[Googleで検索] [ウィキペディア] [IT用語辞典] [秋田大学蔵書検索システム] [ シラバス ] (土木環境工学実験) (情報処理の技法) (後藤資料)

構造力学(準備開始)
断面力

注意: このページの数式は、 MathJaxを使って書いてます。 数式部分がおかしい場合は、更新ボタンをクリックすると 改善するかも知れません。 太文字のギリシャ文字($\mathbf{\sigma}$など)が、 太文字になっていない($\sigma$)かもしれません。 印刷版で確認して下さい。 その他、おかしい記述があると思ったら、 メールなどで指摘して下さい。

構造力学ウェブテキストへ戻る

目次

応力分布

ひずみ-変位関係ベルヌーイ・オイラーの仮定から、 $yz$平面内で外力を受けて変形する ベルヌーイ・オイラー梁の ゼロでないひずみは、軸方向の伸びひずみだけで、

$\varepsilon_{zz}(y,z)=\frac{d w(z)}{dz}-y\frac{d^{2}v(z)}{dz^{2}}$


となることが導かれた。 1次元のフックの法則は、

$\sigma_{zz}=E\varepsilon_{zz}$

だから、これを上の$\varepsilon_{zz}$の式に代入すると、

応力-図心変位関係

$\sigma_{zz}(y,z)=E (\frac{d w(z)}{dz}-y\frac{d^{2}v(z)}{dz^{2}})$

という直応力と図心変位の関係が導かれる。

応力の三角形分布

./png/danmen_3kaku.png 軸方向の伸びひずみ$\varepsilon_{zz}$が桁高(けただか)$y$方向に 三角形分布しているのと同様に、 それを定数$E$倍した軸方向の直応力$\sigma_{zz}$も三角形分布している ことになる。

(目次)

断面力、合応力

まずは基礎の章では、 外力を受けてつりあっている梁を適当な断面で切ったときに その切断面に外力とつりあうように作用させる内力として、 梁の切断面の重心に作用する次の3つの力

軸力: 切断面に垂直な(軸方向の)1つの力
せん断力: 切断面に平行な1つの力
曲げモーメント: 切断面に作用する1つのモーメント

断面力と、おおざっぱに定義したけど、 ほんとは初等梁の切断面には、 軸方向の直応力$\sigma_{zz}$が三角形分布しているから、 この直応力を断面に対して(積分して)合計したものが、 より正確な断面力の定義になりそうだ。 このように、断面力を 「断面に作用する応力を断面に対して積分して合計したもの」という 意味合いで、 合応力と呼ぶこともある。 合応力は応力ではなく断面力だから、 次元は「力」だったり「力×長さ」だったりする。 さて、土木や建築の分野では、 「応力」の意味で「応力度」という語を用い、 上記の「合応力」の意味で「応力」という語を用いるという 紛らわしい使い分けをする困った習慣が一部にある ( 例えば、平成14年度版の道路橋示方書でも「応力度」という表現が 使われ続けている )。 「応力」を圧力の次元を持つ応力テンソル成分の意味で使うのが 物理の分野の一般的な使い方だと思うので、 このテキストでも「応力」は圧力の次元を持つ応力テンソル成分の意味で 用いることとし、「応力度」といった紛らわしい表現は使わない。 「ひずみ度」についてはひずみ-変位関係参照。

軸力

という訳で、まずは軸力を直応力$\sigma_{zz}$から求めてみたい。 ./png/danmen_sekibun.png 断面を面積$dA$の微小部分に分割して、 (この微小部分の範囲内では$\sigma_{zz}$が一様だとみなすなら) それぞれの微小部分に$\sigma_{zz}(y,z)dA$の軸方向の力が作用していると 考えられる。 この軸方向の力$\sigma_{zz}(y,z)dA$をすべての微小部分に対して 合計すれば、断面の軸力が求まりそうだ。 微小部分を極限まで小さくしてやれば、これは面積積分で表せるから、 軸力$N$は、

$N(z)=\int_{A}\sigma_{zz}(y,z)dA$

と定義できる。これに、 直応力-図心変位の関係を代入すると、

$N(z)=\int_{A}E (\frac{d w(z)}{dz}-y\frac{d^{2}v(z)}{dz^{2}})dA$
$=E\int_{A}dA \frac{d w(z)}{dz} - E\int_{A}ydA\frac{d^{2}v(z)}{dz^{2}}$

となる。 ここで $\int_{A}dA$は 断面の微小部分の面積$dA$を全断面に対して合計したものだから全断面の 断面積そのもになるので、

断面積$A=\int_{A}dA$

とおく。

./png/danmen_danmen.png 一方、$\int_{A}ydA$は、図のように、 断面の微小部分の面積$dA$と微小部分の$y$座標(正負の区別があるので注意)を かけたものを全断面に対して積分して合計したものであり、 断面1次モーメントと呼ばれる定数(断面定数)である。 そこで、

断面1次モーメント$J_{x}=\int_{A}ydA$

とおいて、軸力の式を書き直すと、

$N(z)= EA\frac{d w(z)}{dz} - EJ_{x}\frac{d^{2}v(z)}{dz^{2}}$

となる。 $J_{x}$の添字$\ _{x}$は、$x$軸まわりの断面1次モーメントの意味で つけている。 同様に$y$軸まわりの断面1次モーメント$J_{y}$は

$J_{y}=\int_{A}xdA$

と定義できる。 実は図心の座標$(x_{G}, y_{G})$は、 $y, x$軸まわりの 断面1次モーメント$J_{y}$, $J_{x}$を使って、

$x_{G}=\frac{J_{y}}{A}$

$y_{G}=\frac{J_{x}}{A}$

と定義できる。

断面1次モーメントのイメージ

./png/danmen_1zi.png 断面1次モーメントと図心のイメージは、こんなふうに 考えたらいいかも知れない。 $x$軸まわりの断面1次モーメント$J_{x}$の場合、 図のように、$x$軸が細い棒で、その上に梁断面の形をした板がのっていて、 板の単位面積あたりの重量が$q$の場合、 この板の$x$軸まわりのモーメントの合計を求めてみたい。 $x$軸よりも右側($y>0$)の微小部分$dA$は、 $x$軸右ねじまわりに$yqdA$のモーメントをつくるし、 $x$軸よりも左側($y<0$)の微小部分$dA$は、 $x$軸左ねじまわりに$-yqdA$のモーメントをつくるけど、 これを $x$軸右ねじまわりになおすと結局$yqdA$だから、 この板の$x$軸まわりのモーメントの合計は、 $\int_{A}yqdA$となり、結局$qJ_{x}$となる。 つまり、$x$軸まわりの断面1次モーメント$J_{x}$は、 その断面の形の板を$x$軸(という水平の細い棒)にのせたときに、 $x$軸の右ねじまわりに (単位面積あたり1の)自重でどれだけ回転しようとするかという モーメントの合計を表していると言えるだろう。 つまり、$x$軸がちょうど図心上にあれば、 $x$軸まわりのモーメントがつりあうので、 断面1次モーメント$J_{x}$は0になる。 つまり水平な細長い棒の上に板を水平にして 板の図心をのせれば板は回転せずにつりあう ことができる。 同様に、 $y$軸がちょうど図心上にあれば、 $y$軸まわりのモーメントがつりあうので、 断面1次モーメント$J_{y}$は0になる。 つまり、鉛直に立てた針の先に板を水平にして板の図心を のせれば板は針の上でつりあっていることができる。 そのような針の先にのせたときにつりあう点のことを 我々は「重心」と呼んでいるが、単位面積あたりの重量が一様なら、 重心は図心と一致する。 さて、 ここで用いている初等梁のモデルでは、 $z$軸は図心を通っていることになっているので、 実は、断面1次モーメント$J_{x}$は0である。よって、 $z$軸上の任意点の 軸力$N(z)$は、結局

軸力-図心変位関係

$N(z)= EA\frac{d w(z)}{dz} $

と表されることになる。 この$EA$は、伸び剛性と呼ばれ、 梁の伸び縮みしにくさを表している。 つまり応力が三角形分布している断面の直応力を、 断面形を考慮しながら積分して合計してやると、 ちょうど断面の図心での直応力$E\frac{dw(z)}{dz}$に断面積$A$ をかけたものと等しくなる。 一方、 図心から離れた位置の直応力に断面積をかけたものは、 直応力の合計とは、 ずれる。そのずれの大きさは、 三角形分布の傾きに断面1次モーメントとヤング率をかけたもの ($EJ_{x}\frac{d^{2}v(z)}{dz^{2}}$)となる。

(目次)

曲げモーメント

./png/danmen_sekibun.png 断面の直応力$\sigma_{zz}$から軸力を求めたのと同じ要領で、 次に 断面の曲げモーメントを直応力$\sigma_{zz}$から求めてみたい。 断面を面積$dA$の微小部分に分割して、 (この微小部分の範囲内では$\sigma_{zz}$が一様だとみなすなら) それぞれの微小部分に$\sigma_{zz}(y,z)dA$の軸方向の力が作用していると 考えられる。 この軸方向の力$\sigma_{zz}(y,z)dA$に断面上の$y=0$の点まわりモーメントの腕の長さ $y$をかけてすべての微小部分に対して 合計すれば、断面の曲げモーメントが求まりそうだ。 では。 微小部分を極限まで小さくしてやれば、これは面積積分で表せるから、 曲げモーメント$M$は、

$M(z)=\int_{A}y\sigma_{zz}(y,z)dA$

と定義できる (断面1次モーメントのところで説明したように、 $y>0$, $y<0$の部分で同じ向きの力がつくるモーメントの向きは逆まわりに なるが、これは$y$の符号で表現されるのでそのまま$y$をかけて全領域に積分すれば よい)。 これに、 直応力-図心変位の関係を代入すると、

$M(z)=\int_{A}yE (\frac{d w(z)}{dz}-y\frac{d^{2}v(z)}{dz^{2}})dA$
$=E\int_{A}ydA \frac{d w(z)}{dz} - E\int_{A}y^{2}dA\frac{d^{2}v(z)}{dz^{2}}$

となる。 ここで $\int_{A}ydA$は軸力の節で説明したように 断面1次モーメント$J_{x}$と置き換えるとして、 今度は、$\int_{A}y^{2}dA$という積分が出てきた。

./png/danmen_danmen.png $\int_{A}y^{2}dA$は、断面の 微小部分の面積$dA$と微小部分の$y$座標の2乗 (つまり$y$の正負は関係なくなる)をかけたものを 全断面に対して積分して合計したものであり、 断面2次モーメントと呼ばれる定数(断面定数)である。 そこで、

断面2次モーメント$I=\int_{A}y^{2}dA$

とおいて、曲げモーメントの式を書き直すと、

$M(z)= EJ_{x} \frac{d w(z)}{dz} - EI\frac{d^{2}v(z)}{dz^{2}}$

となる。 断面1次モーメントのイメージの節で 説明したように、$x$軸が図心上にあれば断面1次モーメント$J_{x}$は0になるので、 $z$軸が図心を通っているこの初等梁のモデルでは、$J_{x}=0$となる。 よって、曲げモーメントは、結局

曲げモーメント-たわみ関係

$M(z)= -EI\frac{d^{2}v(z)}{dz^{2}}$      (重要)

と表されることになる。 この$EI$は 曲げ剛性と呼ばれ、 梁の曲がりにくさを表している。 なお、断面2次モーメント$I$が$x$軸まわりの断面2次モーメントであることを 強調する場合には、$I_{x}$と表記する。 さて、 曲げモーメント$M(z)$がたわみ$v(z)$の2階微分で表されているということは、 曲げモーメント分布が力のつりあいで求まる静定構造物なら、 これを$z$について2回積分すればたわみ$v(z)$を$z$の関数として求めることが できそうである。 この方法については静定梁のたわみの章で述べる。
さて、 応力-図心変位関係 $\sigma_{zz}(y,z)=E (\frac{d w(z)}{dz}-y\frac{d^{2}v(z)}{dz^{2}})$ に、 軸力-図心変位関係 $N(z)=EA\frac{d w(z)}{dz}$ と 曲げモーメント-たわみ関係 $M(z)= -EI\frac{d^{2}v(z)}{dz^{2}}$ を代入すると、

直応力-曲げモーメント関係

$\sigma_{zz}(y,z)= \frac{N(z)}{A}+\frac{M(z)}{I}y $

という関係式が得られる。特に軸力$N$が作用していない場合には、

$\sigma_{zz}(y,z)= \frac{M(z)}{I}y $      (重要)

となる。これは、梁の断面力と断面形状が分かれば、 断面の直応力の三角形分布が求まる式なので重要であり、 公式として暗記しておく必要がある。

中立軸

軸力$N$が作用していない場合、 曲げによる直応力の三角形分布は、図心(つまり$y=0$)でちょうど $\sigma_{zz}$が$0$になる。 このように$\sigma_{zz}$が(ということは$\varepsilon_{zz}$も)$0$に なっていて、 伸び縮みが発生していない面(この場合、$zx$平面)のことを 中立面と呼び、中立面が断面と交わる線を 中立軸と呼ぶ。 「伸び縮みが発生していない軸」として定義される中立軸は、 軸力が作用していない直線梁の場合は、図心を通る。

(目次)

断面定数の計算

./png/danmen_sx.png 図のような二等辺三角形の対称軸に$y$軸を取り、 $x$軸を三角形の図心とは一致しない適当な位置に取った場合に、 この三角形の$x$軸回りの断面1次モーメントを求めてみたい。 任意の$y$座標で$x$軸に平行な細長い面積$dA$の微小部分を考える。 この微小部分の横幅は、 三角形の相似関係から$\frac{b}{h_{1}+h_{2}}(h_{1}-y)$となる ($y$は$x$軸より下か上かで正負の値を取るので、この式は 微小部分が$x$軸より下にあっても上にあっても成り立つ)。 微小部分の面積を$dA=\frac{b}{h_{1}+h_{2}}(h_{1}-y)dy$と置くと、 $x$軸まわりの断面1次モーメントは、

$J_{x}=\int_{A}ydA$
$=\int_{-h_{2}}^{h_{1}}y\frac{b}{h_{1}+h_{2}}(h_{1}-y)dy$
$=\int_{-h_{2}}^{h_{1}}\frac{b}{h_{1}+h_{2}}(h_{1}y-y^{2})dy$
$=\frac{b}{h_{1}+h_{2}}[\frac{h_{1}y^{2}}{2}-\frac{y^{3}}{3}]_{-h_{2}}^{h_{1}}$
$=\frac{b}{h_{1}+h_{2}}( \frac{h_{1}^{3}}{2}-\frac{h_{1}^{3}}{3}-\frac{h_{1}h_{2}^{2}}{2}-\frac{h_{2}^{3}}{3} )$
$=\frac{b}{6(h_{1}+h_{2})}(h_{1}^{3}-3h_{1}h_{2}^{2}-2h_{2}^{3})$
$=\frac{b}{6(h_{1}+h_{2})} (h_{1}^{3}-h_{1}h_{2}^{2}-2h_{1}h_{2}^{2}-2h_{2}^{3})$
$=\frac{b}{6(h_{1}+h_{2})} (h_{1}(h_{1}^{2}-h_{2}^{2})-2h_{2}^{2}(h_{1}+h_{2}))$
$=\frac{b}{6}(h_{1}(h_{1}-h_{2})-2h_{2}^{2})$
$=\frac{b}{6}(h_{1}^{2}-h_{1}h_{2}-h_{2}^{2}-h_{2}^{2})$
$=\frac{b}{6}((h_{1}+h_{2})(h_{1}-h_{2}) -h_{2}(h_{1}+h_{2}))$
$=\frac{b}{6}(h_{1}+h_{2})(h_{1}-2h_{2})$

となる。 さて、図心の$y$座標$y_{G}$を求めてみると、

$y_{G}=\frac{J_{x}}{A}$
$=\frac{\frac{b}{6}(h_{1}+h_{2})(h_{1}-2h_{2})}{\frac{b(h_{1}+h_{2})}{2}}$
$=\frac{h_{1}-2h_{2}}{3}$

となる。さて、原点がちょうど図心に来るようにするには、 $y_{G}=0$とおけばいいから、 $\frac{h_{1}-2h_{2}}{3}=0$から $h_{1}=2h_{2}$となり、三角形の図心は頂点から 高さの$\frac{2}{3}$の位置にあることがわかる。

./png/danmen_i.png 次に、$x$軸がこの三角形の図心上にある場合に、 この三角形の$x$軸まわりの断面2次モーメントを求めてみよう。 任意の$y$座標で$x$軸に平行な細長い面積$dA$の微小部分を考える。 この微小部分の横幅は、 三角形の相似関係から$\frac{b}{h}(\frac{2}{3}h-y)$となる ($y$は$x$軸より下か上かで正負の値を取るので、この式は 微小部分が$x$軸より下にあっても上にあっても成り立つ)。 微小部分の面積を$dA=\frac{b}{h}(\frac{2}{3}h-y)dy$と置くと、 $x$軸まわりの断面2次モーメントは、

$I=\int_{A}y^{2}dA$
$=\int_{-\frac{h}{3}}^{\frac{2}{3}h}y^{2}\frac{b}{h}(\frac{2}{3}h-y)dy$
$=\frac{b}{h}\int_{-\frac{h}{3}}^{\frac{2}{3}h} (\frac{2}{3}hy^{2}-y^{3})dy$
$=\frac{b}{h}[\frac{2}{3}h\frac{y^{3}}{3}-\frac{y^{4}}{4}] _{-\frac{h}{3}}^{\frac{2}{3}h}$
$=\frac{b}{h} (\frac{2^{4}h^{4}}{3^{5}}-\frac{2^{4}h^{4}}{4\cdot 3^{4}} +\frac{2h^{4}}{3^{5}}+\frac{h^{4}}{4\cdot 3^{4}})$
$=\frac{bh^{3}}{3^{4}} (\frac{16}{3}-4+\frac{2}{3}+\frac{1}{4})$
$=\frac{bh^{3}}{3^{4}} (2+\frac{1}{4})$
$=\frac{bh^{3}}{36}$

となる。

(目次)

練習問題

問1

./png/danmen_1.png 図のような長方形の$x$軸まわりの断面1次モーメントと図心の位置、 断面2次モーメントを求めよ。 また$x$軸が図心上にある場合、 長方形の 断面2次モーメントが$\frac{bh^{3}}{12}$となる ことを示せ。

解答

$J_{x}=\int_{A}ydA=\int_{-h_{2}}^{h_{1}}ybdy$
$=[b\frac{y^{2}}{2}]_{-h_{2}}^{h_{1}} =\frac{b(h_{1}^{2}-h_{2}^{2})}{2}$ $I=\int_{A}y^{2}dA=\int_{-h_{2}}^{h_{1}}y^{2}bdy$
$=[b\frac{y^{3}}{3}]_{-h_{2}}^{h_{1}} =\frac{b(h_{1}^{3}+h_{2}^{3})}{3}$
$y_{G}=\frac{J_{x}}{A}=\frac{h_{1}-h_{2}}{2}$
$y_{G}=0$とおくと、$h_{1}=h_{2}$なので、
$I=\frac{b(2h_{1}^{3})}{3}=\frac{bh^{3}}{12}$

問2

./png/danmen_2.png 図のような2軸対称のI型断面の図心上に$x$軸があるとき、 $x$軸まわりの断面2次モーメントを求めよ。

解答

$I=\int_{A}y^{2}dA$
$=\int_{-\frac{H}{2}}^{-\frac{h}{2}}by^{2}dy +\int_{-\frac{h}{2}}^{\frac{h}{2}}ty^{2}dy +\int_{\frac{h}{2}}^{\frac{H}{2}}by^{2}dy$
$=[b\frac{y^{3}}{3}]_{-\frac{H}{2}}^{-\frac{h}{2}} +[t\frac{y^{3}}{3}]_{-\frac{h}{2}}^{\frac{h}{2}} +[b\frac{y^{3}}{3}]_{\frac{h}{2}}^{\frac{H}{2}}$
$=\frac{bH^{3}-(b-t)h^{3}}{12}$

./png/danmen_2i.png ついでに、$b \times h$の長方形に対する公式$\frac{bh^{3}}{12}$ を利用するなら、$b \times H$の大きい長方形の断面2次モーメントから $\frac{b-t}{2}\times h$の小さい長方形2個ぶんの断面2次モーメントを 引くという便法によって求めた答えが、面積積分による答えと 一致することを確認せよ。

(目次)

メモ: