掛けているのでは?)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/PRE_EPSIyaku.png

↑PRE_EPSIの意味 日本語に訳すと要素に変形の負荷を与えるみたい。ちなみに、文字化けしているところはεが入っている。 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/PRE_EPSIrei.png 

↑簡単な例 PRE_EPSIで与えたひずみになるような外力をかけて、青い矢印(内力)の向きの応力を見ている可能性がある。

CALC_CHAMPについて

POU_D_E,POU_D_EMで計算できるもの(作成中)

軸力の見方

軸力はEFGE_ELNOの[N]で見る事ができることが分かった。Nは法線方向の力を意味している。(Marcだとbeam axial forceで軸力を見ることができ、その値とほぼ一致したので恐らくこれであっていると思われる。)
見る方法だが、medファイルをParaViSで閲覧し、フィルター→mechanic→ELNOfieldToSurfaceを選択すればOK。

[[参考資料:http://dugi6514.odns.fr/doc/v15/en/man_u/u2/u2.01.05.pdf]
↑Salomeで出力される力やひずみなどについて詳しく書かれている。

断面定数の算出方法

複雑な断面をビームモデルに適用したい場合,異なるhdfファイルで新しく作成して断定定数を求めた上で,作成したモデル(medファイル)と断面定数をモデル元のhdfファイルに入れる必要がある.

ここでは,そのやり方を説明します.

・(橋梁の主塔のような内側に穴が空いている矩形断面の作成例)

高さ2m,幅4m,厚さ0.025mの矩形断面を例に説明します。

○Geometry
・平面を用いて断面を作る
長方形のフェースを作成をクリック.ここで,高さor幅+厚さの平面(写真ではbig)と高さor幅−厚さの平面(写真ではsmall),2種類作成する。
(big:高さ2m+厚さ0.025m,幅4m+0.025m, small:高さ2m−厚さ0.025m,幅4m−0.025m)
断面を作成する際,座標の向きはX座標下向き,Y座標右向きで作成してください!!

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/newdanmen1.png 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/newdanmen2.png 

作成したら,Cutを用いて,厚さ0.025mの矩形断面を作成する.2種類の平面が重なっている部分が空白エリアとなる。(大きいものから小さいものを引くイメージ)
ここでは,bigをメインオブジェクト,smallをツールオブジェクトに選択する. 後,下の写真では高度のオプションに2種類チェックを入れてしまっているが、チェックは上の項目のみでOK.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/newdanmen3.png

Cutすると,以下の写真のようになる.
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/danmen3.png

・外側の四辺、内側の四辺、外側の四辺上の角の点、内側の四辺上の角の点、この4つのグループを作る。
外側の点と内側の点,外側の線と内側の線,計16個全てをグループ化する.(この作業が地味に大変です...)
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/danmen4.png

↓こんな感じになるかと.グループの名前は分かりやすいものにしたほうがいいです.
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/danmengroup.png

○Mesh
・メッシュを作成
アルゴリズムはNETGEN1D-2D,詳細設定は歯車押して,適用すればOK.(最大,最小サイズはいじらなくてもいいですが,細かすぎると解析に時間がかかるかも.)
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/Mdanmen1.png

・ジオメトリグループの作成
点はノード,線は要素に入れる.
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/Mdanmen2.png

・グループを作成
Faceにチェックを入れ,全て選択します。を選ぶ.

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/newdanmen4.png

・メッシュをmedファイルでエクスポート
作成したMeshを右クリックして,エクスポート→MEDファイルを選択.後は任意の名前をつけて,保存すればOK!

○aster_study
・LIRE_MAILAGEでメッシュ適用~ エクスポートしたMEDファイルを適用する.やり方は,…マークをクリックして保存したMEDファイルを選択する.
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/Adanmen1.png

・Model Definition > MACR_CARA_POUTRE >「GROUP_MA_BORD」を外の辺に > 「GROUP_NO」を外の点に > メッシュを適用

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/Adanmen2.png

MACR_CARA_POUTREは1つの辺に対し,1つの点しか適用できないため,1つずつ作る必要がある.(今回の例では,8種類作成する必要がある.)
面倒だと思うけど...一つずつ設定してください.

また,設定の仕方ですが,一筆書きになるように作成してください.下の画像を例に説明すると,表示している黄色の線がlsoto1ですが,次にMACR_CARA_POUTREを設定する際は外側の右辺(lsoto2)を「GROUP_MA_BORD」に適用します.
そして,外側の下辺(lsoto3),左辺(lsoto4)と設定すると一筆書きになります.
なお,「GROUP_NO」については黄色の線に対応するもの(今の状況だと上辺の左端点[soto1]と右端点[soto2])を選択し,一筆書きになるようにする.
画像の例だと,soto1→soto2→soto3→soto4になります.(上辺の左端点[soto1]を決めたら,次に下辺の右端点[soto3]に飛んだりするのはNG!!それだと,一筆書きにならないので!)

↓「GROUP_MA_BORD」の設定画面
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/Adanmen3.png

↓「GROUP_NO」の設定画面
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/Adanmen4.png

・Model Definition > MACR_CARA_POUTRE にて内側も同様に
外側の設定と同じようにやればOK.

・IMPR_RESU で FormatをRESULTATに、ファイル名を「kekka.resu」のようにする。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2023/chiyooka/Adanmen5.png

○計算を回してresultファイルを見る。
・ファイルに書かれているA(断面積),IY,IZ(断面2次モーメント),JX(ねじり定数)の数値はメモしておくこと.これらの値はAFFE_CARA_ELEMのPOUTRE→SECTION:GEBERALEで断面定数を与える際に使う.

なお、空白エリアが存在しない断面(密な断面)を作成する際は外側の点と線のグループを作成するだけでよい。
また、.resuファイルはhdfファイルやFilesと同じところに保存すると,何故か結果を出力してくれない(バグ?)ので,例えばkouzouのフォルダーとか違うところに保存してください。

○メインとなるhdfファイル(橋梁モデル等,主となるモデルがあるhdfファイル)に作成した断面形状,断面定数の適用方法

・断面形状の入れ方
LIRE_MAILAGE→...をクリック→エクスポートした断面形状のmedファイルを選択.

材料非線形

梁要素に適用できる(できそう?)弾塑性モデル

Astercode_U4.51.11
Astercode_R5.03.09

梁要素に適用できる,できそうな弾塑性モデルをまとめた。
1Dモデルに対応している弾塑性モデルは以下のとおりである。

説明は皆さんが使うことがある、可能性があるものを以下に記載。


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Last-modified: 2024-12-03 (火) 11:04:15