例題4

図のように初期状態で$z$軸に長さ$\ell$の棒が横たわっている。 この棒の左端が$z$軸の原点に固定されており、 右端を右方向に引っ張ったところ、 図のように棒が$\Delta\ell$だけ伸びたとする。 このとき、変形後の棒の$z$方向変位を(初期状態の$z$の関数として) $w(z)=az+b$のような線形の1次式で表したい。 $w(0)$と$w(\ell)$を求め、 $w(z)$を求めよ。 また、 $\varepsilon_{zz}(z)$を求めよ。
答え: 左端は固定されていて変位は0だから、$w(0)=b=0$
右端は初期状態から$z$の正方向に$\Delta\ell$ だけ変位しているから、 $w(\ell)=a\ell+b=a\ell=\Delta\ell$ よって、$a=\frac{\Delta\ell}{\ell}$
よって、$w(z)=\frac{\Delta\ell}{\ell}z$
$\varepsilon_{zz}(z)=w'(z)=\frac{\Delta\ell}{\ell}$
注意:第1回で述べたように、 $w(z)$は、初期状態での点の座標$z$の関数である。 つまり、初期状態で$z$にあった点が、変形後に、初期状態での座標から どれだけ変位したかを表している。 変形後の点の座標の関数ではない。