ケーブル腐食を考慮した斜張橋における静的・動的応答解析

当面の課題

 

☐時間軸を考慮した動的応答解析

 
 
 

Marc_mentat

Model-600

主径間長600m、 900mの鋼斜張橋に関し、以下の手順に似て崩壊解析を行う。
Part 1: 常時設計荷重を満足するようなモデル橋を設計する。解析は弾性とし、断面照査は許容応力法を用いる。
Part 2: モデル橋の終局強度および崩壊形態を明らかにする。解析は弾塑性解析とする。

 

Part 1 線形解析
1. モデル橋の諸元および部材断面
主径間600mの斜張橋( Model-600)の線形解析を行う。
実橋は2面吊り斜張橋であるが、片面のみを考慮し、平面モデルとして解析する。

 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/M600/m01.png

 

主桁断面
UFlg. 3,000 x 25
LFlg. 3,000 x 25
2-Web 4,000 x 25
Steel Grade: SM490 (Yield stress: 315 MPa)

 

主塔断面
UFlg. 4000 x 25
MFlg. 4000 x 25
LFlg. 4000 x 25
2-Web 5000 x 25
Steel Grade: SM490Y(Yield stress: 355 MPa)

 

平行線ケーブル
ヤング係数 1.95 E5 N/mm2
材質 ST1570

3. 解析結果
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/M600/m02.PNG
設計荷重載荷時の変形

4. モデル橋の諸元および部材断面
主径間900mの斜張橋( Model-900)の線形解析を行う。
実橋は2面吊り斜張橋であるが、片面のみを考慮し、平面モデルとして解析する。

 
 

ケーブル破断(ケーブル腐食を考慮)

ケーブルの腐食が進行すると孔食のみならず,広範囲にわたり鋼は腐食し、鋼断面積も減少する.
(腐食レベル3に着目し)ケーブル断面が20%減少するとして,全長に渡り一様にケーブル断面積
を減少させてケーブル破断を想定したモデルに対し,荷重を作用させ,部材ごとの応力が降伏応力に達する
か否かの照査を行った.

1)アンカーケーブル(C1)が破断したケース

(a)C1が破断

スパン中央の鉛直変位:2.105mm
隣接するC2の応力は986N/mm2,
C14の応力は502N/mm2,
主桁、主塔、ケーブルの応力すべて弾性範囲内

 
 

(b)続いてC2が破断したと想定

スパン中央の鉛直変位:2,586mm
隣接するC3の応力は1299N/mm2,
C14の応力は316N/mm2,
C3はケーブルの第1降伏点に達する.主桁,主塔,の応力は弾性範囲内.

 
 

(c)続いてC3が破断したと想定

スパン中央の鉛直変位:3,139mm
隣接するC4の応力は1581N/mm2,
C14の応力は102N/mm2,
C4はケーブルの第2降伏点の降伏応力に近い応力が算出.主塔242N/mm2, 降伏応力に達する.

 
 

ケーブル破断を考慮した静的解析

ケーブルが破断すると想定して,ケーブルを無くした構造系に衝撃荷重と設計荷重を載荷させ,部材ごとの応力が
各部材の降伏応力に達しているか否かの照査を行う.

1)アンカーケーブル(C1)が破断したケース

(a)C1が破断

スパン中央の鉛直変位:2,105mm
隣接するC2の応力は827N/mm2,
C14の応力は424N/mm2,
主桁、主塔、ケーブルの応力すべて弾性範囲内

 
 

(b)続いてC2が破断したと想定

スパン中央の鉛直変位:2,107mm
隣接するC3の応力は1094N/mm2,
C14の応力は257N/mm2,
主桁、主塔、ケーブルの応力すべて弾性範囲内

 
 

(c)続いてC3が破断したと想定

スパン中央の鉛直変位:2,620mm
隣接するC4の応力は1330N/mm2,
C14の応力は64N/mm2,
C4はケーブルの第1降伏点に達する.主桁,主塔,の応力は弾性範囲内.

 
 
 
 
 

弾塑性崩壊解析

(a)主桁を構成する鋼材は SM400、主塔を構成する鋼材は SM490Yとする。構成則は
バイリニア、初期ヤング係数は 2.0 x 105 N/mm2 とする。
σy =
245 MPa (SM400)
315 MPa (SM490)
355 MPa (SM490Y)

 
 

(b)ケーブルは ST1570の平行線ケーブルとする。構成則はトリリニア、初 期ヤング係数は 1.95 x 105 N/mm2 とする。
σy = 1160 MPa
σp = 1570 MPa
E1 = 155 GPa
E2 = 55 GPa
εy = 0.75 %
εp = 1.50 %
εb = 4.0 %

 
 

(c)主桁、主塔断面はファイバー要素に分割する

板厚方向に2分割、板幅方向は6分割 した 。
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/M300/p21.png

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/M300/p22.png

ケーブル部材は主桁および主塔にピン接合する。すなわち、ケーブル部材端は回転自由 とする。

 
 

(d)解析方法
最初にケーブルプレストレス(Pr)を載荷し,死荷重および活荷重 D+L)を漸増させる.すなわち,
P = Pr + k ( D + L )
である.kは荷重増加係数であり,0.01ずつモデル橋が崩壊するまで増加させる.終局
時の kを終局荷重係数 kuとする.

 
 
 

【解析結果】

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

(1) 梁ピン結合

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

(2) 自由度固定(鉛直方向)

 

断面照査

断面性能を下記のように求める。

A(mm²)y(mm)Ay²(mm⁴)
UFlag11000×12132.000-1256208234752000
2-Web2500×126.000031250000000
LFlag11000×16176.0001258278531264000
Total368.000518016016000
 
 
I(断面2次モーメント)509610745739
l(有効座屈長)20000
r(断面2次半径)1177
 
 

主塔部

N=-15969kN
sn(軸応力)=-43.4N/mm²
My=-25130
sb(曲げ応力)=-69.9
sna(軸許容応力)=113.3
sba(曲げ許容応力)=140
r=(照査値)-0.809

スパン中央

N=239kN
sn(軸応力)=0.6N/mm²
My=39145
sb(曲げ応力)=108.9
sna(軸許容応力)=110
sba(曲げ許容応力)=140
r=(照査値)-0.782
 
 

断面性能を下記のように求める。

A(mm²)y(mm)Ay²(mm⁴)
UFlag3000×2266.000-2021266.911.986.000
2-Web4000×22176.0000234.666.666.667
LFlag3000×2266.0002021266.911.986.000
Total308.000768.490.638.667
 
 
I(断面2次モーメント)768.490.638.667
l(有効座屈長)54.600
r(断面2次半径)1580
 
 

主塔基部

N=-28100kN
sn(軸応力)=-91.2N/mm²
My=16642
sb(曲げ応力)=-43.8
sna(軸許容応力)=126.4
sba(曲げ許容応力)=140
r=(照査値)-1.034
 
 
 
 

Model-300 線形解析

・モデル橋の線形解析
主径間300mの斜張橋(Model-300)の線形解析
実橋は二面吊り斜張橋だが、片面のみを考慮し平面モデルとして解析する

 
 

中村先生(メモ)
節点温度
・A、B、C全てに‐100℃をかけると、A,B,Cそれぞれ2倍縮んでいる。
・片側の節点だけだと、半分の値だけしか縮まらない
・ある要素に温度応力をかけるときは、両側の節点に節点温度を与える必要がある。
→完了(2節点での温度勾配を考慮するのではないか)

弾塑性
・はりを10分割(節点)
・はり断面の確認(U領域等の設定が比率かどうか)
・ケーブルにも断面形状を与える(ケーブルが先に塑性することもある)
・ケーブルを薄くしたときの挙動(5㎜のときケーブルが先に塑性する)
・荷重の組み合わせ(荷重ケース)
→計算結果を確認

Model-300の線形解析
・主桁の断面の設定(薄肉断面梁、断面形状の設定・4つ、箱桁断面)
×シェル
・B点、E点はそれぞれ同一の節点としてもよいが、別々の節点にしてバネで繋いでもよい(鉛直かため、水平・回転緩め)
→計算結果を確認

Model-300橋の諸元
・主スパン長300m
・主桁断面は鋼製箱桁断面、幅員11m
・床版は鋼床版を想定、鋼板材質はSM400(降伏応力235MPa)
・主塔は2本で断面は長方形

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s20.png

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s23.png

 
 

ケーブルの断面積
・側径間に7本のケーブル(C1-C7)、主径間の左半分に7本のケーブル(C8-C14)、主径間の右半分および右側径間は左右対称のケーブルを配置
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s25.png

 
 

常時設計荷重
・橋軸方向単位長さあたりの死荷重は鋼桁鋼桁重量(69.7 kN/m),地覆・高欄(24.5 kN/m),アスファルト舗装(28.4 kN/m)
・端支点の負反力を抑制するため,側径間にはカウンターウエイト(CW, 60 kN/m)を載荷
・死荷重作用時に主桁および主塔の曲げモーメントが平滑化かつ最小になるようにケーブル・プレストレス(Pr)を導入した 
・活荷重(L)は道路橋示方書6)のB 活荷重とした.すなわち,集中荷重 p1(10 kN/m2)を10m 長さおよび幅員 
5.5m に作用させる.ただし,その他の部分は 5.0 kN/m2とする.さらに,分布荷重 p2(3.5 kN/m2)を幅員 5.5mに作用させる.
ただし,その他の部分は 5.0 kN/m2とする.なお,集中荷重はスパン中央に,等分布荷重は全径間に載荷した.
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s26.png

 

梁断面の可視化
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s21.png

 

主塔(箱桁断面)の断面作成
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s22.png

 
 

常時設計荷重による変形
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s24.png

 
 

中村先生(メモ)

 
 

【解析結果】

 
 

a) ケーブルプレストレス載荷時( Pr スパン中央の変位:+706mm (中村先生: :+706mm)
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/M300/p1.png

 
 

b) 死荷重載荷時( Dスパン中央の変位:-1,710mm (中村先生 :-1,712 mm)
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/M300/p2.png

 
 

c) カウンターウエイト載荷時( CWスパン中央の変位:+254 mm (中村先生 : +261 mm )
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/M300/p3.png

 
 

d) 集中活荷重載荷時( LP1スパン中央の変位:-491 mm (中村先生 : -491 mm )
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/M300/p4.png

 
 

e) 分布活荷重載荷時( LP2スパン中央の変位:-159 mm (中村先生 : -162 mm )
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/M300/p5.png

 
 

f) Pr + D + CW + LP1 +LP2スパン中央の変位:-1,400 mm (中村先生 : -1,398 mm )
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/M300/p6.png

 
 
 

ファイバー要素

 
 

・第一局所方向積分
SIMPSON / NEWTON-COTESかガウスか
次数1

 
 
 
 
 
 
 
 

弾塑性解析

・荷重を増分荷重にする
▸テーブル
Type:time
Formula:1.0v1

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s16.png

 
 

2.ケーブル・モデル:
長さ1mのケーブルとする。
B点に鉛直荷重P = 1.0 kN を増分載荷する。

断面: 半径 10mm の円形とする。

構成則に関しては、はりと同じ計算方法で計算を行い入力した。

解析結果
1)自由端の鉛直変位と荷重の関係

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/dansosei/p5.png

2)ひずみと荷重の関係

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/dansosei/p6.png

3)応力とひずみの関係

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/dansosei/p7.png

全てのグラフにおいて中村先生の結果と一致した

 
 

中村先生(メモ)

弾塑性
テーブル(降伏応力・ひずみの入力)、
・挙動をより詳細にみる
固定端が壊れているか、軸応力が発散しているか
・縁端応力の表示の仕方
→値を見直して結果の図を送る

Model-300の線形解析
・各作用荷重ごと(Pr,D,CW,L)結果(変位・応力等)を確認
・ステップに分けて(作用荷重)、結果を確認できるかの確認

斜張橋モデルの断面計算
・許容応力度法
道路橋示方書、鋼構造

 
 

はり・ケーブル単独の弾塑性解析
はりモデル:
・長さ1mの片持ち梁とする。
・自由端に鉛直荷重P = 1.0 kN を増分載荷する。
・部材断面 ・はりの断面は10 cm x 10 cm の正方形とする。5×5のファイバー要素に分割した。
・はりはSM400とする。初期ヤング係数は 2.0 x 105 N/mm2 とする。

構成則入力の変更点:
テーブル(タイプ:eq_plastic_strain)にεの値をそのまま入力するのではなく、
εp=εt-εe
~εp=εt-εe
εt:真ひずみ、εe:弾性ひずみ、εp:塑性ひずみ
の計算式で計算し、テーブルには塑性ひずみの値を入力した。

以下の図ようなイメージです。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/dansosei/p1.png

その他の設定
・反復法:完全ニュートンラプソン
・収束判定 残差と変位(相対許容値):0.001

解析結果(以下 青線:中村先生の解析結果、オレンジ線:Marcでの結果)
1)自由端の鉛直変位と荷重の関係

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/dansosei/p2.png

2)断面応力(Layer1)と荷重の関係

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/dansosei/p3.png

3)応力とひずみの関係(上縁から1cm)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/dansosei/p4.png

 
 

メモ

 
 

温度応力

・初期条件▸新規(構造)▸仮想温度

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/ka1.png

 

中村先生
・ケーブル要素は用いない(高度な計算になり複雑になるため)
・代わりに梁要素に温度荷重を与えてケーブルのプレストレスとする
・ソリッドでの全景モデルで構造計算することは、かなり難しい
・骨組みモデルで計算する

 
 

結果ファイル▸反力Y
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/sa5.png

 
 

結果ファイル▸変位Y
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/sa4.png

 

いろいろと試してみて、
境界条件▸新規(状態変数)▸節点温度(-200℃)▸2要素の結合部に設定で
それっぽい形になった

 
 

・節点温度の確認
片持ち梁を2分割し、3つの節点 A,B,C を

(1)A=-100, B=0, C=0
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s10.png
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s11.png

 

(2)A=0, B=-100, C=0
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s8.png
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s9.png

 

(3)A=0, B=0, C=-100
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s6.png
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s7.png

 

(4)A=-100, B=-100, C=-100
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s12.png
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s13.png

 

(5)A=0, B=-100, C=0 、左側の要素に熱膨張係数を入れない
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s14.png
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2108/s15.png

・節点温度を与えると、節点に接している要素全体に温度応力がかかる
・熱膨張係数を与えている部材のみ、温度応力がかかる
(熱膨張係数が与えていなければ節点が共有されている要素には温度応力はかからない)

 

中村先生(メモ)
・境界条件▸節点変位 で本当にケーブルに対して温度応力を与えることができているか
手計算と比較、片持ち梁で段階的に節点温度を与えて挙動をみる
・ファイバー要素▸弾塑性解析
・斜張橋モデル▸終局強度

・解析後、必ず結果を確認

 
 
 
 

Salome_meca

これまでのまとめ・整理

<大まかな流れ>・salome_mecaでケーブル(プレストレス)をどう表現するか。
↓       ・解析可能であるのか、適切な結果が出るのか
↓ keyword:・ケーブル要素
↓     ・温度変化
↓     ・線形、非線形解析
↓     ・ヒンジ

ケーブル要素…コンクリートのプレストレスとして用いられる?
       PCのような緊張力を想定している?(salomeの文献から)
ケーブル要素×
→温度変化で緊張力を再現(20℃→200℃)
・salome_meca梁モデル〇
・線形解析〇(たわみの値は中村先生と同じ)
・片持ち梁をソリッド、ケーブルを梁要素(上記と同じ条件)〇

 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr15.png
熱応力・梁要素(ケーブル)片持ち梁【10m・集中荷重】たわみ-4.15603mm

 
 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr16.png

・たわみ0.03373mm
・鉛直荷重1kN
・ケーブルの温度変化-200℃
・ソリッドの断面10cm×10cmの正方形、ケーブル半径10cmの円形

 

線形解析→非線形解析(弾塑性解析)
・(弾塑性)梁モデル→multfiber?(現在×)
・(弾塑性)ソリッドモデル→〇
・(弾塑性)ソリッドと梁のモデル→× salome_mecaでは弾塑性解析をするとき、すべての部材(異なる材料があるとき)に弾塑性の設定を与える必要がある(仮説)

斜張橋モデル(ソリッドと梁) 線形解析×

ソリッドモデルの弾塑性解析→結果が中村先生と異なる。ケーブルに曲げが生じている?(構造としてはありえない)ヒンジにできていない?

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tunoda/depo2.gif
scalefactor20倍

 
 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2106/scr31.png
斜張橋モデル

 
 
 
 

斜張橋モデル

 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2106/scr31.png

 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2106/scr32.png

PCがかなり重くなる...

 
 

モデルの作成方法(Geometry)は、
①まずケーブル(Line)14×4=56本を作り、それらをfuse(fuse1とする)
②主塔(Line)をつくり、同じくfuse(fuse2とする)
③床版(solid)をつくる(Box1とする)
④ケーブルの縁端部(solid側)の節点をグループ化する(54個)、載荷・固定のグループ化
⑤fuse1、fuse2、Box1、それぞれメッシュを切ってcompound
が一連の流れになる

 

・しかし現在、作成したモデルで線形解析ができない。

impossibility, the node N5 carries the degree of freedom of rotation  DRX~

エラー内容は「ノード(N5?)の回転自由度がない」といっているらしいので
fuseをせずにモデルを作成できるか模索してみる。
fuseをすると部材同士が一体化されるので、実際の斜張橋を構造的に再現できていない可能性がある。
実際の斜張橋は、ケーブルと塔との結合部はヒンジになっており回転は許されるようになっている。

 
 
 

弾塑性解析

MULTIFIBREがうまくいかないので、とりあえずニュートン法でやってみることにした
「2部材あったとき両方に構成則を与える必要がある」という制約があるらしいので
いままで梁要素(ケーブル)をソリッド(円柱)に変えてモデルを作成した。

・最初に上記のモデルで温度応力を与えた状態のみで解析可能であるか検証

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2106/scr18.png

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2106/scr19.png

 

続いて同じモデルに対して弾塑性解析(ニュートン法)できるかの検証

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2106/scr17.png

 
 

接線同士を重ね合わせてヒンジ?とした。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tunoda/depo2.gif

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tunoda/depo2.png

 
 

・POU_D_E、POU_D_T要素は非線形では使えない(単純なオイラー・ティモシェンコ梁の有限要素では
単純に増分塑性を計算することはできない。断面積分を適用する必要がある)
・代わりに使える要素→POU_D_EM、POU_D_GM(マルチファーバー)
・要素特性を定義するコマンドAFFE_CARA_ELEMの設定が必要
AFFE_CARA_ELEM
・GEOM_FIBRE
・MULTIFIBRE
の設定がうまくいかない。

  !  DEFI_GEOM_FIBRE VALE : Pour .NOMTM          $$XNOM il y a 1 valeurs, ce devrait !
  ! être un multiple de 3    

・ソリッドと梁のモデル(ソリッドだけ弾塑性)は

  ! Aucune maille du maillage mesh n'a été affectée par des éléments finis.!
  !  In the mesh" mesh" the mesh" 3531" is of type" TETRA4" (neither TRIA3 nor !
  ! QUAD4)  
 
 

弾塑性解析 350kN
・DEPL_自由端
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tunoda/dep350.png

荷重(kN)変位(mm)
00
351.446695
70-0.930408
1050.564237
1402.28589
1754.37557
2106.64201
2459.06512
28011.7471
31515.1006
35019.2662
 
 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tunoda/depl350.gif

・ケーブルの断面形状を円柱→四角形

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tunoda/scr20.png

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tunoda/scr21.png

 
 

・結果(アニメーション)
300kN
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tunoda/dep2.gif

 

試しに線膨張係数を小さく
1.2×10-5 →1.2×10-7
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tunoda/dep3.gif

 
 

温度応力

 
 

・ケーブル要素を用いたモデルで今まで解析を試みていたが、一旦
モデルを梁要素で作成し、熱応力でケーブルプレストレスを再現することにした。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr8.png http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr9.png

 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr10.png

 

スケール10倍
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr11.png
・集中荷重1000N
・温度−200℃
・先端のたわみ量 -4.15603mm

 
 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr12.png
・ケーブルのはりのノードが3つになってしまっている
→メッシュの設定の Numbwr of segments でセグメント数に1を入力することで解決
・先端のたわみ量 0.03mm(ケーブルプレストレスなし)

 
 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr13.png
・節点がヒンジになっていることを確認

 
 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr16.png

ソリッドと梁要素(ケーブル)のモデルで、温度応力を与えた解析はまわることが確認できた。
・たわみ0.03373mm
・鉛直荷重1kN
・ケーブルの温度変化-200℃
・ソリッドの断面10cm×10cmの正方形、ケーブル半径10cmの円形

梁モデル(片持ち梁をケーブルで吊った構造)の弾塑性解析は色々試して入るがうまくいっていない

 
 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr14.png
熱応力・梁要素(ケーブル)片持ち梁【1m・分布荷重】たわみ-3.4429mm

 

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr15.png
熱応力・梁要素(ケーブル)片持ち梁【10m・集中荷重】たわみ-4.15603mm

 
 
 

簡易モデル

salomeで、ケーブル要素を用いた簡易的なモデルを作成し解析を回してみた。
↑中村先生の解析結果と比較する

  1. 片持ち梁モデル
  2. 片持ち梁にケーブルをつないだモデル(荷重なし)
  3. 片持梁にケーブルをつないだモデル(荷重あり)
     
    1.片持ち梁モデル
    ・(x,y,z)=(100,100,10000)
    ・鋼材E=200GPa,σ=0.3
    ・荷重1km/m(等分布)
    http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/April/scr1.png
            ! Exception user raised but not interceptee.                    !
            ! The bases are fermees.                                        !
            ! Type of the exception: error                                  !
            !                                                               !
            ! Solver MUMPS:                                                 !
            !  The solution of the linear system is too vague:              !
            !  Computed error:  5.59007e-05                                 !
            !  Acceptable error:  1e-06 (RESI_RELA)                         !
            !                                                               !
            !  Advices:                                                     !
            !  One can increase the value of the key word SOLVER/RESI_RELA. !
    ・収束判定基準がおかしい..?
     
     

2.片持ち梁にケーブルをつないだモデル(荷重なし)
・ケーブル半径1cm、E=200GPa
・ケーブル張力6.233kN

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/April/src2.png

  ! <S> Exception user raised but not interceptee.                            !
  ! The bases are fermees.                                                    !
  ! Type of the exception: error                                              !
  !                                                                           !
  !  les 9 mailles imprimées ci-dessus n'appartiennent pas au modèle          !
  !  et pourtant elles ont été affectées dans le mot-clé facteur : FORCE_FACE !
 
 

片持ち梁のモデルの解析ができていないので優先して取り組むことにした。
モデルの荷重のかけ方は等分布荷重だったので、載荷面をボックスの上面に指定して解析を回していた。
→これを線載荷に変更して同様に試みた。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr3.png

  ! <S> Exception user raised but not interceptee.                !
  ! The bases are fermees.                                        !
  ! Type of the exception: error                                  !
  !                                                               !
  ! Solver MUMPS:                                                 !
  !  The solution of the linear system is too vague:              !
  !  Computed error:  1.58999e-05                                 !
  !  Acceptable error:  1e-06 (RESI_RELA)                         !
  !                                                               !
  !  Advices:                                                     !
  !  One can increase the value of the key word SOLVER/RESI_RELA. !

・26日のエラーとほとんど同じ

・同じモデルで集中荷重(先端)で試した
→うまくいかなかった

 
 

モデルが(100,100,10000)だったので(100,100,1000)にしてみて試してみた。
↑10cm,10cmの断面に対して、10mが長すぎるのではないかと予想

・集中荷重(先端)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr4.png

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr7.png

・10mにしたらうまくいった

 
 

・(100,100,1000)で集中荷重も試みた
→載荷面を上面に指定
http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/j2021/tsunoda/2105/scr5.png

・問題なく解析できた
・やはり(100,100,10000)という寸法で解析すること(片持ち梁)に無理があったのか?..

 
 

・直近の課題はケーブル要素を用いた簡易的なモデルを作成して青木さんのFEM解析の結果と比較する

片持ち梁(分布)片持ち梁(先端集中)片持ち梁(分布・ケーブルあり)片持ち梁(先端荷重・ケーブルあり)
××

・固定面に載荷面が触れていても問題なく実行できた
・しかし、ケーブルの設置点と載荷部分が重なるとエラーが生じた。

  !  les 3116 mailles imprimées ci-dessus n'appartiennent pas au modèle       !
  !  et pourtant elles ont été affectées dans le mot-clé facteur : FORCE_FACE 

・対策として、
(1)載荷面をケーブルの接地点から1mmほどずらして設定し直す
(2)ケーブルはケーブル要素、四面体のボックスは3Dで分けて設定していたのを、ケーブル・ボックス含めて全体を3Dに設定且つ
ケーブルはケーブル要素に設定するに変更(ケーブルとボックスの接地点を解析に含まれるようにするため)
・次のエラーメッセージ

  ! Erreur utilisateur :                                            !
  !   Vous voulez contraindre le ddl DRY sur un ensemble de noeuds, !
  !   Mais ce ddl n'existe sur aucun de ces noeuds.                 !

(ノードが含まれていない?)

・メッシュの切り方を3Dだけ→3D且つ、アルゴリズム(補完)2D、1Dまで設定しメッシュを切る
・ケーブルの固定点のBC&Loadの設定を変えてみる
・梁だけのモデル(ケーブル要素含む)、ケーブル単体のモデルを作成
→いずれも同じエラーメッセージだった

・ケーブル要素は非線形でしか使えない可能性がある(線形では使えない)
・非線形モデルを作成して試してみる
・梁とBARRE要素を用いてモデルを作成してみる

→BARRE要素と梁を用いたモデルで解析を回してみたが同じエラーが出た

  ! Erreur utilisateur :                                            !
  !   Vous voulez contraindre le ddl DRY sur un ensemble de noeuds, !
  !   Mais ce ddl n'existe sur aucun de ces noeuds.                 !
 
 

salome例題ファイル

熱応力・梁要素(ケーブル)
片持ち梁【集中荷重・1m・10m】
1. 【集中荷重・1m】(hari4)
・Geometryの作成:新しいエンティティ->基本オブジェクト->点->(0,0,0),(0,0,1000)作成
・基本オブジェクト->線->Vertex1、2->Line1作成
・点->(0,-1000,0)->Vertex2、3->Line2作成
・Fuse->Line1、Line2->Partition->Fuse1、Line1、Line2
・Line1グループ作成->node(0,0,0)-kotei->node(0,0,1000)-saika
・Line2グループ作成->node(0,-1000,0)-kotei2
・Mesh1:Line1->ジオメトリのグループ作成->ジオメトリ-Line1->node-kotei-saika
・Mesh2:Line2->Wire Discretisaition->Number of Segments->セグメント数1->ジオメトリのグループ作成->ジオメトリ-Line2->node-kotei2
・Compound_Mesh->Mesh1、2
・Astestudy:メッシュ->Read a mesh->format-Med
・Material:Model Definition->Assign finite element->Finite element->Everywhere->Mechanic->POU_D_E
・Model Definition->AFFE_CARA_ELEM->POUTRE->RECTANGLE->Group-Line1->CARA-HY-HZ->Value-100-100
・Material:Define a material->Linear isotropic elasticity->ヤング率200000->ポアソン比0.3
・Material:Define a material->Linear isotropic elasticity->ヤング率200000->ポアソン比0.3->Thermal expansion 1.17e-0.5
・BC and Load:EnforceDOF->Group node-kotei->Laison-ENCASTRE->DX~DRZ-o
・EnforceDOF->Group node-kotei2->Laison-ENCASTRE->DX~DRZ(DRX以外)-o
・FORCE_NODLE->Group node-saika->FY-1000
・Post Processing->CREA_CHAMP->Model-AFEE_MODELE->TYPE_CHAM-NOEU_TEMP_R->OPERATION-Assingment->
Group element-Line2->Value- -200->NOM_CMP-TEMP
・Material:Assigm a material->Model-model(AFEE_MODELE)->Marerial assigment->Group-Line1->mater->
Marerial assigment->Group-Line2->mater0->External state-Temperature->Reference value-20->Group-Line2->Field-unnamed5->
・Analysis->Material field->Structural element->Model->Load=Load->Solver->Method-MUMPS->RESI_RELA-0.01
・Post processing CALC_CHAMP->SIGM_NOEU->MODEl-model->Material field->fieldmat->Structural element
・Output->Set output result->Format-Med-> Result-DEPL-SIGM_NOEU

1m.comm
(commファイル:一度保存してAsterstadyでエクスポートすることによって利用可能。hdfファイルではないため、Geometry等は反映されない)

 

2. 【集中荷重・10m】(10m)
1.集中荷重1mとほとんど同じ。異なる点は、Geometryで10mのモデルを作ることとAstestudyの
SolverでNPREC->-1、RESI_RELA->20にする(収束基準・条件を緩和する)

10m.comm

 

片持ち梁【分布荷重・1m】
3. 【分布荷重・1m】(bump2)

bunpu.comm

1.集中荷重1mとほとんど同じ。異なる点は、BC and Loadで載荷のオプションを変更することのみ。

FORCE_POUTRE=_F(FY=1.0,
GROUP_MA=('saika', )),
MODELE=model)
 

メモ

 
 
 

斜張橋 資料

ケーブル

【レインバイブレーション】
降雨により円形ケーブルに水みちができることで空力的に不安定な形状となって発生するケーブル振動
この振動を空力的に制振するためケーブル表面に離散的な凸凹部を設けたインデントタイプのケーブルを開発されている。
インデントケーブルの開発にあたっては、風洞試験により制振効果を確認しているが、斜張橋ケーブルの風による振動現象
は未解明な部分が多い

 
 
 
 

主塔

【TMDとAMD】
TMD(チューンド・マス・ダンパー)は揺れに同調する「重り」を用いて建物の揺れを抑制する装置。
AMD(アクティブ・マス・ダンパー)は建物に据え付けた「重り」を能動的に動かすことで建物の揺れを抑制する装置。

 
 
 
 

その他

【ファイバー要素(モデル)とは】
ファイバー要素の特徴として、主に以下の3つが挙げられる。
・部材断面は複数の微小断面(以降、セグメントと呼ぶ)に分割されている。
・部材断面は平面保持仮定が成立していると仮定されている
・各セグメントは構成側(応力度-ひずみ関係)を持ち、セグメント間に相互作用は存在しない。

 
 

【斜張橋の基本計画設計法】(長井正嗣・井澤衛・中井宏 著 1997)
斜張橋の主要な構成要素は、桁、ケーブルと塔で即径間の最上段ケーブルをアンカーケーブルと呼ぶ。橋端部には不反力用のペンデル支承が設けられる。 死荷重が作用した状態で、ケーブルの桁支持点(定着点)が剛支点になるようにケーブル張力を選んでおけば、支間をLGとした連続橋の曲げモーメントを得ることができる 曲げモーメントはケーブルの吊間隔LGの2乗に比例して発生するため、吊間隔を小さく選んでおくと、支間に関係なく死荷重時の曲げモーメントを小さくできる。

桁橋に比べて、斜張橋の桁高さはかなり小さくできる

ケーブルを斜めには配置していることから、桁はケーブル張力を受け持つことが不可欠となる。そのため桁には圧縮軸力が作用する。圧縮軸力は、支間が長くなるにつれて大きくなる 圧縮部材の設計では、座屈と呼ばれる不安定現象に注意する必要がある。したがって斜張橋の長大化を計る上では、圧縮軸力の増大に対して桁の耐荷力が確保できる断面を選ぶことが 耐風安定性の確保とともに重要な課題となっている

側径間のアンカーケーブルに力が流れ、その伸び剛性でもって塔頂方向変位が拘束される。すなわちアンカーケーブルが橋全体の鉛直面内剛性に大きく寄与している。また橋端部に おいて負反力が生じるのも斜張橋の特徴である

斜張橋は高次の不静定構造物で、その力学特性として、桁の曲げ剛性とケーブルの伸び剛性の比に応じて、それぞれに作用する曲げモーメントと張力が変化する。ある剛比を設定したとする その状態から桁の曲げ剛性を大きくしていくと、桁の荷重分担率が大きくなり、曲げモーメントが増加する。またその逆もいえる。 桁高を変化させると、断面二次モーメントは大きく変化するが、薄板の腹板の背が高くなるだけで、桁の鋼重量はあまり変化しないようと考えられる。したがって桁重量を支持するように設計される ケーブルの伸び剛性の変化は小さいままで、桁の曲げ剛性が大きく変化する。桁の曲げ剛性が大きくなるほど曲げモーメントも大きくなることを説明したが、曲げ剛性を大きいため、曲げ応力度はあまり変化しないと考えられる。

ケーブルシステムによって桁に発生する軸力の大きさや圧縮、引張の符号に差が生じる。斜張橋に採用されているケーブルシステムはほとんどが自定式と呼ばれるもので、主桁の軸力は圧縮となる。この他に、完定式、部定式、一部部定式のシステムが提案されている。完定式:橋端で桁を橋軸方向に固定し、塔位置で稼働することによって主桁の軸力は引張となる。一部他定式:主桁の一部が引っ張り、一部が圧縮の軸力となる。自定式を用いた斜張橋の長大化には限界があり、さらに一層の長大化を計る上では、一部他定式が有力な案として考えられている。

鋼斜張橋のケーブルの種類には、LCR(ロックドコイルロープ)、PWS、HiAmアンカーケーブル、NewPWSケーブルがある。この他にイギリスではスパイラルロープが使われている。 LCRは外層にZ型の鋼線(素線)を用いロープで防食対策には鋼線を亜鉛メッキする方法と外表面の塗装を併用する方法が用いられている。 LCRは海外での実績は多いが、日本での使用は少なくなっている。日本ではHiAmアンカーケーブルやNewPWSケーブルといった平行線ケーブルが用いられる。 LCRは鋼線によりを入れているために、一般にヤング係数や強度が鋼線そのものに比べて低く、また構造伸びが生じるといった問題がある。構造伸びを除去するために、使用前に一度大きな張力を導入することになる。

斜張橋の構造用部材には、ケーブル(鋼線)を別とすれば、一般橋梁と同様に鋼とコンクリート(プレストレスコンクリート)が使用される。それぞれを鋼斜張橋、PC斜張橋と呼ぶ。この他に、中央径間の桁に鋼、側径間の桁にコンクリートを用いる場合や、桁に鋼、塔にコンクリートを使用している場合があり、これらを複合橋と呼ぶ。架橋される現地の地形や、地盤条件の制約を受けて、側径間が短く計画される場合、桁に同一材料を用いると中央径間と側径間で重量バランスが崩れる。また、橋端部(橋軸方向)の支点に大きな反力が生じる。その対策として側径間にコンクリート桁が用いられる。しかし、コンクリート桁の重量は鋼桁に比べてかなり大きいため、逆に側径間部の重量が大きくなって、再び重量バランスが崩れる。そのためこのタイプの斜張橋では、側径間に複数の橋脚が設けられている。 海外の例であるが、鋼桁(I桁)とコンクリート床版をずれ止めを用いて合成させた、合成断面の桁を用いる斜張橋が提案され、支間が300m~600mの長大橋に適用されている。

 
 

参考文献

「ケーブル腐食を考慮した斜張橋の終局強度および疲労寿命」
pdf
構造工学論文集Vol. 67A (2021 年3 月)
中村俊一,青木由香利
Ph.D.,東海大学,工学部土木工学科
Ph.D.,東海大学,国際教育センター
概要
斜張橋におけるケーブルは命綱とも言える重要な構造要素である。そのケーブルに着目し、腐食ケーブルが橋全体の終局強度に及ぼす影響と疲労寿命に関する検討を行った。
目的
・想定した斜張橋モデルに常時設計荷重を作用させ,部材の応力照査を行い,その妥当性を確認する
・3 つの斜張橋モデルが終局に至るまで荷重を漸増載荷し,終局強度および崩壊過程を明らかにする
・想定した3 つの斜張橋モデルに重量車両を繰り返し載荷し,ケーブル疲労寿命を求め,異なるスパン長およびケーブル位置への影響を検討する

 
 

「斜吊りアーチ橋の構造特性」
pdf
構造工学論文集Vol.54A (2008 年3 月)
田中寛泰,中村俊一,加藤一寿
川田工業(株), 橋梁事業部
Ph.D., 東海大学教授
東海大学大学院工学研究科土木工学専攻
概要
主桁を斜ケーブルとCFTアーチリブの両者で吊った斜吊りアーチ橋という新形式橋梁を提案する.
性能照査型設計により斜吊りアーチ橋の部材破壊に対する安全性を照査し,同規模の斜張橋と鋼重量を比較し考察することで
提案橋梁形式が構造的かつ経済的に合理的であることを明らかにした .
目的
・コンクリート充填鋼管(CFT)を用いた斜吊りアーチ橋の提案
・限変位解析により設計断面力を求め,そして限界状態設計法を用いて終局限界状態で耐力照査
・アーチリブの座屈強度を弾性有限変位解析により検討
・経済性を検討するため,同規模の斜張橋と鋼重量を比較し考察

 
 

「腐食した橋梁用亜鉛メッキ鋼線の強度特性」
pdf
土木学会論文集No.731/1-63,367-377,2003.4
鈴村 恵太・中村 俊一・樽井 敏三
日本製鐵(株)相模原技術開発部 マネージャー
Ph.D.東海大学教授
新日本製鐵(株)鉄鋼研究所鋼材第二研究部
概要
吊り橋や斜張橋ケーブルを構成する亜鉛メッキ鋼線を対象とし、湿潤巻き腐食進行法により異なる腐食レベルの
試験片を作成し、腐植度と強度の関係を研究した。腐食により表面に凹凸が生じることを確認した後, 表面凹凸を
機械切削した鋼線の伸びが回復することを見出し, 強度低下の主原因は腐食による表面凹凸であることを明らかにした。
目的
・腐食により生じた試験片の表面凹凸を機械切削し, 表面を平坦に戻した後, 引張試験を実施する
・これにより, 表面凹凸が亜鉛めっき鋼線の強度低下にどの程度影響しているかについても研究する

 
 

「大規模解析による鋼斜張橋の車両重量および温度変化に対する挙動変化」
pdf
構造工学論文集Vol. 66A (2020 年3 月)
清水暁央、久國陽介、釘宮哲也、渡部一雄、久野勝美、篠原聖二、赤松伸祐
(株)東芝,生産技術センター
(株)東芝,研究開発センター
(株)東芝,生産技術センター
阪神高速道路(株),計画部
(一財)阪神高速道路技術センター,調査研究部
概要
既設の長大橋全体を3次元シェルおよびソリッド要素で精緻にモデル化する.さらに線形静解析を実施し,
実測可能な応答と計算結果を比較することで,モデルの妥当性を検証する.実測可能な応答として,車両荷重による橋梁のたわみ,温度日変動による橋梁の熱伸縮を扱う
目的
・線形応答の妥当性を示すことで,車両荷重,温度日変動といった異なる負荷に対して同じ モデルで応答が評価できることを確認する.

 
 

「橋梁用ケーブルの最近の話題と展望」
pdf
土木学会論文集、1992.3
三田村武, 中井博, 渡邊英一, 杉井謙一
概要
吊り橋メインケーブル、斜張橋ケーブルについて、その種類や設計上検討すべき項目に関する玄関と最近の動向を述べる
目的
・吊り橋・斜張橋の双方のケーブルにつき、損傷例、腐食ワイヤの強度特性、検査方法、および維持管理上の要点を示す。
・さびないケーブル、より強いケーブル、より軽いケーブルの特性と可能性について論ずる

 
 

「2011年東北地方太平洋沖地震における横浜ベイブリッジの応答」
pdf
土木学会論文集A1(構造・地震工学), Vol. 69, No. 2, 372-391, 2013.
藤野陽三・シリゴリンゴディオンシウス・並川賢治・矢部正明
東京大学特任教授 大学院工学系研究科社会基盤学専攻
同上
首都高速道路株式会社 技術部技術推進課 課長
株式会社長大 構造事業本部 副技師長
概要
主桁の振動は橋軸直角方向の応答が卓越した,橋軸方向の主桁と主塔および端部橋脚の応答記録から,主塔と端部橋脚位置のリンク支承が
所要の免震性能を発揮した,主塔と端部橋脚のウィンド沓は橋軸直角方向に衝突していた形跡がある本震時の大振幅応答時には,主桁の
橋軸直角方向水平たわみ1次モードや主桁の鉛直方向たわみ1次モードの固有振動数が変化しただけでなく,それぞれのモード形において,
小振幅時には見られない連成挙動が同定されたことを明らかにしている.
目的
2011年東北地方太平洋沖地震時の横浜ベイブリッジの地震応答に関する解析結果について述べる.
1)地震動の特性
2)主桁の応答特性、特に大振幅応答時の非線形応答特性
3)地震応答記録からのシステ~ム同定
4)端部橋脚と主塔におけるリンク支承の性能評価
5)地震後の現地観察結果との対比
の項目に着目し解析を行った。

 
 

「大規模計算による長大橋地震応答解析の構造要素モデルの高度化に関する検討」
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土木学会論文集 A2(応用力学), Vol. 73, No. 2 (応用力学論文集 Vol. 20), I_769-I_780, 2017.
八ツ元 仁・馬越 一也・金治 英貞・中村 真貴・野中 哲也
阪神高速道路株式会社 大阪管理局保全部
株式会社地震工学研究開発センター
阪神高速道路株式会社 技術部技術推進室
株式会社地震工学研究開発センター
名古屋工業大学大学院教授 社会工学専攻
概要
本検討では,スーパーコンピュータ「京」を用いることで,長大斜張橋の非線形領域における挙動を求
めるという大規模計算を行った.本解析では,兵庫県南部地震において大きな被災を受けた長大斜張橋
を解析対象として計算を行い,実被害状況と計算結果の比較を通して,大規模計算自体が正確に行われて
いること,高度化した構造要素モデルを用いた部位で被災状況を概ね計算で再現できていることを確認した.
目的
・大規模計算機を正しく実行できているのかの確認
・改良を重ねてモデル化した構造部材が想定通りの挙動するのかの確認
・高い精度で橋梁が保有する耐震性・安全性を評価する手法の確立
・計算結果に対する妥当性の検証

 
 

「斜吊りアーチ橋の静的構造特性と崩壊挙動に関する考察」
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鋼構造年次論文報告集第20巻(2012年11月)
宮地 一裕、中村 俊一
概要
新しいタイプのケーブル支持橋である斜張アーチ橋を提案する。この橋は、斜張橋とアーチ橋を組み合わせた
もので、桁はステーケーブルとアーチリブの両方で支えられている。
その静的断面力,たわみなどの静的挙動を従来の斜張橋やアーチ橋との比較を行った。
そして,弾塑性 大変形解析を行い,崩壊の進行過程と最終強度を明らかにした.
目的
・斜吊アーチ橋の静的構造特性を明らかにする
・橋梁の設計荷重レベルにおける断面力及び変位を比較し、各々の形式の構造特性を明らかにする
・載荷する荷重を増加させ、大正橋梁の崩壊過程及び終局強度を把握することにより、3形式の
橋梁の構造特性をより詳細に検討する。

 
 

「斜張橋ケーブルの耐久性評価と今後の維持管理」
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関西道路研究会道路橋調査研究委員会(平成30年1月29日)
斜張橋ケーブルの耐久性評価と今後の維持管理に関する小委員会・報告書
概要
・斜張橋ケーブルの現状把握
・ケーブル素線の断面欠損による斜張橋全体の構造安全性の影響評価
・斜張橋ケーブルの維持管理手法に関する現状調査と今後の在り方
目的
・斜張橋ケーブルの今後の維持管理手法の検討
事前研究(豊里大橋)
点検や損傷事例の全国調査

 
 

「これからの橋梁技術者」
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大阪市立大学大学院工学研究科都市系専攻 教授 北田 俊行
概要
・今までの縦割り専門分野的な技術以外に,他の工学分野を横割り的に見る配慮も必要であること,
および橋梁のみを対象とする設計でなく,橋梁周辺環境との調和を考慮した橋梁設計の重要性を強調
・重要な社会基盤構造物である橋梁の技術者としての人生目標の明確化と倫理観の確立
・橋梁技術者の権限と能力を明確にするための種々の資格の取得の必要性
・橋梁技術者の仕事を一般の人々にわかりやすく説明する努力をすること

 
 

「Parametric Studies On Cable-stayed Bridges」
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Pao-Hsii Wang and Chiung-Guei Yang
Department of Civil Engineering, Chung-Yuan University, Chung-Li, Taiwan, Republic of China
概要
Parametric studies on cable-stayed bridges are performed in the paper for investigating the individual influence of different sources of nonlinearity
in such bridges. The sources of nonlinearity in the cable-stayed bridge mainly include the large deflection, beam<olumn and cable sag effects.
The influence of such kind of effects on the analysis and the structural behavior of cable-stayed bridges has been detailedly examined in the study.
A finite element procedure for the nonlinear analysis of cable-stayed bridges 1s first set up, and then detailed parametric studies for the initial
shape analysis and static deflection analysis of such bridges are carried out.

 
 

「2016年熊本地震における鋼斜張橋の損傷メカニズム」
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上田智也、大森貴行,葛西昭
熊本大学工学部社会環境工学科
(株)オリエンタルコンサルタンツ
博士(工学) 熊本大学准教授 大学院先端科学研究部
概要
桑鶴大橋の 2016 年熊本地震における被災分析するためにFEM モデルを構築した.モデル要素は、
局部変形を考慮するシェル要素でモデル化を行った.同モデルを用いて振動特性を把握するため,
振動の固有値解析を実施し,ケーブルのモデル化に関する議論を行った.
目的
2016年の熊本地震に代表される直下型地震が,曲線桁を有する 2 径間鋼斜張橋に作用
する際の挙動を数値解析的に予測し,同橋梁の損傷メカニズムを解明すること

 
 

「鋼斜張橋ケーブルの疲労安全性と部材安全率に関する研究」
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内藤純也、西村宜男
神戸製鉄所
大阪大学教授 土木工学専攻
概要
鋼斜張橋の合理的なケーブル安全率について、疲労安全性の観点から考察を行った。
ケーブルの疲労については、設計で考慮される引張応力の変動だけでなく、定着部の
2次曲げによる応力変動も考慮し、実働活荷重を模擬したモンテカルロシミュレーション によって疲労損傷度を評価した。
目的
斜張橋のケーブル安全率と疲労安全性との関係性を明らかとし、安全率の合理的決定に関する
基礎資料とすること

 
 

「ケーブル等の安全率の設定と評価」
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土木学会
概要
ED 橋の特徴,斜材ケーブルの安全率について,道路橋示方書の現状と PC 斜張橋
及び ED 橋の安全率についての設定経緯を整理する.
ED 橋の安全率について,限界状態設計法による既往の研究について,土木学会と
中村らの研究を述べる.
ED 橋に着目し,斜材ケーブルの終局状態としてすべての斜材ケーブルが切断した
状態を想定し,主桁のたわみ等をシュミレーションした結果を報告する.

 
 

「橋梁ケーブルの限界状態設計法」
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土木学会
概要
斜張橋ケーブル、エクストラドーズド橋ケーブル、吊り橋の主ケーブル及びハンガーを対象とした、
ケーブルの限界状態設計法を提案する。すなわち、終局限界状態、使用限界状態、疲労限界状態について
橋梁用ケーブルの証左基準を提案し、数例のケーススタディーにより提案式の妥当性を検証する。

 
 

「斜張橋(神納橋)の設計について」
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札幌開発建設部 外崎忍
概要
2径間連続斜張橋を架設する。上部構造の設計に際し模型実験を行って、
その応力特性を確かめ、安全かつ経済的設計の基礎とした。

 
 

「ファジィ理論を用いた斜張橋ケーブルの最適プレストレス力決定法」
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土木学会論文集No. 540/V1-31, 105-112, 1996. 6
古 田 均・ 亀 井 正 博・ 金 吉 正 勝・ 田 中 洋
関西大学教授 総合情報学部
大阪長堀開発株式会社 工務部
日立造船株式会社 橋梁設計部
工博 日立造船株式会社 橋梁設計部
概要
既存の一般的な最適 プレストレス力決定法では断面の再設定が必要であり、合理的なプレストレスカを得るために,
ファジィ理論を導入し, プレストレスカを導入した後の断面力, 及び, プレストレスカをファジィ量として扱い
その定式化を試みた. 続いて, 本研究で得られた最適プレストレス力決定法を既設 の斜張橋に適用し, 実施設計ならびに
既存のプレストレス力決定法の結果と比較・検討した. さらに, 複雑な構造を有する部定式斜張橋にも適用できることを示した.

 
 

「長大斜張橋の想定規模地震時の非線形挙動に関する研究」
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構造工学論文集Vol.53A(2007 年3 月)
和崎宏一,柳野和也,廣住敦士,野中哲也
中日本高速道路株式会社
株式会社耐震解析研究所
株式会社地震工学研究開発センター
概要
長大斜張橋である名港中央大橋を対象に、想定される地震動を用いて動的解析を行った。
材料および幾何学的非線形を考慮してモデル化した。非線形の地震挙動と、斜張橋の
非線形地震挙動と部材の損傷シーケンスを解析で検討を行った。その結果、名港中央大橋は
東南海地震のような地震に対しても応答値が小さく、安全であることが確認された。

 
 

「吊形式橋梁の現状と将来」
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藤野陽三 長井正嗣
概要
最近のケーブル支持橋の進歩は目覚ましく、吊り橋は支間長2000mに達し、斜張橋は支間長が900m
に達しています。本稿ではまず、吊り橋・斜張橋の歴史的発展について述べる。次に構造的な
特徴について述べ、主に風や地震の影響を受ける動的特性について議論した。また最後に、長大橋
に関連する技術的問題や、ケーブル支持橋でより注意を要する問題についても紹介する。

 
 

「Dead Load Analysis of Cable-Stayed Bridge」
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Tao Zhang, Zhi MinWu
概要
By analyzing a simple structural system, the procedure using the analysis program MiDAS is illustrated.
The generation of the model for the finished dead stage analysis is illustrated in detail, including the
boundary conditions and variations in loading. The optimization method of unknown load factor is used to
determine the cable forces to achieve an ideal state. The ideal cable forces are established and a construction
stage analysis is performed. The maximum cable forces are proved to be in the allowable limits.

 
 

「3径間連続マルチケーブル斜張橋の部材断面力算定法の提案」
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長井正嗣・赤尾宏・佐野信一郎・井澤衛
概要
マルチケーブルタイプを対象に,各部材の断面力の算定法を示すとともに, ケーブルと
主桁の剛比選定に関する検討を行い基本計画上の一資料を提示する
目的
主桁. 主塔の軸力および端支点反力算定法を示し, 次に主桁曲げモーメント, ケーブル張力算定法を示す
マルチケーブル斜張橋 を弾性床上のはりに置き換えたモデルにより検討を行う

 
 

「鋼斜張橋」
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概要
鋼斜張橋の地震応答解析に際して問題となるモデル化の比較検討や解析プログラムの性能比較を踏まえて、
橋脚の非線形を考慮した地震応答解析を実施し、解析結果の考察を行った
目的
鋼斜張橋の耐震設計上の諸問題を明らかにし、耐震性向上のための補強方針の策定に貢献すること

 
 

「長大斜張橋のL2地震動に対する耐震対策」
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吉永宙司,山之内哲也,後藤嘉雄,板橋啓治,吉澤 努
国土交通省北陸地方整備局新潟港湾空港技術調査事務所
大日本コンサルタント株式会社構造事業部
概要
主桁の支持方式について,従来の構造と橋梁の長大化や大規模地震動を想定した場合の構造について簡単に整理し,
国内での代表的な適用事例を紹介する.
その後,現在施工中の橋梁を対象に,L2地震動に対する耐震構造について検討結果の概要を紹介する

 
 

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