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やること†
midasで時刻歴解析を行うとき、釣合状態(初期軸力とおもりの荷重が釣り合った状態)を初期条件にもってくる方法を調べる
midasで風による力を何とかして再現できないか、ケーブルの後ろにできる渦は再現できなくてもいいから(実験のケーブル単体のモデル)
実験での風速を決める
ケーブルにあたる風の周期的なものを調べる。(sin波なのかなど)
風の周期をカルマン渦の周波数にしてもいいのか
さぐありモデルの作成†
cable要素を使用したサグありモデルを作成した。

サグありモデルの作り方†
[1]まずサグのないまっすぐなcable要素を用意する
cable要素のみの場合、解析がエラーになってしまうため、固定部に壁を想定したマルチファイバー要素を結合した
[2]cableに張力、重力を与えたときの100点の座標を読み取る
このときサグは2.2m
[3]読み取った座標をプロットし(各点をt0〜t100とする)100点を線で結ぶことでサグありモデルを作成した。
サグの理論式†
ケーブル長さl(重力がかかっていないまっすぐな状態)、サグfを利用して張力、反力を求めることができるみたいだが、この逆をすることで張力からサグを求める
まずt100の張力(水平力)をH、単位長さ重量をwをしたとき、\( \gamma =w/H \)を求める
\( \sinh((\gamma*l)/4)=\sqrt((\gamma*f)/2) \)よりサグfを求める
この式からサグの理論値は2.2mとなった
サグありモデルのt100のみを引っ張ったときのサグ†
t100を1003.69kNの力で引っ張ったときのサグは2.1m
理論値と近い値になった。
サグありモデルで各ノードに力を与えた場合†
解析がまわらない。
サグありモデルのt100のみを引っ張ったとき各ノードの張力†
各ノードの張力をプロットした

ケーブルに角度をつけたとき(60°)のさぐありモデルの張力†
角度ありモデルを作成する際、重力の方向を変化させることで角度があることを再現した。


グラフは直線になり、張力の変化が一定となった。
ケーブルの角度を45°にしたとき†

サグモデルの作成(主桁をたるませてケーブルに張力導入)†
主桁とケーブルの連結部1点に載荷した場合

主桁の100点に載荷した場合

どちらも主桁がケーブルに持ち上げられている.
5月2日†
実験モデル†
ケーブルにおもりをつけることでサグを再現し、揺らしたときの挙動再現を解析で行おうとした。
しかしおもりがいろんな方向へ揺れてしまい再現は難しそう。もう一度実験方法を考える必要あり。

塔の高さ:900mm
ケーブルの長さ:845mm(正確ではない可能性あり)
鉛の間隔と1つ1つの重さ:1つ目の重りがケーブルと塔のつなぎ目から30mm、2つ目の重りから25mmで分布し、重りは全部で30個。
重さは0.9g、0.9g、2.1gの順になっている。
最初のサグの大きさ:鉛直方向に25mmだがこれも左右で多少の差があり、正確ではない可能性あり。
おもりを荷重として各ノードに下方向の力を与える方法と、おもりの質量をノードに与える方法の2つを試した。
・荷重として与える方法
おもりの重さを力として与えた場合、奥方向には変位しなかった。

・質量として与える方法
質量を加え横に押すまでの挙動は荷重でサグを再現したときと近くなった。
しかし、横向きの力をなくしたあとの挙動が荷重による方法と違いが生じた。

今後の課題†
由利橋のケーブルが揺れた原因をさぐる。
実橋と相似な実験モデルを作成し由利橋のケーブルの揺れを実験で再現する。さらに解析でも再現する。
実橋と相似な実験モデルの作成†
物理現象の支配方程式を無次元化させ、無次元パラメータを求める。
無次元パラメータを一致させてスケールダウンさせた実験モデルを作る。
非線形ケーブル運動の支配方程式
\[\frac{\partial}{\partial x} \left[\left( \sigma^{(s)} + \sigma \right) \frac{\partial u}{\partial x} + \sigma \right ] + X = \rho \frac{\partial^2 u}{\partial t^2}\]
\[\frac{\partial}{\partial x} \left[ \left( \sigma^{(s)} + \sigma \right) \frac{\partial v}{\partial x} \right ] + Y = \rho \frac{\partial^2 v}{\partial t^2}\]
\[\frac{\partial}{\partial x} \left[ \left( \sigma^{(s)} + \sigma \right) \frac{\partial w}{\partial x} + \sigma \frac{d}{dx}w^{(s)} \right] + Z = \rho \frac{\partial^2 w}{\partial t^2}\]
\( \sigma \)(s):静的応力、\( \sigma \):動的応力、w(s):さぐ、w:動的鉛直変位 X,Y,Z:x,y,z方向外力
軸方向の力が最もケーブルの運動に影響を及ぼすと考えられるため、xにおける方程式を無次元化させた。
\( x = L x^*, \quad u = L u^*, \quad \sigma = a \sigma^*, \quad t = b t^*, \quad X = \rho g X^* \)とし,
\[\frac{\partial}{\partial x} \left[\left( \sigma^{(s)} + \sigma \right) \frac{\partial u}{\partial x} + \sigma \right ] + X = \rho \frac{\partial^2 u}{\partial t^2}\]
を変形する
\[\frac{1}{L} \frac{\partial}{\partial x^*} \left[ \left( a \sigma^{(s)*} + a \sigma^* \right) \frac{\partial u^*}{\partial x^*} + \sigma^* \right] + \rho g X^* = \rho \frac{L}{b^2} \frac{\partial^2 u^*}{\partial t^{*2}}\]
\[\longrightarrow\]
\[\frac{a b^2}{\rho L^2} \frac{\partial}{\partial x^*} \left[ \left( \sigma^{(s)*} + \sigma^* \right) \frac{\partial u^*}{\partial x^*} + \sigma^* \right] + \frac{b^2 g}{L} X^* = \frac{\partial^2 u^*}{\partial t^{*2}}\]
\( b = \sqrt{\frac{L}{g}} \)と決定する。
\( \sigma = E \varepsilon \)より上式は次のようになる。
\[\frac{a E}{\rho g L} \frac{\partial}{\partial x^*} \left[ \left( \varepsilon^{(s)*} + \varepsilon^* \right) \frac{\partial u^*}{\partial x^*} + \varepsilon^* \right] + X^* = \frac{\partial^2 u^*}{\partial t^{*2}}\]
\( \varepsilon \)は無次元量のため方程式は無次元化され、係数\( \frac{a E}{\rho g L} \)を実橋と実験で一致させることで相似な実験が可能となる。
ナビエストークス方程式の無次元化†
ナビエストークス方程式
\[\rho \left(\frac{\partial \mathbf{u}}{\partial t} + (\mathbf{u}\cdot\nabla)\mathbf{u} \right) = -\nabla p + \mu \nabla^{2}\mathbf{u} + \mathbf{f} \]
レイノルズ数の導出
\[ \boldsymbol{u} = U\, \boldsymbol{u}^*, \quad t = T\, t^*, \quad \nabla = \frac{1}{L}\, \nabla^*, \quad p = \rho U^2\, p^* \]とし、\[ L / \left(\rho U^2\right) \]をかけると
\[\frac{\partial \boldsymbol{u}^*}{\partial t^*} + \left( \boldsymbol{u}^* \cdot \nabla^* \right)\boldsymbol{u}^* = -\nabla^* p^* + \left( \frac{\rho U L}{\mu} \right)\nabla^{*2}\boldsymbol{u}^* + \left( \frac{\rho U^2}{L} \right)\boldsymbol{f} \]
\[f = (\rho\, U^2) / L \, f^*\] とする
\[ \frac{\partial \boldsymbol{u}^*}{\partial t^*} + \left( \boldsymbol{u}^* \cdot \nabla^* \right) \boldsymbol{u}^* = - \nabla^* p^* + \frac{1}{\mathrm{Re}} \nabla^{*2} \boldsymbol{u}^* + \boldsymbol{F}^* \]
ここでRe(レイノルズ数) = (\( \rho U L ) / \mu \)
ナビエストークス方程式の無次元化でレイノルズ数が導出される。
ストローハル数の導出
代表時間スケールT=1/fv fv:カルマン渦の周波数
\[ \frac{\partial \boldsymbol{u}^*}{\partial t} = \frac{\partial (U \boldsymbol{u}^*)}{\partial (T t^*)} = \frac{U}{T} \frac{\partial \boldsymbol{u}^*}{\partial t^*} \]
ナビエストークス方程式をこれらを使用し整理すると、
\[ \left( \frac{U T}{L} \right) \frac{\partial \boldsymbol{u}^*}{\partial t^*} + \left( \boldsymbol{u}^* \cdot \nabla^* \right) \boldsymbol{u}^* = - \nabla^* p^* + \left( \frac{\rho U L}{\mu} \right) \nabla^{*2} \boldsymbol{u}^* + \boldsymbol{f}^* \]
ここで \( St (ストローハル数) = L / (U T) = (fv L) / U \)
実物と模型の比較
動粘性係数は同じ。
代表長さを直径とすると、L_{\text{実物}} = 102.59 \, L_{\text{模型}}
よって風速は次のように求まる。U_{\text{模型}} = 102.59\, U_{\text{実物}}
midasによるモデル化†

解析エラーが出てしまう.
エラーの内容はケーブルの各節点の自由度によるものである.
ケーブルの各節点を完全固定にすると解析は回るが,実験のようにX方向変位やy軸まわりの回転を許すとエラーになる.
幾何学的非線形を考慮することで自由度のエラーが消えた.
重りを節点荷重,張力を平衡要素の節点力という設定で解析を行った時の様子

節点荷重とその際に生じる張力を導入することで,ケーブルの変位が0に近い値となった.