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構造力学(準備開始)
不静定梁の影響線

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不静定梁の影響線も基本的に 静定梁の影響線と同じ要領で求められる。 つまり、

  1. 単位荷重の位置($\zeta$)を定数とみなして、 普通に反力、断面力、たわみなどを$z$の関数として求める
  2. 着目点の座標($z=\frac{\ell }{2}$など)を求めた断面力や たわみの式に代入する
  3. 求めた影響線の関数を横軸を$\zeta$にとってグラフに描く

./png/kotehinz.png 図のような左端固定、右端ローラー支承の不静定梁の 両端の反力と中央($z=\frac{\ell }{2}$)のたわみの影響線を求めてみよう。
まずは、単位荷重の位置を表す$\zeta$が定数だと考えて、 普通に反力や断面力、たわみを$z$の関数として求める。
この問題は、 不静定梁のたわみの練習問題-問3 で、$a=\zeta$, $P=1$と置いたものと同じだから、
便宜上、 $0<z <\zeta$ の左側のたわみを$v_{左}$と書いて、 $\zeta<z<\ell $ の右側のたわみを$v_{右}$と書くことにすると、
たわみは
$v_{左}(z,\zeta)=\frac{(\ell -\zeta)}{12\ell^{3}EI} \{(\zeta^{2}-2\ell \zeta-2\ell^{2})z^3+(6\ell^{2}\zeta-3\ell \zeta^{2})z^{2}\} \;\;\;\; (0<z<\zeta)$
$v_{右}(z,\zeta)=\frac{\zeta^{2}}{12\ell^{3}EI} \{(3\ell -\zeta)z^{3}-3\ell (3\ell -\zeta)z^{2}+6\ell^{3}z-2\ell^{3}\zeta\} \;\;\;\; (\zeta<z<\ell )$
せん断力は、
$S_{左}(\zeta)=\frac{\zeta^{3}-3\ell \zeta^{2}+2\ell^{3}}{2\ell^{3}} \;\;\;\; (0<z<\zeta)$
$S_{右}(\zeta)=\frac{\zeta^{2}}{2\ell^{3}}(\zeta-3\ell ) \;\;\;\; (\zeta<z<\ell )$
曲げモーメントは、
$M_{左}(z,\zeta)= =\frac{1}{2\ell^{3}}\{(\zeta^{3}-3\ell \zeta^{2}+2\ell^{3})z -(\zeta^{3}-3\ell \zeta^{2}+2\ell^{2}\zeta)\ell \} \;\;\;\; (0<z<\zeta)$
$M_{右}= =\frac{\zeta^{2}}{2\ell^{3}}\{(\zeta-3\ell )z-(\zeta-3\ell )\ell \} \;\;\;\; (\zeta<z<\ell )$
となる。
まず、両端の鉛直反力は
$V_{A}(\zeta)=S_{左}=\frac{\zeta^{3}-3\ell \zeta^{2}+2\ell^{3}}{2\ell^{3}}$
$V_{B}(\zeta)=-S_{右} =\frac{-\zeta^{3}+3\ell \zeta^{2}}{2\ell^{3}}$
左端のモーメント反力は、 $0<z<\zeta$のモーメントの式$M_{左}$に $z=0$を代入して
$M_{A}(\zeta)=M_{左}(z=0,\zeta) =\frac{-\zeta^{3}+3\ell \zeta^{2}-2\ell^{2}\zeta}{2\ell^{2}}$
両端の反力の影響線については、これらを $\zeta$の関数として$\zeta$を横軸にとってグラフを描けばよい。
中央($z=\frac{\ell }{2}$)のたわみ等の影響線を描く場合は ちょっと注意が必要である。

./png/kotehinzzc.png $0<\zeta<\frac{\ell }{2}$の場合
単位荷重が着目点の$z=\frac{\ell }{2}$よりも左側にある場合 (つまり着目点が単位荷重よりも右側にある場合ということだから)、 着目点のたわみを表す式は、 $\zeta<z<\ell $の場合の式つまり $v_{右}(z,\zeta)$になる。 よって、たわみの影響線は
$v_{右}(z=\frac{\ell }{2},\zeta)= \frac{-11\zeta^{3}+9\ell \zeta^{2}}{96EI} \;\;\;\;(0<\zeta<\frac{\ell }{2})$

./png/kotehinzcp.png $\frac{\ell }{2}<\zeta<\ell $の場合
単位荷重が着目点の$z=\frac{\ell }{2}$よりも右側にある場合 (つまり着目点が単位荷重よりも左側にある場合ということだから)、 着目点のたわみを表す式は、 $0<z<\zeta$の場合の式つまり $v_{左}(z,\zeta)$になる。
よって、たわみの影響線は
$v_{左}(z=\frac{\ell }{2},\zeta)= \frac{1}{96EI}(5\zeta^{3}-15\ell \zeta^{2}+12\ell^{2}\zeta-2\ell^{3}) \;\;\;\;(\frac{\ell }{2}<\zeta<\ell )$

./png/kotehinei.png

メモ: