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不静定梁の影響線も基本的に 静定梁の影響線と同じ要領で求められる。 つまり、
図のような左端固定、右端ローラー支承の不静定梁の
両端の反力と中央($z=\frac{\ell }{2}$)のたわみの影響線を求めてみよう。
まずは、単位荷重の位置を表す$\zeta$が定数だと考えて、
普通に反力や断面力、たわみを$z$の関数として求める。
この問題は、
不静定梁のたわみの練習問題-問3
で、$a=\zeta$, $P=1$と置いたものと同じだから、
便宜上、
$0<z <\zeta$
の左側のたわみを$v_{左}$と書いて、
$\zeta<z<\ell $
の右側のたわみを$v_{右}$と書くことにすると、
たわみは
$v_{左}(z,\zeta)=\frac{(\ell -\zeta)}{12\ell^{3}EI}
\{(\zeta^{2}-2\ell \zeta-2\ell^{2})z^3+(6\ell^{2}\zeta-3\ell \zeta^{2})z^{2}\}
\;\;\;\; (0<z<\zeta)$
$v_{右}(z,\zeta)=\frac{\zeta^{2}}{12\ell^{3}EI}
\{(3\ell -\zeta)z^{3}-3\ell (3\ell -\zeta)z^{2}+6\ell^{3}z-2\ell^{3}\zeta\}
\;\;\;\; (\zeta<z<\ell )$
せん断力は、
$S_{左}(\zeta)=\frac{\zeta^{3}-3\ell \zeta^{2}+2\ell^{3}}{2\ell^{3}}
\;\;\;\; (0<z<\zeta)$
$S_{右}(\zeta)=\frac{\zeta^{2}}{2\ell^{3}}(\zeta-3\ell )
\;\;\;\; (\zeta<z<\ell )$
曲げモーメントは、
$M_{左}(z,\zeta)=
=\frac{1}{2\ell^{3}}\{(\zeta^{3}-3\ell \zeta^{2}+2\ell^{3})z
-(\zeta^{3}-3\ell \zeta^{2}+2\ell^{2}\zeta)\ell \}
\;\;\;\; (0<z<\zeta)$
$M_{右}=
=\frac{\zeta^{2}}{2\ell^{3}}\{(\zeta-3\ell )z-(\zeta-3\ell )\ell \}
\;\;\;\; (\zeta<z<\ell )$
となる。
まず、両端の鉛直反力は
$V_{A}(\zeta)=S_{左}=\frac{\zeta^{3}-3\ell \zeta^{2}+2\ell^{3}}{2\ell^{3}}$
$V_{B}(\zeta)=-S_{右}
=\frac{-\zeta^{3}+3\ell \zeta^{2}}{2\ell^{3}}$
左端のモーメント反力は、
$0<z<\zeta$のモーメントの式$M_{左}$に
$z=0$を代入して
$M_{A}(\zeta)=M_{左}(z=0,\zeta)
=\frac{-\zeta^{3}+3\ell \zeta^{2}-2\ell^{2}\zeta}{2\ell^{2}}$
両端の反力の影響線については、これらを
$\zeta$の関数として$\zeta$を横軸にとってグラフを描けばよい。
中央($z=\frac{\ell }{2}$)のたわみ等の影響線を描く場合は
ちょっと注意が必要である。
$0<\zeta<\frac{\ell }{2}$の場合
単位荷重が着目点の$z=\frac{\ell }{2}$よりも左側にある場合
(つまり着目点が単位荷重よりも右側にある場合ということだから)、
着目点のたわみを表す式は、
$\zeta<z<\ell $の場合の式つまり
$v_{右}(z,\zeta)$になる。
よって、たわみの影響線は
$v_{右}(z=\frac{\ell }{2},\zeta)=
\frac{-11\zeta^{3}+9\ell \zeta^{2}}{96EI}
\;\;\;\;(0<\zeta<\frac{\ell }{2})$
$\frac{\ell }{2}<\zeta<\ell $の場合
単位荷重が着目点の$z=\frac{\ell }{2}$よりも右側にある場合
(つまり着目点が単位荷重よりも左側にある場合ということだから)、
着目点のたわみを表す式は、
$0<z<\zeta$の場合の式つまり
$v_{左}(z,\zeta)$になる。
よって、たわみの影響線は
$v_{左}(z=\frac{\ell }{2},\zeta)=
\frac{1}{96EI}(5\zeta^{3}-15\ell \zeta^{2}+12\ell^{2}\zeta-2\ell^{3})
\;\;\;\;(\frac{\ell }{2}<\zeta<\ell )$
メモ: