振動解析における回転系座標についての検証を行う。
X=100,Y=10,Z=20の片持ち梁を作成。画像奥側が固定面。
細かい条件については、根本の卒論日誌:片持ち梁の振動解析(ソリッド要素)と同じ。
振動モード | 解析値(Hz) |
水平一次 | 20.8188 |
鉛直一次 | 39.9531 |
水平二次 | 124.4 |
ねじれ | 145.725 |
鉛直二次 | 213.841 |
等方性から、材料条件のみを変更。
ihou = DEFI_MATERIAU( ELAS_ORTH=_F( E_L=6000.0, E_N=240.0, E_T=240.0, G_LN=400.0, G_LT=400.0, G_TN=400.0, NU_LN=0.016, NU_LT=0.016, NU_TN=0.016, RHO=3.8e-07 )
振動モード | 解析値(Hz) |
水平一次 | 19.7614 |
鉛直一次 | 35.8196 |
ねじれ | 64.7791 |
水平二次 | 104.701 |
鉛直二次 | 148.822 |
梁を回転させて、かつ回転座標を適用させる。
材料設定について、上のELAS_ORTHをそのまま適用。
回転座標については
AFFE_CARA_ELEM > MASSIF > ANGL_REP 入力欄を3つ作成し、それぞれがX,Y,Zに対応している。 それぞれの軸回りでいくら回転させるかを入力。 ex)今回の場合、Y軸を90度回転させるので、1番目に0、2番目に90、3番目に0を入力
振動モード | 解析値(Hz) |
水平一次 | 19.7614 |
鉛直一次 | 35.8196 |
ねじれ | 64.7791 |
水平二次 | 104.701 |
鉛直二次 | 148.822 |
回転座標を適用する前と同じ結果になったため、ANGL_REPで回転座標を適用できるといえる。
片持ち梁の場合は、ANGL_REPでの回転座標適用は有効だと考えられる。
次に、同じくX=100,Y=10,Z=20で単純梁を作成。
固定方法については、Salome-Meca演習_単純梁のジオメトリの作成と同じ。
材料設定は片持ち梁と同じ。
振動モード | 解析値(Hz) |
水平一次 | 128.488 |
鉛直一次 | 157.321 |
ねじれ | 233.374 |
水平二次 | 349.164 |
ねじれ | 447.339 |
固定箇所が回転しているように見えるが、確認したところ回転していなかった。
材料設定は片持ち梁と同じ。
振動モード | 解析値(Hz) |
ねじれ | 75.3159 |
水平一次 | 88.7695 |
鉛直一次 | 110.323 |
ねじれ | 163.276 |
水平二次 | 200.492 |
片持ち梁と同様に梁を回転させ、ANGL_REPを適用させる。
振動モード | 解析値(Hz) |
ねじれ | 75.7328 |
水平一次 | 89.0501 |
鉛直一次 | 110.629 |
ねじれ | 163.634 |
水平二次 | 201.511 |
回転前と少しだけ振動数が違う。
回転前解析値(Hz) | 回転後解析値(Hz) |
75.3159 | 75.7328 |
88.7695 | 89.0501 |
110.323 | 110.629 |
163.276 | 163.634 |
200.492 | 201.511 |
ANGL_REPが正しく適用されていない可能性もあるため、比較用に回転前の梁(X軸方向が長軸)に回転座標を適用させてみる。
振動モード | 解析値(Hz) |
水平一次 | 30.0518 |
鉛直一次 | 33.695 |
水平二次 | 82.913 |
鉛直二次 | 115.306 |
ねじれ | 120.604 |
異方性を持たせて回転なしのときと、異方性+回転+回転座標適用のときとも違う結果になったため、 これを見る限り、回転座標は適用されているようだ。
単純梁の場合は、ANGL_REPでの回転座標適用は有効だと考えられるが、 回転前と後で少しだけ振動数が違った。
考えられる原因としては、単純梁は線要素での固定であるため、片持ち梁のような面要素での固定よりも 固定部分の周りが動きやすいことから、
その違いが振動数となって現れた可能性は考えられる。
アーチへの適用も検証する。 図の3点を使用してアーチを作成。
材料設定は以下のとおり。
mater = DEFI_MATERIAU( ELAS=_F( E=7500.0, NU=0.4, RHO=3.8e-10 )
振動モード | 解析値(Hz) |
水平一次 | 4.1721 |
鉛直二次 | 9.44272 |
水平二次 | 11.6283 |
対称一次 | 20.8357 |
水平三次 | 23.306 |
対称二次 | 38.3033 |
水平四次 | 39.7125 |
鉛直四次 | 41.8928 |
水平五次 | 60.2621 |
対称三次 | 65.093 |
異方性アーチの場合はELAS_ISTRを使用するのがいいらしい。(及川さん談)
ihou = DEFI_MATERIAU( ELAS_ISTR=_F( E_L=7500.0, E_N=300.0, G_LN=400.0, NU_LN=0.016, NU_LT=0.016, RHO=3.8e-10 )
振動モード | 解析値(Hz) |
3.01718 | |
5.94478 | |
8.77324 | |
13.5595 | |
17.4116 | |
22.7029 | |
27.1765 | |
30.9601 | |
40.2001 | |
46.4758 |
アーチの場合下記の回転座標適用をしないと、ただの直交異方性が適用されてしまうので、参考値とする。
アーチの回転座標適用にはANGL_AXEとORIG_AXEコマンドを使用する。 (上のANGL_REPと同じ位置にある)
ANGL_AXEは回転角(図を参照)、ORIG_AXEはアーチの中心座標を指定する。
elemprop = AFFE_CARA_ELEM(identifier='2:1', MASSIF=_F(ANGL_AXE=(0.0, 90.0), GROUP_MA=('Cut_1', ), ORIG_AXE=(0.0, 10000.0, 14500.0)), MODELE=model)
振動モード | 解析値(Hz) |
2.74942 | |
5.93091 | |
8.07844 | |
13.4888 | |
16.4706 | |
22.104 | |
27.0818 | |
29.4049 | |
39.9771 | |
44.0591 |
ORIG_AXEでアーチの中心座標を指定するが、ANGL_AXEで回転角を調整する前の中心座標か調整後の中心座標かわからなかったので、検証用として回転角を調整前の中心座標(X=14500,Z=0)を入力して解析する。
elemprop = AFFE_CARA_ELEM(identifier='2:1', MASSIF=_F(ANGL_AXE=(0.0, 90.0), GROUP_MA=('Cut_1', ), ORIG_AXE=(14500.0, 10000.0, 0.0)), MODELE=model)
振動モード | 解析値(Hz) |
2.98803 | |
7.66834 | |
8.77053 | |
16.3103 | |
18.0064 | |
27.5536 | |
29.5963 | |
25.3419 | |
41.2204 | |
54.2841 |
ihou2 = DEFI_MATERIAU(identifier='5:1', ELAS_ORTH=_F(E_L=7500.0, E_N=300.0, E_T=300.0, G_LN=400.0, G_LT=400.0, G_TN=400.0, NU_LN=0.016, NU_LT=0.016, NU_TN=0.016, RHO=3.8e-10))
振動モード | 解析値(Hz) |
1.91278 | |
5.51539 | |
5.67227 | |
11.627 | |
12.6893 | |
19.7471 | |
21.9378 | |
24.8051 | |
29.5828 | |
37.1475 |
ELAS_ISTRと全く違う値になった。 回転座標は適用させているので、及川さんのアーチ橋に異方性を適用させたら振動数が変わったのはこれが原因かも?