解析結果やsalome解析で疑問に思って解決できたことなどを共有したいので、何かあれば書いてください。
発表日:2023年4月14日(金) 再発表日:2023年4月19日(水)
片持梁を引っ張って、応力ひずみ曲線を作成し、降伏応力が235N/mm^2になることを確かめる。(単純梁もできたので載せます。) 解析したものは、inkscapeで応力ひずみ曲線のグラフを作成すること。
幅10mm✕厚さ10mmのモデルで解析。モデルの設定等は上記の解析モデルと同じだが、単純梁については片方の支承をz方向に自由に動けるように再設定した。(x,y方向は固定)
他のモデルは時間の関係上省略させていただきます。(解析1つに相当の時間がかかるため。)
引張:梁の長さの中間地点でsliceして上側と下側を1点ずつ見る。(片持ち梁:50mm 単純梁:60mm)
これは梁の変形を考慮して、最も変形しにくいと思われる場所が梁の中間だと考えたため。
曲げ:片持ち梁は梁の固定面から少しずれた位置(7mm)でsliceして、引張側の1点で見る。(→ひずみが最大のところで見た。)単純梁は載荷した場所をsliceして、引張側の1点で見る。
・赤丸の点が解析の際に見たところ
引張の場合、上と下側の赤丸。曲げの場合、片持ち梁は上側の赤丸,単純梁は下側の赤丸。
片持ち梁引張
降伏時の応力とひずみ 上と下の点、どちらも同じデータが得られました。
ひずみ(mm) | 応力(MPa) |
0.00114 | 233.64 |
以前の降伏時の応力とひずみデータ
ひずみ(mm) | 応力(MPa) |
0.00114 | 233.64 |
片持ち梁曲げ
降伏時の応力とひずみ
ひずみ(mm) | 応力(MPa) |
0.00114 | 233.497 |
以前の降伏時の応力とひずみデータ
ひずみ(mm) | 応力(MPa) |
0.00110 | 229.697 |
単純梁引張
降伏時の応力とひずみ 上と下の点、どちらも同じデータが得られました。
ひずみ(mm) | 応力(MPa) |
0.00114 | 233.64 |
以前の降伏時の応力とひずみデータ
ひずみ(mm) | 応力(MPa) |
0.00114 | 234.002 |
単純梁曲げ
降伏時の応力とひずみ
ひずみ(mm) | 応力(MPa) |
0.001139 | 234.487 |
以前の降伏時の応力とひずみデータ
ひずみ(mm) | 応力(MPa) |
0.00107 | 218.189 |
平均で見る方法からある1点のみを見る方法に変更した結果、SM400の降伏応力である235MPaに近い値で降伏したことが確認できた。引張については以前の結果とほぼ同じ値が得られたが、曲げについては値が大きく変化したので、以前の方法では外れ値の影響を受けていたことが考えられる。 しかし、1点どこを見てもいいわけではなく、影響の受けにくい場所を選んで見る必要があるだろう。
気になった点として、単純梁の引張については片持ち張りの引張と同じ結果が得られたことである。これは片方の支承をz方向に自由に移動できるようになったため、そちら側に大きく引っ張られたことで片持ち張り引張と似たような変形が起きたために同じ結果が得られたと考えられる。
強制変位(5mm)(DDL_IMPO)を使った解析結果[モデルは10mm✕5mm✕100mm]
ひずみ | 応力 |
0 | 0 |
0.00025 | 50.1 |
0.00050 | 100.2 |
0.00075 | 150.3 |
0.00100 | 200.4 |
0.00124 | 234.9 |
0.00152 | 235.2 |
0.00179 | 235.5 |
0.00206 | 235.7 |
0.00233 | 236.0 |
0.00259 | 236.3 |
0.00286 | 236.5 |
0.0031 | 236.8 |
荷重(FORCE_FACEを236MPaに設定)を使った解析結果(解析値に関しては最初の5点と最後の5点を載せました。)[モデルは10mm✕5mm✕100mm]
ひずみ | 応力 |
0 | 0 |
1.18001E-05 | 2.36002 |
2.36006E-05 | 4.72007 |
3.54013E-05 | 7.08015 |
4.72024E-05 | 9.44027 |
0.00113418 | 226.714 |
0.001146 | 229.077 |
0.00115783 | 231.441 |
0.00116966 | 233.804 |
0.00284734 | 236.56 |
単純梁の引張[モデルは10mm✕15mm✕100mm]
降伏時の応力とひずみは233.8MPa,0.0011mm
まとめてみたもの
Kは片持ち梁、Tは単純梁、Mは曲げ、Hは引張
曲げで単純梁と片持梁の解析をしてみた結果、引張よりも精度が落ちることがわかりました。特に、単純梁と片持梁だと単純梁のほうが精度が悪い。
TRACTIONで設定する場合、AnalysisのCOMPORTEMENT→RELATIONをVMIS_ISOT_TRACに設定すること。 ECRO_LINEの場合、AnalysisのCOMPORTEMENT→RELATIONをVMIS_ISOT_LINEに設定すること。 なお、ECRO_LINEの設定のやり方についてはSalome-Meca_降伏点検証 を見てください。