後藤資料

須藤の卒論日誌 - *Calculix1.7で新たに使用したオプション等のまとめ (考察を含む)

目次

Calculix1.7で新たに使用したオプション等のまとめ (考察を含む)

一年間という短い期間であったが、新しく(自分の知る限り)知ったことも 多かったので、解析で使用したオプションや機能を以下に軽くまとめておく。
cgxで要素番号と節点番号を出力して載荷点の番号を確認。
表示する方法は以下の通り
          cgx_1.7 ***.frd  または  cgx_1.7 -c ***.inp
          (※cgxのウィンドウが手前に表示された状態で)
         plot ea all
          plus na all

[単位]
荷重は[MN]・時間は[sec]・長さは[m]・ヤング率は[MPa]=[MN/m^2]としているので、
密度は2800[kg/m^3]であったら2.8d-3と設定する。

質量の単位が不明確だったが、固有値解析で各振動数を理論値と比較したところ
誤差が微小だったので以下の解釈で正しいと思う。
                    1[N]=1[kg]×9.8[m/sec^2]
荷重と時間と長さを元のプログラム通り揃えると…
          1[MN]=1000[t]×9.8[m/sec^2]
なので、質量の単位はプログラムにおいて1なら1000[t]と認識される。
よって密度は2800[kg/m^3]であったら2.8d-3と設定する。

[材料定義]
■*DENSITY…固有値解析する場合に必要となる。(以下はアルミの材料諸元)

→ヤング率,ポアソン比などのあとに密度を定義。
アルミの比重を2800[kg/m^3]として設定している。
たわみを解析する際に密度を設定しても自重によるたわみは考慮されない。

print'("*MATERIAL,NAME=EL")'
print'("*ELASTIC")'
print'("70.d3, 0.33")'
print'("*DENSITY")'
print'("2.8d-3")'

[荷重関連]
■*DLOAD…要素面に対して等分布荷重(圧力)をかけたい時に使用する。

print'("*STEP")'
print'("*STATIC,SOLVER=SPOOLES")'
print'("*DLOAD")'
print'("Eall,P1,1")'  

↑載荷したい要素のセット名または番号(Eall)を指定した後、面番号(P1)を指定。
単位面積当りの荷重の大きさを1[MPa]として設定している。

モデルの自重によるたわみを解析したい場合の使用方法
(※*ELASTICで*DENSITYの設定が必要となる ← 定義していないとエラー)

print'("Eall,GRAV,9.8,0.,0.,1.")'

これでEallに対して9.8[m/sec^2]の重力加速度で+Z方向の自重による変位が分かる。
シェル要素であっても解析可能である。

★シェル要素の場合は要素面の垂線方向にしか載荷できないため、
Pのあとに面番号を入力しても値に変化はない。(Pのみでも解析可)

■*AMPLITUDE…時間ごとに載荷する荷重を設定したい場合に使用する。      

print'("*AMPLITUDE,DEFINITION=TABULAR,NAME=A1")'
print'("0.,0.,1.d-1,1.,2.d-1,0.,3.d-1,0")'

↑0秒で0,0.1秒で1,0.2秒で0,0.3秒で0,という風に、
時間.,荷重.,時間.,荷重.,…と設定していく。
定義した時間-荷重セットはA1などとして名前をつける

print'("*AMPLITUDE,DEFINITION=TABULAR,NAME=A2")'
print'("*INCLUDE,INPUT=no1.csv")'

↑正弦波などを入力したい場合、人力では限界があるので、
表計算ソフトなどを利用して細かい時間-荷重データを作成し、
csvファイルなどにそのデータをコピーして使用する。(例ではno1.csv)

csvファイルへの書き方は
            0.,  0.,
                        1.,  0.1,
                        2.,  0.2,
                        3.,  0.3,
                        *., *.,
                        *., *.,          
と縦に並べていく。時間と荷重の後にはカンマが必要。
   
print'("*CLOAD,AMPLITUDE=A1")'
print'("LAST,2,5.d-6")'

↑設定した時間-荷重セットを*CLOADや*DLOADのあとに指定。
あとは、普通に (節点・載荷方向・大きさ) を設定する。

[固有値解析]
■*FREQUENCY…固有振動数を指定したモード数だけ算出する。

→モード解析など過渡応答解析をする場合に必要となり、
ここで計算したモード数が多いほど精度が上がる模様。

cgxにおいてモード(振動数)を指定してアニメーションを見ることで
各モードの振動形を確認できる。振動数が低い方から順に表示される。

print'("*STEP")'
print'("*FREQUENCY,SOLVER=SPOOLES,STORAGE=YES")'
print'("20")'

詳しい結果については、目次より
「*FREQUENCYで確認できる振動モードについて」を参照

[モーダル法による過渡応答解析]
■*MODAL DYNAMICS…モード解析する場合に使用。

→時間ステップと解析したい時間の長さを指定する。
このオプションの前の*STEPで*FREQUENCYによる解析が必要となる。
レーリー減衰を設定したい場合には、*MODAL DAMPING を用いる。

print'("*STEP")'
print'("*MODAL DYNAMIC")'
print'("2.d-2,100.d-2")'
print'("*MODAL DAMPING")'
print'(",,0.,2.d-5")'

↑0.02秒ごとに1秒までの解析結果が表示される。
減衰の設定についてはページ先頭の目次より
「減衰の設定について(ccxマニュアル)」

[積分法による過渡応答解析]
■*DYNAMIC…直接積分法によって解析する場合に使用。

→*MODAL DYNAMICと同じく、時間ステップと解析したい時間を指定する。
時間ステップ通りに結果を出力する方法とプログラムによって
自動的に不規則な時間ステップで結果を出力する方法がある。

print'("*STEP,INC=100000000")'
print'("*DYNAMIC,EXPLICIT")'
print'("2.d-2,100.d-2")'

↑EXPLICITを使用すると設定した時間通りに結果を表示できるはずだが、
今のところ解析中にエラーが表示され成功していない。

■*STEADY STATE DYNAMICS…周波数応答解析をするオプション。

どの周波数の荷重に対して応答スペクトルが大きくなるかをグラフ化できるが、
calculixの場合、1ステップごとに実部aと虚部bで2つ出る答えをエクセル
で\sqrt[(a^2+b^2)]で計算すればグラフ化できる。

おそらく変位応答スペクトルで評価しており、
加速度応答や速度応答ではない可能性が高い。

スペクトルが最大になるのは基本的に固有振動数なので、
固有振動数が解析できる場合に利用するかは微妙なところ…
ちなみに[*MODAL DAMPING]で減衰を設定していないと、
固有振動数付近で -NAN となり、その周波数での結果が
確認できなくなるようだ。減衰を設定していると、最大応答スペクトルが小さくなる。
減衰を効かせたくない場合は、減衰の設定を極小にする必要があると思われる。

print'("*STEP")'
print'("*STEADY STATE DYNAMICS")'
print'("1000.,2000.,1.,3")'

  周波数範囲の下限と上限を指定
  分割パラメータ数の指定(5~10くらいで十分だと思う)
  バイアスの指定←デフォルト1      

バイアスの設定を変えると、スペクトルが卓越する周波数付近で
点を細かくとるため、応答の極大値をより正確に知ることができる。

周波数応答解析でのエラーについて(BEAM・SHELL要素はモード解析不可なのか?)

周波数応答解析中に、 ERROR: 1-D or 2-D elements cannot be used in a modal dynamic calculation が出たと書いたが、以前モード解析の精度確認の際に参考にさせて頂いた、 株式会社アライドエンジニアリングの中で、 シェル要素による近似が本当にソリッド要素と一致するか?という事例があったので、 リンクを貼る。結論としては、一致していたが、calculixで一致するかというと 話は別なので、片持ち梁で固有値・モード解析を比較する。

※周波数応答は固有値解析とモード解析の結果が一致していれば、 十分な精度が期待できると考えられるので省略する。 また、シェル要素のモード解析では、載荷点のヤング率を極端に大きくしないと、 自由端で変位がバラバラになるため、B32要素で自由端節点の剛性を上げる。

厚さを変えて、固有値解析を行った結果を以下に示す。 断面は幅20mm・軸長200mm・厚さを2mm〜20mmで正方形断面まで変化した。

2mm理論値解析結果相対誤差5mm理論値解析結果相対誤差
solid40.380543.31207.258%100.9513102.85741.888%
shell40.380542.201224.509%100.9513102.06381.102%
10mm理論値解析結果相対誤差20mm理論値解析結果相対誤差
solid201.9027209.69483.859%403.8053403.62190.04543%
shell201.9027194.62493.605%403.8053344.100914.79%

正方形断面はさすがに解析精度が落ちたが、 薄い断面に関しては、シェル要素の方が分割数が少ないのに精度は高かった。 シェル要素は10×10だったが、ソリッド要素は厚みがなくなると、 厚さ方向の分割数に限界が来るため、代わりに軸方向の分割数を極端に増やして、 解析精度を高めた。(x20y0z200など)それでもなお、シェル要素が優っていた。 以上より、固有値解析の精度を確認。

モード解析の結果を以下のグラフに示す。

グラフは微妙な差はあるが、各厚さごとに2本の波形はほとんど一致した。 以上より、モード解析の精度も確かであることを確認。

(http://www.alde.co.jp/advc/examples/shell-solid/index.html)

シェル要素片持ち梁(プログラム)の問題点について

以前から使用していた、シェル要素片持ち梁のプログラムには問題があることが わかっていたが、解析結果にも関わるため挙げておく。 厚さ方向を除く2方向の分割数を同じ値にしないと解析できないが、 モデルの大きさに対して、分割数を細かくし過ぎると、 三角形による分割が正しくできないことがある。この状態で、 固有値解析を行うと、全く異なる値になってしまった。 固有振動数が異なるということは、おそらくcalculixによる剛性の評価も 異なるため、他の解析についても信用できない可能性が高い。 →柴田の修論日誌にて改善したプログラム有り(今後はこれを使用すると良い) 自分ではプログラムを組めなかったので、 S8要素でのシェル要素片持ち梁のinpファイルは DLOADの解析精度確認にてリンクを既に貼っている。

蛇腹折りの減衰性能は分かるか?(半値幅法で求めてみた)

減衰に関しては、一般的なコンクリート構造物の弾性域での減衰定数ζ=0.03を 使ってとりあえず減衰が分かるように解析結果を出したが、 実際に蛇腹折りの減衰性能がどれくらいか求められないか調べてみたところ、 以下のURLのやり方でなら求められそうなので試してみた。 もしかすると、前提として塑性がないといけないかも知れないが、 計算して結果を確認してみる。 周波数応答解析の結果を使って、応答スペクトルが最大になるところの振動数をfmax、 最大の半分になるところの振動数をf1、f2とすると、

$損失係数 \eta = 2 \zeta = \frac{|f2-f1|}{fmax}$ 解析パラメータ数を増やして、より滑らかなグラフになるようにして、 最大スペクトルの半分ができるだけ分かるようにする。 だいたいζ=0.05という結果に落ち着き、0.03より大きい結果となった。

(http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/damp/damp_2.htm)
周方向分割初期高さ減衰定数
軸方向40.3/0.6/0.9概ね0.05(0.051とか0.049とか)
軸方向60.3/0.6/0.9概ね0.05(0.051とか0.049とか)
軸方向80.3/0.6/0.9概ね0.05(0.051とか0.049とか)
せん断方向60.3/0.6/0.90.05/0.045/0.05

固有振動数と卓越周期を混ぜて載荷してみた

載荷する時間を変えて色々試してみたが、大した結果は得られなかった。 やはり、シェル要素に対するモード解析は正しく解析できていないのだろうか? (←*STEADY STATE DYNAMICS 時のエラー) グラフは省略してパターンと結果を以下に示す。
パターン組み合わせせん断方向の結果軸方向の結果
2Hz+固有振動数を同時に1sec2Hzのみのグラフになる(共振しない)せん断と同様
2Hz(0~0.5sec)+固有振動数(0.5~1.0sec)0.5~1.0secで共振しないで減衰
固有振動数(0.5~1.0sec)+2Hz(0.5~1.0sec)ほとんど振動せず0.5~1.0secで2Hz振動

厚さによるモード解析結果の比較(再)

BEAM要素で拘束した状態でやったことはなかったので、一応貼っておく。 前と同様で、3・5mmで差はあまりなく、1mmでは特に応答が大きくなった。 プレス加工で蛇腹折りをつくる上で厚さの限界はわからないが、 解析は3mmを基準としてやってきた。複雑な加工は当然厚さもそれなりに薄くないと 製造できない可能性が高いと思われるが、実際3mmでも可能なのだろうか?
X非共振[2Hz]
Z  〃  
X共振[9.46〜15.14Hz]
Z共振[8.77〜9.63Hz]

(続々)周波数応答解析で初期高さによる違いを見てみる(荷重方向以外固定)

周波数応答解析に使用したinpファイル(周方向468分割)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/shuuha44.inp

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/shuuha66.inp

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/shuuha88.inp

XYZfree状態だとせん断方向の荷重に対する変形が、回転で出ている可能性がある ので荷重方向のみ自由(せん断はXYfree)にしてグラフを作ってみる。少々手間だが、 減衰もその都度ζ=0.03に合わせて設定する。…ただし、この条件だと固有振動数は 上がってしまう。実際は荷重方向のみに動くわけではないので境界条件をなくしたい …が変形が固有モードに依存してしまうので実際よりも高めの振動数になってしまう。

(続)と同様に、初期高さが低いほどせん断に強く、高いほど軸圧縮に強い結果となった。

せん断
軸方向

周波数応答解析中に不吉なエラーが表示された。
*ERROR: 1-D or 2-D elements cannot be used in a modal dynamic calculation
BEAM・SHELL要素ではモード解析が使えない? ↑で一応解決!
ちなみに*MODAL DYNAMIC では表示されなかった。なぜ*STEADY STATE DYNAMICS で表示?

(続)周波数応答解析で初期高さによる違いを見てみる(XYZfree)

今までと同じく荷重は1MN(ただし、時間による設定[*AMPLITUDE]なし… 周期だと2Hzなどで周波数応答が全て0になることがあったので)。周方向6分割で 初期高さ0.3 0.6 0.9によってせん断・軸圧縮方向にどのような差が生まれるかを 見たところ、初期高さが低いほどせん断に強く・高いほど軸圧縮に強いという 予想通りの結果になった。(しかし、初期高さ0.9というのはほぼ円筒に近く、 実際にバネのように動くだろうか?)

分かりづらいので一応分けたグラフも作成。 0.3と0.6で2回山ができている周波数は、その振動系の二次モードである。

せん断
軸圧縮

メモ(免震設計・積層ゴム支承などについて)

長周期地震動周期が1~2秒以上[1Hz以下]。高層建造物に大きな被害が出る。
短周期地震動周期が0.3秒以下[3Hz以上]。中・低層建造物に被害が出る。

免震について調べていたところ、構造物に対する免震対策は固有振動数を 高周波にするのではなく、短周波にして長周期化するのが基本だと今更知った。 理由は、短周期の地震は変位が小さく、被害はそれほど大きくならないが、 加速度が大きいから。一方、長周期の地震は加速度が小さいが、変位が大きい。 人が揺れを強く感じるのは短周期の地震だが、実際に大きな被害をもたらすのは 長周期の地震であることが問題で、せん断方向の剛性を下げて、あえて動かし、 ダンパーを利用して減衰させる。

表層が軟弱地盤であったり、震源がプレート間の場合、長周期地震動になる。 反対に表層が固い地盤や震源がプレートの深い位置だと短周期地震動になる。

※これまで、共振しなければ高周波であるほど良いと思っていたが、 免震支承として用いるのであれば、長周期化を考えるべきか?今の解析方法だと、 長周期化する方法が、①分割数を減らすか②設計反力を上げるしかない。 長周期化はやりすぎるとよくないらしく、1.5秒程度が妥当らしい。 また、軟弱地盤では逆効果になる可能性がある。

◆積層ゴム支承の中に鉛プラグを入れているが、なぜ鉛なのか? 他の金属が100℃超なのに対して、鉛は20℃で再結晶化するので、また、 塑性によってエネルギーを吸収できるかららしい。あくまで蛇腹のみで 機能分離型免震支承とする場合、ダンパーは中間発表の図のように、 蛇腹折りを横にする方法が良いと思う。 (軸圧縮モードとなるので、初期高さは高い方が良いのだろうか?)

周波数応答解析の結果[STEADY STATE DYNAMICS]

周波数1~10Hzで比較してきたが、正直見づらいので周波数応答解析で 応答スペクトルが大きくなるところを確認してみた。やはり、荷重方向の 振動モードにおける固有振動数で最大になった。荷重を複数かけた場合は、 モード解析と同じくそれぞれの荷重方向に対して結果が出た。

周波数応答

(続)周波数6~10Hzの荷重に対する応答を比較してみる(載荷点free・設計反力500kN)

6~10Hzではどのようなグラフになるかを確認してみる。 1~5Hzで軸方向圧縮の方が変位が小さく出ることがわかっているので、 軸方向のみグラフを作成してみた…… 周4では8Hz・周6では9Hz・周8では10Hzが共振する結果となった。 固有1次振動数は[1~5Hz時]と変わらない約6Hzのはずなのに応答が大きく異なった。 確認したところ、3次固有振動数で共振している。 ←1次・2次モードは回転(載荷点がfree)だが、軸方向圧縮の荷重をかけていると 軸方向圧縮モード(3次)の振動数に共振して応答が出ているようだ。 今まで[*MODAL DYNAMIC]では一次モードしか解析できないと思っていた…… 荷重による振動に近い固有モードに対して解析されるのかもしれない。

せん断方向も比較してみたが、やはり荷重方向に近いモード(せん断は1次)で 解析されており、共振振動数もそれに近いものになっている。

軸圧縮(Z):周4_8.38Hz
軸圧縮(Z):周6_9.08Hz
軸圧縮(Z):周8_9.61Hz
せん断(X):周4_5.95Hz
せん断(X):周6_6.49Hz
せん断(X):周8_6.76Hz

複数荷重の場合には、解析モードは分かれるか?

上の結果より周6に対して、せん断:1次=6.5Hz/軸圧縮:3次=9.0Hz の周期荷重を かけた場合、それぞれに対して共振するかを確認してみた。 せん断が少し負に傾いて出ているが(未だに謎)、せん断・軸圧縮ともに共振している。 つまり、各々の固有モードに対して応答が出ていることになる。
周6_XZ載荷

周波数1~5Hzの荷重に対する応答を比較してみる(載荷点free・設計反力500kN)

弾塑性モデルでの解析がうまくいかないので、周波数による応答を比較してみた。 固有振動数の約6Hzに近づくに連れて応答が大きくなっていることが分かり、 5Hzでは少し共振が起きているように見える。 また、1・3・4Hzでは1sec以降の自由振動がプラス側に若干傾いて出てきた。 (弾性モデルであり、2Hzでは起きていないので不自然)…… せん断方向に変形するイメージがどうしても持てないので、バネ性能を活かすとすると、 せん断方向の変位を蛇腹折りを横にして軸方向で受けるのが良いと思う。 (溶接や切れ目などを考慮していないので確証はない)

軸圧縮(Z):周4
軸圧縮(Z):周6
軸圧縮(Z):周8
せん断(X):周4
せん断(X):周6
せん断(X):周8

(再)固有振動数と初期高さの関係をグラフ化

設計反力500kNの状態で、もう一度初期高さによる固有振動数の変化を見てみたら、 全部確認できたので、グラフ化しておく。 予想通り、軸方向は初期高さが大きいほど上がった。 追加としてねじれモード[XYfree]と回転モード[XYZfree]も入れておく。

せん断・軸圧縮
ねじれ・回転

(再)塑性を入れてみる

前に[*PLASTIC]で入れたらエラーが出たので、 柴田さんのように[*DEFORMATION PLASTICITY]にしたら解析できた。 とりあえず、ステンレスの0.2%耐力以外はマニュアルと同様にして入力したが 結果は全く変わらなかった。

HARDENING=ISOTROPIC 等方硬化-バウシンガー効果を考慮していない
HARDENING=KINEMATIC 移動硬化-バウシンガー効果を考慮している
バウシンガー効果とは、一度引張りをかけて塑性変形させた後、圧縮をかけると、
圧縮側で降伏応力が低下してしまう現象。
等方硬化は移動硬化に比べて計算量が少なくすむので、一度の解析で変形方向が
逆転しなければ、等方硬化で十分。
逆に言うと、一度の解析で変形方向が逆転する場合は、移動硬化
(もしくは移動硬化と等方硬化の間の混合硬化)を使用したほうが、現実とよく合う。
↑の理由より振動解析には移動硬化を使いたい。 なぜか[*PLASTIC]だとセグメンテーション違反になるのに、 [*DEFORMATION PLASTICITY]だと解析できる。移動硬化で解析を始めてくれたが、 1時間以上経っても終わらない…解析に時間がかかるものなのか? ccx2.3 でもスタートしたが一向に進まず固有値解析で止まっている →数時間経っても終わらないため、別の方法を探す。→どうにもエラーが消えず、 解析ができない。ソリッド片持ち梁でもセグメンテーション違反になった。

複数方向の荷重の応答を調べる+回転荷重はかけられるか?

荷重方向を2つずつ組み合わせて、回転を見てみた。 それぞれ2Hz1secの荷重にしたがって動いているが、 アニメーションで確認できるわけではないのでわかりづらい。 Yだけ変なのは四角形だからか?

XY(XYZfree)
XZ(XYZfree)
YZ(XYZfree)

ということで…周6分割で試してみる。 周6と8は固有値解析からモードの出方を確認したところ同様の結果になる模様。 周4とは異なり、周6と8はX・Yの変位が全く同じに出たのでグラフは直線になった。 回転荷重はかけられない模様…周期荷重の設定をXY方向で変えて、 円のような荷重をかければ回転っぽくなるだろうか?

XY(XYZfree)
XZ(XYZfree)
YZ(XYZfree)

回転荷重を軸方向周り(direction_6)でかけられないか?

試しに回転荷重をかけられないかマニュアルを見たが、CLOADにはなさそうだった。 ……蛇腹折りの円周の中心に点を作り、それを中点として対角点同士を BEAM要素(剛性大)で固定した状態を作って、中心の点に6(Z軸の回転方向)で CLOADをかけたら回転するのではないか?……と思ったがうまくいかない。 ↓は斜めに動いてしまっているので回転していない。

BEAM要素(拘束部)の密度をもっと大きくすると固有値は?

実際は荷重方向のみに動くことはありえず、載荷点の境界条件はフリーになるはず なので無くしたところ、設計反力500kNの状態で固有振動数は6Hzになった。 橋の支承とするならば1~5Hzくらいが危険だと思われ、設計反力が680kNで5.1Hzだった。 5Hz台だとおそらく共振してしまうので余裕を考えるとやはり300kNくらいか? (300kNで7.68Hz)

ちなみに200kNで9.41Hz。10Hzを基準とすれば、周4分割は約200kNが限界か? 周や高さ分割を増やせば、固有振動数は上がるが…500kNに対して 周6で6.5Hz・周8で6.8Hz程度だった。

設計反力からの設定方法(難あり)

設計反力500kNからどのように地震荷重に置き換えたかを一応書く。 単純すぎる方法で無理やり感があるので、話半分に。
BEAM要素による拘束部分の体積を求める
断面を矩形として、円周70cm・厚さ3mmなので0.003^2×0.7[m^3]が体積V
500kN/9.8[m/sec^2] = 51020[kg]/体積 V = 密度 ρ →*DENSITYに設定

地震時の揺れの大きさは加速度gal=[cm/sec^2]や速度kine=[cm/sec]で表される。
震度6を超える地震では加速度が2000galを超える。(東日本大震災では3000超)
2000gal=20[m/sec^2]   f=ma より f=51020[kg]×20[m/sec^2]=約1MN

減衰の設定をどうするか?

調べれば調べるほど難しいパラメータであり、設定に難あり (入力地震波は?地盤・地層は?構造物のモデルは? etc)。 最終的に履歴減衰を等価粘性減衰定数で決めるようだが、履歴減衰は固有値と 無関係な減衰のため、一次固有角振動数に対して設定するcalculixの減衰は 単なる粘性減衰定数だと思われる。

構造物の場合、通常は 0<ζ<0.1 であり、弾性域では 0.02<ζ<0.05 であるようで、 そこまで減衰は大きくないようだ。とりあえず減衰は弾性域の値を 使用して解析していく。(最も影響の大きい減衰は履歴減衰)

ゴム支承とのコスト比較

自分の場合はステンレスだが、プレス加工で蛇腹折りを作るのにいくらかかるか 目安に見当をつける。その上でゴム支承のもつコスト面・性能面における メリット・デメリットを知っておく。

SUS304ステンレスはだいたい1kg=400円。ちなみに鋼材は1kg=100円ほど。 質量だけで換算すると周:70cm 高:20cm 厚:3mm より 1344円。 プレス加工はできるかわからないので費用は不明。 ゴムは高減衰・超高減衰になると値段が上がるはず… 支承一個当りの単価は鋼製支承より高いようだが、実際いくらか?

①続・初期高さを変えての固有値比較がうまくいかない

周4のせん断方向が初期高さ0.9で確認したものを見直すと水平移動というより 側面の振動による水平移動に見えたので0.9も確認できないということで保留。 (全体の傾向から見るに振動数が急拡大するとは思えないがcgxの動きは違うと思う)

周8の場合が一番多く確認できたので、ひとつにまとめてみた。軸方向圧縮は 10000~15000としていたがグラフが比較しづらいのでもう少し下げてプロットした。

H(せん断)V(軸圧)C(回転)

①初期高さを変えての固有値比較がうまくいかない

初期高さを0.1など小さくすると蛇腹の高さが低くなるため、 [*FREQUENCY]により起こりやすい振動が大きく変わる。モード数を増やし、 cgxのアニメーションで一次モード以外の変形をひとつずつ見ていけば、 グラフがなんとか書けそうだ。……と思ったら、初期高さ0.9と1.0の場合に 水平・鉛直および回転モードが出てこなくなった。50モードまで見ても出てない場合も あり、かなりの高周波になっている模様。なので、グラフが中途半端になってしまう。 また、高さ方向10分割で統一していたのに周方向8分割の固有値解析で セグメンテーション違反になった。8だけ12段にして解析する。

せん断は周4のh1.0が確認できなかったので1600Hzで止まっている。
軸方向圧縮は周468でh0.9及びh1.0が8000Hzほどまで確認できなかったので10000~15000Hzに統一した。
回転は周8を除く周46でh1.0が確認できなかったので周8を参考にして同程度上げた。

↓以上、変形モードが微妙に違うようなものを除いて、 ある程度値を予想する形でグラフを作成してみた。

せん断
軸方向圧縮
回転

②切れ目を入れての振動解析は失敗

切れ目を入れると、[*FREQUENCY]で解析される一次の振動モードが変わり、 より起こりやすい切れ目のある部分の固有振動に変わってしまった… (切れ目を含む要素が開閉する)。たとえ、境界条件を荷重方向のみにしても 切れ目部分の振動が一次モードに出てしまうため、 切れ目を入れた振動解析はうまくいかない可能性が高い。

③BEAM拘束部分の密度を大きくしたら固有振動数が下がった

後藤さんの言うとおり、[*DLOAD]で重力加速度を大きくして 自重を大きくしても振動数は変わらなかった。支承にかかる死荷重を考慮するなら、 ソリッド部分もしくはBEAM拘束部分などの密度を大きくして、自重を考慮すればいい。 常時に活荷重(鉛直)・地震時に周期荷重(水平)としてかけて比較すると いいかもしれない。

500kNになるようにBEAM拘束部分の体積に対して密度を設定したら、 固有振動数が5Hzまで下がった。この状態で2Hzのsin波を1secかけると、 グラフは周期に依存しない形となり、0を基準に減衰振動した。 周方向や高さ方向分割数を変えて、支承の固有振動数が卓越周期に 近くならないようなモデルを探してみる。 (※BEAM拘束部分の密度が以上に大きいのは不自然だが、モデルの大きさを変えると ソリッド要素を載せたものをまたinpファイル上で作らないといけないので 時間が足りない上に周68が比較できない。 後藤さんの言う一段目を薄くして硬化+密度大も試す)

開口部拘束なしの回転モード

支承一個当りにかかる荷重(+卒論に向けたモデルの諸量をある程度決定)

支承の設計より、支承反力を最大500kNと想定するのを発見。 100・300・500kNがあり平均すると300kNのようだが、 とりあえず最大の500kNを[*DLOAD]で自重として与えてみる。

モデル円周高さ(折る前)ヤング率ポアソン比段数周方向
70cm20cm200GPa0.3124・6・8(+α?)

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/senkou44.inp

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/senkou66.inp

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/senkou88.inp

振動特性を見るために(今更思う問題点)

厚さ・周方向分割数・高さ方向分割数・初期高さ…どれを変えても、 時刻歴変位が荷重(周期・パルス)に依存しているため、 振動特性(周波数特性)が比較できていない。

モード解析では、一次モードしか解析できず固有振動数がすべてなので、 振動特性は[*FREQUENCY]の結果の延長線でしかない。しかも、 上にソリッド要素を載せることで固有値が大きく下がるため、 実際に使用する状態でないと大して意味がない? (今の状態でシミュレーションしたものを[巨大化or他の構造を足す]と 固有振動数は大きく変わるので特性も変わる。)

グラフの形が同じなら条件を変えて変位を比較しても、 剛性を比較しているだけで振動特性を比較していることにはならず、 動的解析の意味があまりない。また、荷重の周波数に依存することは 振動特性ではなく変位特性に思える。

片持ち梁(Solid)のように周期荷重に対して共振せずにグラフの形が 不規則になるような結果が出れば、時間--変位グラフに一定でない差が出るので 一応振動特性を見ていることにはなるが、それができていない。 (それすらもモデルによるが)

パルス荷重をかけて、時間刻みをかなり小さくすれば固有周期で 自由もしくは減衰振動していることが確認できるが、周期的な荷重に対して 変位がどう変わるかを見ない限りは、剛性比較になっていると思う…… のでどうにかして荷重の周波数に依存しないグラフを作りたいが、 モード解析(直接法もだが)だと蛇腹構造の動きが 片持ち梁にもバネにもなっていないことが問題だ。

回転モード載荷点拘束なしX載荷(周方向468)
X
Z

周方向分割数による変位の差

固有振動数に大きな差がないため、周期荷重に対する応答波形はほとんど同じだった。 比較したい場合は別々のグラフにして貼るべきか? (追記:時間ステップ数を細かくしたら、荷重に依存する形になってしまった。 よくわからない。固有振動数から離れた周波数の応答波形は時間ステップを細かくすると 荷重に依存するのだろうか?片持ち梁に戻って確認する必要があるかもしれない。)

パルス荷重による減衰振動

パルス荷重を正か負のみにかけると減衰振動になることは分かっていたが、 その荷重による変位と自由振動の変位がかけ離れていることが分かった。 数mm変位させようと合計で48000[N]の荷重をかけているが、 その後急速に変位が小さくなったところから減衰振動した。

●一瞬の励振による自由振動では0を基準として限られた範囲で振動するが、 それ以上に周期荷重などを加えて強制的に振動(というより変位)させると、 基準からずれて振動してしまうため、グラフの形がおかしくなるのではないか? (赤4角・緑6角・青8角)

X
Z

ccccccccccここから↓の過去のモード解析(グラフ)のミスについてcccccccccc

入力した波形通りのグラフになっていたが、本来、変位が0となるべきところで、 正負に飛び抜けて変位していたグラフがあるが、 それはLibre office Calc からデータをコピーした際に、 4.147890E-15 とかが 4.147890 -15 とかになっていたからである。 そのため、異常に大きい変位が波形の途中で表れていた。 入力に使うcsvファイルを一度確認するようにする。

初期高さを変えて水平・鉛直方向を比較してみる

初期高さは高いほうが良いと過去の研究にあったので載荷点の拘束なしの 回転モードで比較した。水平方向には大きな影響は見られなかったが、 鉛直方向では変位が減少することがよく分かった。

Y
Z

蛇腹の上にソリッド要素を載せて解析(実際のイメージに近く上の自重も考慮)

載荷点に薄板を載せたinpに節点を追加してソリッド要素が載っている状態で解析したが、 グラフの形は変わらなかった。分割数を増やしてソリッド部分の図心に 荷重をかけても変わらなかった。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/sol4.inp

モード解析がうまくいかない原因は?

①最小時間ステップよりも前に荷重を入力すると解析結果が0になる場合がある
 結果を見る時間ステップを1.d-2にして最初に荷重をかける時間を1.d0とかにすると
 たとえ5.d0までと設定していても全ステップの変位が0になることがあった。
 モード解析では、一次固有モードをもとにステップごとの変位を重ね合わせで
 計算しているため、荷重の入力がない部分があると計算できず後のステップでも
 0になってしまうのではないか。

②時間ステップを変えることで振動していたグラフが負の一定値に収束する
 時間ステップを細かくしたら、負の一定値に収束するのは不自然だ。
 より細かく点をとったなら滑らかになるか、複雑な形になると思う。
 時間の刻みを細かくし過ぎると変形を計算できず、一定になっている可能性がある。

別の解析オプションを使って支承の応答解析をしてみる

時刻歴応答の結果(グラフ)がイメージと違うので、別のアプローチを試してみる。

P波とS波の同時入力MODAL DYNAMIC2Hzと3000Hzで入力したが変わらず…
→他にも複数の荷重を多方向+違う条件で試したが形は変わらず
周波数応答解析STEADY STATE DYNAMICS卓越したのは固有周期(3000Hz)付近だった…1~10Hzの範囲で卓越するかを確認したい
→ソリッド要素を載せて固有振動数が下がるか?下がったが形は変わらず。
直接積分法DYNAMIC解析途中でエラー
→陰解法・陽解法ともにエラーが…陰解法でモード解析と同様の結果になった

後藤ちゃちゃ11/12/3

P波とかS波という入力モードがあるんですか。 外力の向きを変えてるということですか。 滝田さんのS波入力のヒントになるかなと。

↑CLOADを追加してかけただけなので入力モードはありません。 グラフの形が変わるかと思いつきで試しただけで詳しくは調べていません。

高さ方向分割数を増やすと変位[減小]

高さ方向の分割数を10と20で比較したら、水平・鉛直ともに変位が小さくなった。 水平よりも鉛直に対して高さ分割の影響は大きいようだ。

X
Y
Z

(再)BEAM要素での載荷点拘束の解析結果について(SPRINGAでは不明)

追記:BEAMで拘束すると載荷点に分布させても節点変位が一定になった。 つまり、4点角載荷じゃなくても解析が可能となる。

BEAM32要素で載荷点を1周してヤング率を大幅に上げたら一段目を硬化したものと ほぼ同じ結果が得られた。一段目の要素を硬くした不自然な条件でなくても BEAM要素で拘束することで載荷点の変位は一定に出力できる。しかし、 グラフに関してはすべての方法で負の一定値に収束するので対策が必要。 (SPRINGAでは設定が分からず色々変えても「剛性増加なしの変位」に 近い値のばらつきが出た。)……下のサンプルはアルミ缶大のもの。

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/kousoku4.inp

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/kousoku6.inp

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/kousoku8.inp

Z

後藤ちゃちゃ(2011/11/30)

上端1段のシェル要素のみの剛性を極端に大きくするとうまくいくのだとすると、 その堅くした上段1段ぶんだけ高さを極端に小さくして、蛇腹の上に(シェル要素の)固い枠がのってるというモデルにしてはどうでしょう。 バネ要素も梁要素もダメなら、梁みたいに細いシェル要素をのせてはどうかと。 inpファイルの上端の高さの座標値を、viの置換機能で一括変換すればできるのでは。

時間ステップの刻みによるグラフの違い(蓋や薄板もグラフが硬化と同じに…)

蛇腹に蓋もしくは薄板を載せて解析したグラフは通常や要素硬化と 異なるグラフの形になると思っていたが、時間の刻みを前例の0.04secから0.004secにして 同じく4secまで解析したところ細かい方は負の一定値になってしまった。 したがって、蓋や薄板においても原因不明の動きが出ている…。

y

薄板+蛇腹の厚さによる時間--変位グラフの比較

厚さによる変位を比較したところ、厚さが1mm(もしくは2mm)では3mm以降に比べ 極端に変位が大きく出ることがわかった。 3mmと5mmでは大差はなく、厚さは3mm強ほどで良いようだ。

5mmにした場合に、荷重がなくなった後に負の一定値になってしまうものがあり、 全弾性なので原因不明…。また、各方向において厚さを1mmにして解析すると、 以前に挙げたエラーによって最終ステップまで結果が出力されない場合があり、 特に極端であったY方向のみ1mm→2mmとして解析した。

X
Y
Z

薄板+蛇腹のXYZ方向変位の比較

周4高10分割に薄板を載せたモデルでXYZ方向それぞれの変位を比較したところ、 鉛直方向の変位が最も小さく出た。水平方向は地震時に卓越するため、 変位が小さい方が望ましいが鉛直よりも大きく表れた。←剛性が維持されていれば、 すべり免震支承のように動いても減衰振動となるか?(実用化されている 機能分離型支障のゴムバッファによる減衰機能には遠く及ばない気がする…)

解析手法による時間--変位グラフの比較[蛇腹折り]

モード解析においてCLOADで載荷点の変位を一定にするためには、 周方向分割の角にあたる節点への載荷が有効だとわかったので、 解析手法を①通常→Normal(一定ではなく微妙に差が出る。最大変位を使用) ②一段目硬化→kouka③載荷点を含む蓋→huta④載荷点を含み十分大きな薄板→heiban としてXYZ方向それぞれについて 周期荷重(1点12000[N]×4=48000[N]_2[Hz]_2[sec])をかけて比較した。

XYZ方向すべてに関して、hutaもしくはheibanの方が荷重がなくなった後も 振動していて(※減衰の設定はしていないので2sec以降は定常波形になるはず)、 振動解析っぽいグラフになったが、負の範囲で振動している問題が解決していない… 周方向が6・8分割であってもおそらく同様の結果になると思う。 (※ccx2.3であっても4点載荷であればほぼ同じ解析結果だった)

X
Y
Z

DLOADによる解析について(片持ち梁)

DLOADを蛇腹に載せた薄板にかけることで鉛直方向変位は一定になって表れたが、 「片持ち梁」において精度が確認できていなかったので解析結果をまとめた。

C3D8ソリッド要素(X=0.01 Y=0.01 Z=0.2 [m] E=72[GPa] P=0.1[MPa])

分割数(X*Y*Z)理論値[mm]calculix[mm]相対誤差(%)
2*2*103.3331.284761.46
4*4*503.3333.09207.23
8*8*100おそらく3%以下で一致する

全要素をEallなど一律でセットしている状態で、DLOADでEallの面を指定してしまうと 分割したすべての要素の面に荷重をかけてしまう。 構造力学における等分布荷重の問題は梁上面に載荷しているため、 上面を含む要素のセットに対してDLOADを載荷しなければならない。 inpファイルを書き換えて解析すると表の結果となった。

一次要素(C3D8)の場合、ロッキングにより剛性が高く評価され易いため、 理論値よりも変位が小さくなる。要素分割数を十分に増やすことで、 理論値に近づけることが可能だが、より少ない要素数で高精度を得たければ、 二次要素(C3D20)を用いた方が良い。二次要素であれば、 断面2×2・軸10であってもほぼ理論値と一致する。(テトラ要素でどうなるかは不明)

ロッキングについて[株式会社アライドエンジニアリング] (http://www.alde.co.jp/advc/memo/locking/index.html)

S6およびS8シェル要素(X=0.02 Y=0.001 Z=0.1 [m] E=72[GPa] ρ=2700[kg/m^3])

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/s8.inp

S6・S8要素はともに二次要素だが解析結果には大きな違いが出た。 (※DLOADでは自重以外は弱軸方向にしか載荷できない)

ELEMENT分割数(X*Z)荷重[MPa]理論値[mm]calculix[mm]相対誤差(%)
S610*100.0012.083320.079099~0.075931論外
S82*50.0012.083321.851011.15
S82*5自重[強軸]1.37813e-41.4097e-42.29
S82*5自重[弱軸]5.5125e-24.8978e-211.15

S6の場合、自重による変位であっても理論値の1/10ほどの変位だったため、 表には載せていない。S6要素で解析した結果、ロッキングにしては変位が大きく減り、 理論値より大幅に小さくなった。S8では分割数が少なくても、 許容範囲の変位が出ていて、自重による変位では強軸方向の誤差はわずかだった。

したがって、DLOADでの解析には四角形二次要素が適していることが分かった。 S6のような三角形二次要素だとロッキングに似た剛性の過大評価が生じている 可能性があり、変位結果も自由端節点で一定でなく角から角へ減少(増大)しているため 偏心しているのかもしれない。

ABAQUS student editionで解析できるか?(蛇腹折り)

ccxで使用していたinpファイルをABAQUSにインポートすることで モデル化することは可能だったが、解析については不明。 (モデルが複雑すぎるのか読み込みが続いて操作不能)

inpファイルは頭が[*HEADING]で始まる以外はほぼ同じ状態で使用可能。 要素の名称が異なるため、使用する前に調べたほうが良い。(S6→STRI65/S8→S8R ?)

(余談)S8にRをつけると低減積分要素になり、荷重の分布がおかしくなったりするため、 普通に解析する場合には用いず、用いる場合にはそれなりの工夫が必要らしい。 しかし、ABAQUSの三角形二次要素はSTRI65しかない模様…

XYZ方向それぞれに対して一定の変位を出力するために

周方向4分割であれば、inpファイル上で新たに節点を追加して、 薄板を載せることは容易だが、開口部の形が複雑になる6・8分割になると、 載荷点をすべて含むように薄板を載せるのにかなりの時間がかかってしまう。 →salomeでできるか?

変位に違いはあるが、載荷点を含む要素を硬化した状態で、 各周方向分割の角にCLOADで載荷することで、XYZ方向それぞれに対して、 一定の変位を出力することが可能となった。周方向で比較したい場合には、 こちらの方法が分割数などのモデルを変更した場合にも、 すぐに解析可能であるので良いかもしれない。また、ccx2.3でも一定となるため 「解析結果として」は正しく出力できる。 (蓋や薄板載荷はccx2.3ではエラーで1ステップのみ)

※「硬化していないただの蛇腹折り構造」に4点載荷した場合は完全に一定ではないが、 ある程度一定の値が出力できる。(最大で1の差[乗数に関係なく])

Calculix2.3による解析結果について(片持ち梁)

片持ち梁においてソリッド要素・シェル要素ともに[*CLOAD・*DLOAD]に関係なく、 たわみの解析結果はccx1.7と変わらなかった。

固有値解析の結果も同様で[*FREQUENCY]による結果に違いは見られなかった。

モード解析の結果は以下のグラフのようになり、 1.7に比べ2.3の方がグラフが粗くなった。Y方向に載荷し、 X_Y_Z方向変位を順に1:2_1:3_1:4のグラフに表しているが、 datファイルでの値も微妙に違いグラフの形も変わった。

1.7
2.3

Calculix2.3による解析結果について(蛇腹折り)

薄板を載せた蛇腹折りモード解析でエラーが表示され、変位が全て0となった。
*WARNING: 1-D or 2-D elements may cause problems in modal dynamic calculations
           ensure that point loads defined in a *MODAL DYNAMIC step
           and applied to nodes belonging to 1-D or 2-D elements have been
           applied to the same nodes in the preceding FREQUENCY step with
           magnitude zero; look at example shellf.inp for a guideline.
Composing the dynamic response from the eigenmodes
*WARNING in noelfiles: parameter not recognized:
          POSITION=AVERAGEDATNODES
*WARNING in the input deck. Card image:
          *ELFILE,POSITION=AVERAGEDATNODES

固有値解析の結果は同じだったが、モード解析の結果で違いが出た。 載荷点を含む要素を硬化したものでは、X方向変位が一定であったのがバラバラになり、 完全に固定しているはずのZ・Y方向の変位が0でない点がいくつか表れた。 変位もX方向の最大変位に近いため解析結果がおかしい。

→載荷点を含む要素を硬化して、4点に載荷したものはccx2.3であっても 一定の変位が出力できた。薄板の場合も恐らく同様の結果となる可能性が高い。

載荷点を含み十分に大きい薄板を載荷して角4点に載荷する

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/heiban4.inp

開口部中心から載荷点までの各平面座標(X,Y)を2倍して載荷点を含みかつ開口部を はみ出すように薄板を載荷して解析したが、板の角4点に載荷しても載荷点の変位は 一定にならなかった。また、板の中心と角4点に載荷してもバラバラだった。なお、 蓋をした場合と同じく載荷点の角4点に載荷した場合は一定となった。 水平方向に関しても載荷点の角4点載荷以外では変位が一定にはならなかった。

薄板(ヤング率大)で蓋をして載荷する方法[CLOAD]を変えて比較する

http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/huta4.inp

①角4点に載荷→水平・鉛直方向ともに完全に一定の値を出力できた。 気になることは、③のように硬化要素に水平方向の荷重をかけた場合と比べて ①の方が変位が小さくなること。

②載荷点を除いて薄板の節点だけに載荷 →全く一定にならず、正負にバラバラに変位した。

③載荷点を含む要素を硬化して、一段目と二段目の境目に載荷 →境目に分布させた場合はバラバラだったが、 境目の中心1点にかけた場合は、大まかにだが一定の値が得られた。

よって、薄板を載せた状態で4点載荷をすれば、 XYZ方向全ての変位がモード解析で一定となる。

蛇腹折りの載荷点を含むように薄板を載せて解析してみる

cgxで要素番号と節点番号を出力して載荷点の番号を確認。
表示する方法は以下の通り
          cgx_1.7 ***.frd  または  cgx_1.7 -c ***.inp
          (※cgxのウィンドウが手前に表示された状態で)
         plot ea all
          plus na all
載荷点を通るような薄板要素をinpファイルを書き換えることで加え、解析する。

①まず最も簡単に薄板をつくる。 周方向4分割・高さ10分割の蛇腹折りの載荷点の4つの角にあたる点を指定して、 S8要素で薄板を作ったが、モード解析の途中でエラーが表示され解析できなかった。 薄板要素は極端に小さくないはずだがエラーが出た。

*INFO in gen3dnor: in some  nodes opposite normals are defined  
*ERROR in gen3dnor: size of estimated shell normal is smaller than 1.e-10
②S6要素を2つ組み合わせて薄板をつくるために載荷点を含む4辺の中点を確認。 開口部中心に新たに点を設定し、3点を共有したS6要素を作ったが、 ①と同様のエラーが出た。

③載荷点を全て含むようにS8要素で薄板を載せて解析したところ、 解析可能だったがモード解析で別のエラーが表示された。このため、 変位は1ステップしか確認できなかったが、その値はDLOADをかけた状態で 完全に一定となった。「CLOADで37点(載荷点24+追加13)に分布」させても 一定とはならなかったため、「薄板+DLOAD」は鉛直方向のみで有効であることを確認。 問題は荷重の設定と変位の理論値が片持ち梁で一致していないため、 「どれだけの荷重に対してその変位が出ているか不明確」であること。 (なお、薄板の全節点に対して水平方向にCLOADをかけた場合、 変位がバラバラに表示された。)

*WARNING in subspace: ddeabm did not converge properly
idid=  -4
switch to routine ddebdf
*ERROR in subspace: ddebdf did not converge properly
idid=  -1

*ERROR 以下は出ない場合もあり、その場合は全ステップ解析結果が出力できた。
DLOADの場合にエラー以下が出ることを確認。

荷重をDLOADにしてモード解析してみる

片持ち梁…自由端の硬化した要素に*DLOADで荷重をかけたところ、 自由端節点の変位がほぼ一定になった。振動が正や負のみの範囲で起こることもあり、 蛇腹の解析と同じく周期や荷重の載荷方法で変わるが、固有振動を示し、共振も 確認できる。なお、DLOADでは要素の面に対して荷重をかける設定しかできないため、 シェル要素片持ち梁の強軸方向や蛇腹の水平方向に一様に載荷することができない。
問題点
①片持ち梁だと変位に偏り(自由端での傾き)が生じてしまう。
要素が三角形であり、圧力が若干偏っていることが原因だと思われる。

②圧力(鉛直方向にかけているにも関わらず、水平方向の変位が
鉛直の1/10か1/100と大きく出ることがあり、モデルの寸法と要素分割数によって
変わることがわかる。

解決策
①変位の傾きは自由端における三角形要素の底辺部分が片側に分布しているために
生じると考えられ、梁をなるべく細長くすることで傾きを軽減できた。

②水平方向の変位が大きく出るのは、細長くするほど影響が大きくなるようだが、
幅と長さの比を1:10ほどにすると概ね解決した。
蛇腹折り…板を載せていないが、載荷点を含む硬化要素に載荷したところ、 鉛直方向において変位が一定となった。水平方向に関してはバラバラだったため、 今のところ鉛直方向に関してのみ有効だと思われる。

etc…DLOADにするとCLOADと同じ荷重をかけても変位が$10^{-3}$ほど小さく出た。 要素に対する圧力になるため、集中荷重よりも小さくなるが、たわみの理論値と 比較しても計算が一致しないため、荷重の設定を見直して精度を確認する必要がある。

塑性変形の可能性について…変位がパルス荷重の載荷方法が正のみであっても、 二度に分けてかけた時に、荷重がなくなった後の変位が負で一定となってしまった。 一度目の荷重によって固有振動し始めるところに新たに荷重が加わったことにより、 塑性変形が生じたことが原因かもしれない。←塑性はそもそも入っていないため、 別の要因がある。

DLOADについて(calculix1.7 マニュアルより必要な範囲の訳 + etc)

このオプションでは分布荷重を設定できる。分布荷重には、要素の面における 等圧荷重と質量荷重(単位質量当りの荷重)を含み、重力や遠心力なども含む。 面荷重のかかる要素の面は、以下のように番号付けされる。 (節点番号の付け方はセクション3.1参照)
6面体要素→面1:1234 面2:5876 面3:1562 面4:2673 面5:3784 面6:4851
4面体要素→面1:123  面2:142  面3:243  面4:341
くさび型要素→面1:123  面2:456  面3:1254  面4:2365  面5:3146
四角形平面の応力、平面ひずみと線対称要素→面1:12  面2:23  面3:34  面4:41
三角形平面の応力、平面ひずみと線対称要素→面1:12  面2:23  面3:31
梁要素→面1:1の(垂線)方向における圧力  面2:2の(垂線)方向における圧力
★シェル要素の場合、載荷方法(そのシェルに対する垂線方向の圧力)が ただひとつなので面の番号付けは必要ない。

面荷重は分布荷重の種類ラベル$P_{x}$(xは面の番号)を用いて、 一様な圧力として入力される。よって、圧力荷重では荷重の大きさは正であり、 張力荷重では負である。一様でない圧力の場合は$P_{x}NU_{y}$のラベルを使用し、 ユーザーのサブルーチンdload.fが必要となる。ラベルは最大20文字まで設定できる。 この時、yは異なる一様でない荷重パターンの判別に使用される(最大16文字)。 一様でない荷重の代表的な例は静水圧である。(訳が下手)

etc…シェル要素では荷重方向が要素に対する垂直方向のみに限られるため、 片持ち梁の強軸方向や蛇腹の水平方向(鉛直方向も正しくはならない)に 載荷することができない。 プログラム上の設定は目次より[Calculixで新たに使用したオプション]参照

片持ち梁・蛇腹折り構造に対するモード解析(途中結果の整理)

◆片持ち梁①自由端中点のみに載荷で解析可(端の硬化は強軸・弱軸ともに無効)
②周期・パルスに関係なく固有周期で振動(卓越周期[1Hz]では変位が若干負に傾いた)
問題1:分布荷重に対する出力変位が一定にならない原因を調べる必要がある
◆蛇腹折り①載荷点を含む要素の硬化→水平方向は概ね一定の変位(鉛直方向は失敗)
②パルスでは固有振動するが、正負を含むと安定せず(正や負のみの範囲で振動する)
問題1:卓越周期の荷重に対して固有周期で解析結果を出す必要がある
問題2:鉛直方向および回転に対する解析ができるか試す必要がある
課題:鉛直方向に関しては薄板を自由端開口部に載せる必要性が高い

◆エラー:荷重の設定と解析する時間間隔(ステップ数)によるのか、 周4分割のモデルを高さ分割を10→20にしたところ、 モード解析でセグメンテーション違反が出るようになった。 ただ荷重やステップによっては解析可能となることもあったが、 効率が悪いのでセグメンテーション違反にならない分割数で解析を進める。

→要素分割数が多いとエラー(セグメンテーション違反)が出やすくなるが、 周方向を10分割以上にすると、高さ10分割のモード解析において、 別のエラー(FREQUENCYの段階で *ERROR in u_calloc: error allocating memory →カロック関数におけるメモリ分配のエラー?容量の不足?)が生じることが わかっている。高さ方向を20分割にすると解消されることから、 周方向とのバランスが重要だと思われる。

解析可となる例周方向分割高さ方向分割エラー確認範囲
410高さ2(モデルが正しく作れていない←cgx_1.7 -c ***.inpで確認)
610
812高さ10(セグメンテーション違反)
1016高さ10~14(セグメンテーション違反)

☆ 問題点② 蛇腹折り構造ではモード解析が正しくできるか?

パターン変更する点結果
1アルミ缶程度にして解析×前回までと同様の結果
2分割数をできるだけ減らして解析×高さ方向分割が少なすぎるとモード解析でエラー
3一点載荷もしくは三点載荷△自由端変位が概ね一定となる
4載荷点のヤング率を増大させる○数点を除いて変位が一定となる
5載荷点の上にヤング率の大きい板を乗せて解析?↑4で代用

<datファイルで確認したいこと…載荷点の変位がすべて同じ値となる>

[方策1]:蛇腹折りに関しても片持ち梁と同様に、一点載荷が自由端変位を 一定にするのにある程度有効だった(蛇腹の場合には三点載荷でも可だった)。 [グラフ①から③は三点載荷で最大変位を示した節点について]

[方策2]:載荷点のヤング率を$10^6$して解析してみる。

周方向4分割・高さ方向10分割のモデルに対して分布荷重で解析したところ、 載荷点24点のうち5点を除く節点の変位がすべて同じ値となった。 載荷点を少なくする方法に比べ、節点の変位が(5点を除き)完全に一致しているので、 有効だと思われる。 問題の5点は変位が他と比べて極小なので、節に当たると思われる。

→XおよびY方向(水平)では一定の変位が確認できたが、 Z方向(鉛直)では節点によってばらつきが出た。 変形しやすい面ができてしまうため、鉛直方向に対して解析する場合は、 変形しない板を上に載せて荷重をかける必要があると思われる。

<グラフで確認したいこと…以下>

1固有周期で振動するか?→パルスでは成功。周期では荷重の振動数になる。
2変位が異常に大きくならないか?→周期およびパルスでマイナスを含むと失敗。 
3減衰・共振が確認できるか?→パルスで減衰振動・共振を確認。
4荷重がなくなっても振動するか?→パルスで成功。周期では0か負の一定値をとる。

①パルスを加え、30%の減衰にして解析したところ、片持ち梁の時と同じく、 固有周期で減衰振動した。[固有振動数:約2800[Hz] 振動周期:約0.00036[sec]]

100[N]5.d-5[sec]

②周期荷重の正・負のみを含むように周期荷重を載荷した結果綺麗なsin波形となった。 しかし、荷重がなくなったあとは振動していないことがわかる。

100[N]1Hz0.5sec

③負方向のみでパルスをかけてみたが、①と同じくただの減衰振動を示した。 周期荷重でも負に変位が大きく出たことから、蛇腹構造のバネ性能が、 モード解析において負の変位の増幅となって表れる可能性が高いのかもしれない。

10[N]5.d-5[sec]

④条件が変わったので(載荷点のヤング率増大)、 もう一度周期荷重をかけて解析してみたが、前回の結果と同じだったため、 周期荷重での解析は正しくできない可能性が高い。

10[N]2Hz2sec

パルスでの荷重定義を変えて解析してみる。
plus_minus → ⑤
onetempo → ⑥

⑤パルスで正負を含むようにかけると負の範囲で減衰振動していた。 正負を含む荷重がゼロでつながっている場合に、 蛇腹構造のバネ性能の影響で負の変位が増大すると考えて⑦の方法で解析した。

10[N](正1→負1)

⑥正にかけた後、ワンテンポ遅れて負に同じ大きさと時間のパルスをかけて、 応答の違いを確認した。時間を開けた場合、減衰があってもなくても (↓のグラフは減衰あり)正負の変位が等しい減衰振動を示した。

時間ごとの荷重の定義
10[N](正1→ゼロ→負1)

⑦固有振動数3000[Hz]に対して、共振する周期荷重をかけてみる。 今まで2[Hz]など地震に近い周期をかけていたが、あまり良い結果が得られなかったので、 共振するかを確認する。→共振してなおかつ荷重がなくなってからも減衰振動した。

10[N]3000[Hz]3.33d-3(100周期)

⑧振動数を変えて、どこまで固有振動するかを確認する。 100[Hz]を1周期掛けたところ、周期は荷重に依存し、 負に大きく変位することはなかったが、 荷重がなくなって以降は固有振動とはいえ負の範囲で減衰振動した。

10[N]100[Hz]0.01[sec]

⑨ ⑤で正負を含むパルスをかけた場合に変位が負に傾くと示したが、 周方向・高さ方向分割を変更したモデルで解析した結果、 0を中心とした減衰振動となった。 しかし、別のモデルでは正の範囲で減衰振動したことからモデルや荷重によって変わる。

10[N]1.d-5

☆ 問題点① シェル要素でモード解析が正しくできるか?

「シェル要素による薄板(XZ断面)の強軸、弱軸方向のたわみ比較」として 上に挙げたモデルを用いて、モード解析をしてみる。

◆改善点:自由端の各節点に載荷すると自由端の節点ごとに変位が大きく異なったが、 自由端中心の一点に載荷すると(静的なたわみ解析結果と同じく)変位が ほぼ一定になった。→他のパラメータで解析しても同様になった。 シェル要素のモード解析では数点載荷が有効だと思われる。

片持ち梁の場合、周期荷重・パルス荷重に関係なく振動解析できていることがわかった。 振動も固有周期で出ているため、問題はないが、共振や減衰がソリッド要素に比べ、 はっきりと確認できていないためそれを確認したい。 以下のグラフで65Hzを0.4秒かけたものが最も大きく変位していることがわかるので、 共振していると言える。 減衰は蛇腹で確認できたので省略する。(周期=65[Hz],荷重は1[N])

1Hz4sec
65Hz0.4sec
減衰なしパルス

◆片持ち梁の自由端の節点を含む要素のヤング率を、 1000倍して分布荷重で載荷してみたが、変位は自由端の節点ごとに大きく異なったため、 蛇腹構造の載荷点に対しても同様の結果が出ることが予想される。 →蛇腹ではかなり有効となった。

片持ち梁(シェル要素)に対するモード解析結果を以下にまとめた。

載荷方法荷重その他の変更点自由端節点の変位
分布パルスor周期バラバラ
一点載荷パルスor周期一定
分布周期(プラスのみ)バラバラ
一点載荷周期(プラスのみ)一定
分布パルスor周期自由端ヤング率を1000倍バラバラ
一点載荷パルスor周期自由端ヤング率を1000倍一定

以上からシェル要素に対してモード解析を行った場合に、 載荷点(自由端)の変位が一定となるような結果を出すためには、 分布荷重ではなく、一点(片持ち梁の場合)載荷など載荷点を少なくする必要が あることがわかった。その理由として考えられるのは、 静的な解析におけるたわみの式とは異なり、時間ステップごとに固有振動モードの 重ね合わせで変位を求めているため、要素ごとに固有振動モードと荷重による変位を 計算しているからではないかと思われる。 (1要素に対して3点載荷されているため、要素ひとつずつが一次モードで変形している?) 一点載荷にした場合には、荷重が真ん中の一点のみにかかっているため、 モード解析をするために荷重がかかっていない要素も含めて、 自由端を1要素群とみなして解析されているため、 静解析と同じく変位が一定となって出るのではないか?

蛇腹折り構造のモード解析

地震波の入力(大きさ)は加速度(gal)や速度(kine)によるものが多く、 単純に荷重で入力する方法が見つからなかったので、 卓越周期(過去の例を元に大きく揺れた地震の周期)を参考にして、 周期荷重をかけてみる。卓越周期は0.5 ~ 2.0[Hz]に多いことが分かったので、 0.5 1.0 1.5 2.0 [Hz]のcsvファイルを作成。 変位は鉛直に比べて水平方向が圧倒的に大きいので、水平をメインとして解析する。

◆ステンレス材料で行い、厚さは 5 3 1 ミリで試す。 周方向分割数を4・6・8…(できれば円柱近似も行う)と変えてみて、鉛直・水平荷重に 対する応答を見てみる。荷重は変位が思ったより小さいので、1MNとした。

→①厚さ1 3 5ミリで4・6分割は解析できたが、8分割以上でエラーが生じて、 モード解析ができなくなった。固有振動数までは解析されているので、

MODAL DYNAMICのどこかが原因か?

(*ERROR reading the eigen value file...)とにかく色々試して解決策を探す。

→②高さの分割を10から16に変えたところで解析できた。 周方向分割数と折りたたみ段毎の高さの関係が原因かもしれない。 しかし、円柱近似にしようとすると別のエラーが表示された。 16分割に固定して周方向4・6・8分割に対して鉛直・水平の荷重をかけて解析してみる。

↑周方向による水平方向変位の違いをグラフにしたが、 周期荷重をかけているにも関わらず、荷重がなくなったところで振動せず、 一定の値を示すようになってしまった。 他の周期やステップでも試したが同様になったため改善する必要がある。

↑荷重をかけ続けてみたが、 sin波で振動するはずが途中で明らかに大きい値が生じていた。

↑①のグラフは周期荷重を2Hzに変えて2秒かけてみたが、やはり0になるところで 変位が大きく出たので0に近い値に調整したところ②のようになった。

↑軸方向に鉛直荷重をかけてみたが、結局水平荷重と同様に減衰振動せず、 0になるところで変位が大きくなっていた。他の節点でも試したが、 同様の結果になったので境界条件などを詳しく見直してみる。 なお、円柱近似も試したが、結果は同じようなグラフとなった。

[問題]0となるところで変位が非常に大きくでる(主にマイナス変位)
減衰の設定を各構造ごとに変え20%に統一しているにも関わらず定常波になっている
荷重がなくなったところで変位が一定の負の値になってしまい、減衰振動しない
荷重の周期で値が出ているので振動していない可能性が高い?

ステンレス材料について調べる

SUS304最も一般的に使用197[GPa]比重=8
SUS301板バネ用(Cが多い)186[GPa]比重=

特徴
耐食性・耐熱性が強い
熱伝導性が低い(鉄の1/5ほど)
通電性が非常に低い
加工によって金属の組成が劣化し、弱い磁性を持つ
塩素や酸の強い環境では腐食する
溶接の熱影響を受けた部分で腐食割れを起こす可能性がある
加工硬化が大きいが伸びが大きいため複雑な加工もできる
ほぼ100%リサイクル可能な材料であり、再資源化しやすい

周方向分割数と厚さを変えて解析結果を比較してみる(アルミの場合)

●orita4ziku.fとble6ccx.fに[*FREQUENCY]を組み込み、固有振動数の結果を見る ▼周方向分割数が8の場合
厚さ[mm]n次mode振動数[Hz]厚さ[mm]mode振動数[Hz]厚さ[mm]mode振動数[Hz]
31164621125611800
228182237621711
328303237631711
428304256242290
530565274152384
640336337862385
740337337872426
848698372182426
951219429293341
105373104555103543

▼周方向分割数が6の場合

厚さ[mm]n次mode振動数[Hz]厚さ[mm]mode振動数[Hz]厚さ[mm]mode振動数[Hz]
31146221111611734
227362231221715
327363231231715
432254296242182
532255296252499
638566325562499
738567325572682
843008329482682
954519465493460
105451104654103460

▼周方向分割数が4の場合

厚さ[mm]n次mode振動数[Hz]厚さ[mm]mode振動数[Hz]厚さ[mm]mode振動数[Hz]
3112672198111694
225852220721746
326973229731764
435964286642035
536715319452779
636746331962793
736907334272980
842838413683224
949339421793299
105047104387103399

※片持ち梁の時と同じく、厚さが薄く周方向分割数が少ないほど(変形しやすいほど)、 振動数は小さくなる傾向があることが確認できた。

振動モード(形態)をcgxのアニメーションで確認してみる

自由度が多いためか振動が複雑になっていて判別しづらいが、 曲げモードや圧縮・引張モードが出ていると思われる。

●載荷点の鉛直方向以外の変位を固定した場合 一次モードの振動は決まって鉛直荷重をかけた時のようなバネ振動だった。 二次モード以降は4・6分割は同じだったが、8分割は異なる振動をした。 分割数によっては起こりやすい振動が変わることがわかった。

→載荷点の固定条件をなくしたら、一次モードの振動が曲げモードになった。 また、一次以降のモードではねじれモードも確認できた。 実際の支承は積層ゴム支承と同じく、鉛直、水平変位だけでなく、 回転変位も含まれるので、モード解析では、載荷点の固定条件をなくして 解析を行う方が良いと思われる。

→周方向8分割以上で厚さが5ミリのときに、一次モードの振動が曲げではなく、 開口部の変形(X・Y方向の変形)に変わってしまった。 [*MODAL DYNAMIC]で解析したいモードの指定ができないので(マニュアルになかった)、 8分割の5ミリは解析結果が別物になってしまう。 モード指定が本当にできないのか試す必要がある。

☆今後の課題

片持ち梁モード解析inpファイル(諸量は↓の「理論値との比較参照」) http://www.str.ce.akita-u.ac.jp/~gotouhan/sudo/sample_file/sol.inp

●振動現象における加速度、速度などの出力は可能か? 構造物にとって共振だけでなく、 振動そのものの速度や加速度も重要であるため出力できるか試してみたい。 → マニュアルを見たが、*NODE PRINT で変位を *print"U" で 出力するようにはできなかった。(速度だったら"V"のようなコマンドがない)

※過渡応答の変位がどれくらい正しいのか調べる必要があるので、 本などの1自由度系の例題をccxで解いて同じような結果が求められるか?

→株式会社アライドエンジニアリングの解析例を参考に解析して、 ほぼ同じグラフとなった。 (http://www.alde.co.jp/advc/examples/modaldynamicresponse/index.html)

 縦軸:変位[m] 横軸:時間[sec]

4~5%ほど誤差が出たのは以下が原因だと思われる。

①例題は円形断面だが矩形で解析したこと
②分割数に限界がある(細かすぎると時間がかかりすぎてフリーズした)

これで過渡応答の解析の精度がソリッド要素において確かなことを確認。

☆減衰の設定について(ccxマニュアル参照)

減衰マトリックスM=質量マトリックス K=剛性マトリックス
減衰定数$ω_{j}=固有角振動数$

ccxでは減衰の設定をマトリックスの係数でしていて、 臨界減衰(ζ=1)に対して何%の減衰としたいかは、一次モードの固有角振動数[rad/sec]を 計算してからでないと狙ってできないと思われる。 (おそらく*MODAL DYNAMIC では一次モードでの過渡応答が解析されるため、 一次モードに対して減衰の設定を変えれば任意の減衰を設定できるはずである。)

βの値を0.0002~2に渡って変えると↓のようなグラフになる。 βの設定値が大きいほど表の式より減衰定数ζが大きくなり、減衰が効いてくる。

0.002sec pulse10[N]f=65Hz

過減衰(ζ≧1)でない場合、ω=406[Hz]・α=0・β=2.0d-4 だと ζ=0.04 となり、 臨界減衰1に対して約25%減衰となるが、 必ずしも0.04×25=1だから25%減衰というように分かりやすい結果にはならないので、 一次固有振動数とグラフの値を確認して何%減衰か設定する必要がある。

一方、αの値を100・500・1000と変えると↓のようなグラフになり、 βと同様に設定値が大きいほど減衰が効く。

0.002sec pulse10[N]f=65Hz

◆その他気づいたこと

[*MODAL DYNAMIC]でモード解析を行う場合、前の[*STEP]で[*FREQUENCY]が必要だが、 このとき求める固有値のモード数によって変位応答の結果が変わった。 これはモード解析が、 2次モード以降を振動モードの重ねあわせによって解析しているからで、 使用するモード数が多いほどより精度の高い解析ができると思われる。

モード解析(時刻歴応答・過渡応答)  [ソリッド要素]

beamdy1~6.inpファイルを参考にモード解析による解析をした結果、 固有振動数は前回の課題から断面と要素分割数を変えることで誤差1%未満に収まった。 時間による振動変位のグラフをプロットしたが、きれいなsin波形ではなく 鋭角な山谷グラフとなった。ステップ数、間隔が粗いためだと思われる。

平板要素でも試したが固有振動数の誤差が大きく、 時刻歴応答の固有周期に影響すると思われるのでソリッド要素で継続する。

訂正…値が+−に出たのは、減衰の設定によるものではなく、 解析する時間間隔を大きくしたからだった。 前回は細かすぎたため値が無限に大きくなっているように見えていた。[山の部分] 一次固有振動数からおおまかな時間間隔を予想して設定する必要がある。

●減衰の設定を変え、最終的な計算時間を伸ばし、間隔を細かくとったところ、 時間-変位グラフ[縦軸:m 横軸:sec]は綺麗なsin波形となり、 振幅は最終的に0になった(減衰振動)。 振動周期は一次固有振動数の逆数にほぼ等しくなった。

[1/65 = 0.015 sec] ※荷重はY(高さ)方向にかけている(幅:X=b 高さ:Y=h 軸長:Z= $\ell$)

10[N]

減衰定数は1を超えることはなく、超えた場合は振動しない。 減衰定数が1に近いほど効果は大きく、より振動変位が減小しやすくなる。(約25%減衰)

●共振現象を確認できるか試してみる。

 ※共振を確認するには、周期的な時間-荷重曲線[sin波]を
別のファイルに作って読み込ませる必要がある。したがって、 固有振動の周期に近い時間-荷重曲線の値を表計算を利用してcsvファイルに書き込む。

①共振すると思われるデータを作成し、荷重の大きさを半分にして計算した結果、 減衰があるにも関わらず変位は前回結果よりも大幅に増大していた。

5[N]65[Hz]

②共振しない時間-荷重曲線のデータも作成し、共振との違いを確認。 明らかに共振していない結果となった。

5[N]25[Hz]

③二次モードの固有振動数に近い時間-荷重曲線ではどうなるか試してみる。 共振はしていないが、25[Hz]よりも振幅の変化が大きく出た。 固有振動が問題なのではなく、単純に振動数が増えたことにより、 振動が激しくなったと思われる。また、二次固有振動数で共振しなかったことから、 ccxによる過渡応答は一次モードで解析されることが分かる。

5[N]405[Hz]

④定常波を表示できるか試してみる。 減衰設定をなくし、荷重をインパルス荷重にすることで確認できると思われる。 時間間隔のためかグラフが若干粗いが、振幅の極値はほとんど変わらず、 定常波の形になっている。

5[N]

☆理論値との比較

材料ヤング率[GPa]ポアソン比密度[$kg/m^3$]断面[m]X:幅bY:高さhZ:軸長 $\ell$
アルミ700.3328000.020.020.5

(ソリッド要素での要素分割数は X:4 Y:20 Z:150) ※ 正方形断面なのでX・Y方向曲げ固有振動数の区別は省略する。

●使用式

曲げ[λ=1.875 4.694 7.855 …]
ねじれ$I_{P} = \frac{1}{12} (bh^3+b^3h)$[λ=$\frac{\pi}{2}$ $\frac{3\pi}{2}$ $\frac{5\pi}{2}$ …]
伸縮[λ=$\frac{\pi}{2}$ $\frac{3\pi}{2}$ $\frac{5\pi}{2}$ …]

※ねじれ式のGはせん断弾性係数でアルミの場合 26[$kN/mm^2$]

振動モード理論値[Hz]解析結果[Hz]誤差[%]
一次曲げ64.6165.160.85
一次ねじれ1383.811427.483.16
一次伸縮2500.002504.340.17
二次曲げ404.93405.340.10
二次ねじれ4151.444282.673.16
二次伸縮7500.007511.330.15
三次曲げ1133.921121.831.07
三次ねじれ6919.077138.543.17
三次伸縮12500.0012513.270.11

ねじれ振動が最も変形が複雑となるので、 誤差は曲げ・伸縮に比べ大きく出たと考えられる。 また、正方形断面でない場合、 荷重の影響を大きく受ける弱軸方向曲げの誤差が増すことが予想される。

☆[*FREQUENCY]で確認できる振動モードについて

●[*FREQUENCY]を用いて、 固有値解析を行うと以下のように結果が表示されることが分かった。

(cgxのデータセットでn次モードの固有振動数を指定し、アニメーションで確認)

※順番は構造によって異なり、振動数の低いモードから順に表示される。

モードが大きくなるにつれて誤差は大きくなる傾向が見られ、 要素数によってはモード数の大きい複雑な変形の解析結果は信用できない可能性が高い。

モードNo振動モードモードNo振動モードモードNo振動モード
1Y方向一次曲げ11Y方向五次曲げ21X方向八次曲げ
2X方向一次曲げ12X方向五次曲げ22四次ねじれ
3Y方向二次曲げ13二次ねじれ23Y方向九次曲げ
4X方向二次曲げ14Y方向六次曲げ24X方向九次曲げ
5Y方向三次曲げ15X方向六次曲げ25三次伸縮
6X方向三次曲げ16Y方向七次曲げ26五次ねじれ
7一次ねじれ17X方向七次曲げ以下略
8Y方向四次曲げ18三次ねじれ
9X方向四次曲げ19二次伸縮
10一次伸縮20Y方向八次曲げ

固有振動数の解析結果について

beam8f.inp beamf.inp を参考にFREQUENCYを用いてシェル要素で解析した結果、 理論値との誤差は8%程度になった。断面の寸法によって誤差はバラバラだった。 (固有振動数の式では幅が関係なくなるのに対し、ccxでは値に影響があった) 曲がりやすいほど振動数は小さく、曲がりにくいほど大きくなる傾向があった。

ソリッド要素で3%になることを確認。結果の振動数はMODE NO 1,2 が、 ほぼ同じ値であったため、曲げモードは1次につき2つずつ出力されると思われる。 よって、2次はMODE NO 3,4 、3次はMODE NO 5,6 と比較すると、 それぞれ誤差は1%未満となった。→2つずつ出力されたのは、 Y方向とX方向の曲げ固有振動数を表示しているためで、 正方形断面だったからほぼ同じ値だった。

シェル要素による薄板(XZ断面)の強軸、弱軸方向のたわみ比較

材料:アルミヤング率:70GPaポアソン比:0.33荷重:10N
断面(m)幅(x):0.04板厚(y):0.004長さ(z):1.00要素分割X方向:20Z方向:20
弱軸(Y方向)に載荷 : 理論値 = 223.21(mm) 解析値 = 196.05(mm)誤差 12.17%
強軸(X方向)に載荷 : 理論値 = 2.2321(mm) 解析値 = 2.2270(mm)誤差 0.23%

アルミ片持ち梁のXYZ方向の要素分割によるたわみ値グラフ(横軸:分割数 縦軸:たわみ[m]

Z(再計算:X2Y6Z475)理論値 7.2464(mm)再計算収束値 7.1544(mm)

プログラム先頭のdimensionの上限を増すことでより要素分割数を増やし、 理論値に近づくことを確認 X6 Y10 Z700 のとき収束値 7.2067(mm) Z方向の要素数が値に大きく影響しているが、 X2 Y2 Z1000 よりも X2 Y6 Z475 の方が理論値に近くなった。 また、X2 Y10 Z300 よりも X2 Y6 Z475 の方が理論値に近かったことから、 Y方向とZ方向の要素数のバランスが重要だと思われる。

卒論日誌

日付曜日開始〜終了作業時間(h)立合作業内容
4/25月曜16:00~18:002.00江村vi編集
4/28木曜14:30~18:002.50後藤vi編集
5/9月曜16:00~18:002.00柴田vi編集(最大最小)
5/12木曜14:30~17:002.00後藤vi編集 (最大最小)
5/13金曜13:00~17:003.00江村vi編集(最大最小)
5/16月曜16:00~19:003.00後藤ccx片持ち梁要素分析
5/17火曜13:00~17:003.00後藤ccx片持ち梁要素分析
5/18水曜13:00~16:002.00柴田ccx片持ち梁要素分析
5/19木曜13:00~16:002.00江村ccx片持ち梁要素分析
5/23月曜16:00~19:003.00江村htmlファイル作成・ccx片持ち梁要素分析
5/24火曜13:00~16:002.00柴田ccx片持ち梁要素分析
5/30月曜16:00~18:002.00後藤ccx片持ち梁要素分析・Tex練習
6/2木曜14:30~17:303.00後藤折りたたみプログラム導入・Tex
6/6月曜16:00~18:002.00後藤シェル要素分析
6/7火曜14:00~16:002.00江村シェル要素分析
6/9木曜14:00~19:004.00後藤シェル要素分析
6/10金曜14:00~19:004.00後藤シェル要素分析
6/11土曜13:00~18:004.00後藤シェル要素分析
6/13月曜16:00~18:002.00後藤固有振動
6/14火曜10:00~14:003.00後藤固有振動
6/16木曜17:00~19:002.00後藤固有振動
6/17金曜14:00~18:004.00後藤固有振動
6/20月曜16:00~18:002.00後藤モード解析
6/23木曜9:00~17:006.00後藤モード解析
6/24金曜12:30~18:005.00柴田モード解析
6/27月曜17:00~19:002.00柴田モード解析
6/28火曜15:00~17:002.00後藤モード解析
6/29水曜13:00~20:006.00後藤モード解析
6/30木曜14:00~16:002.00後藤モード解析
7/2土曜15:00~17:002.00後藤モード解析
7/4月曜16:00~18:002.00後藤モード解析
7/5火曜10:00~17:005.00柴田モード解析
7/6水曜14:00~16:002.00柴田モード解析
7/7木曜15:00~17:002.00後藤モード解析
7/8金曜9:00~17:007.00後藤モード解析
7/11月曜16:30~18:302.00後藤モード解析
7/12火曜13:00~16:003.00後藤モード解析
7/14木曜14:00~17:003.00後藤モード解析
7/16土曜13:00~17:004.00柴田モード解析
7/22金曜15:00~18:003.00柴田モード解析
7/23土曜14:00~16:002.00柴田モード解析
7/24日曜7:00~8:001.00柴田モード解析
7/25月曜7:00~8:001.00柴田モード解析
7/26火曜12:00~17:005.00後藤モード解析(精度確認)
7/27水曜13:00~15:002.00後藤モード解析(精度確認)
7/30土曜12:00~17:005.00柴田モード解析(精度確認)
8/3水曜11:00~18:006.00後藤モード解析(蛇腹の固有値解析)+振り子作成
8/4木曜12:00~17:005.00後藤モード解析(蛇腹の固有値解析)+振り子作成
8/5金曜10:30~20:308.00柴田モード解析(蛇腹の固有値解析)+OC準備
8/6土曜14:00~18:004.00柴田モード解析(蛇腹の固有値解析)+OC準備
8/22月曜13:00~16:003.00後藤モード解析(精度確認再開)
8/23火曜14:30~17:002.50後藤モード解析(精度確認)
8/24水曜13:00~19:004.50江村モード解析(精度確認)
8/25木曜9:00~12:003.00柴田モード解析(精度確認)
8/26金曜14:00~18:004.00柴田モード解析(精度確認)
8/28日曜15:00~19:004.00柴田モード解析(精度確認)
8/29月曜15:00~17:002.00後藤モード解析(精度確認)
8/30火曜15:00~18:003.00柴田モード解析(精度確認終了)
8/31水曜13:00~18:004.00柴田モード解析(蛇腹の過渡応答開始 試算) 
9/1木曜13:00~14:30 18:00~20:304.00柴田モード解析(4 6分割 鉛直 厚さ3種)
9/4日曜13:00~17:004.00柴田モード解析(8分割解析 鉛直・水平荷重 厚さ3種)
9/24土曜17:00~20:003.00柴田モード解析(周方向比較 水平荷重)
9/25日曜14:00~16:002.00柴田モード解析(周方向比較 水平荷重)
9/26月曜12:00~15:003.00江村モード解析(周方向比較 水平荷重)
9/27火曜14:00~20:004.00江村モード解析(周方向比較 水平・鉛直荷重)
9/28水曜14:00~15:001.00後藤tex関係
9/29木曜13:00~18:005.00後藤tex関係+pdf作成
9/30金曜15:00~20:005.00後藤tex関係+pdf作成
10/1土曜12:00~14:302.50柴田tex関係+pdf作成
10/3月曜14:00~17:003.00後藤tex関係+pdf作成 解析確認
10/5水曜10:30~21:006.00後藤シェルに対するモード解析(片持ち)
10/7金曜16:00~20:004.00後藤シェルに対するモード解析(蛇腹)+tex
10/8土曜16:00~22:006.00後藤シェルに対するモード解析(片持ち)+tex
10/9日曜20:00~24:004.00柴田シェルに対するモード解析(蛇腹)+tex
10/10月曜10:00~13:003.00柴田シェルに対するモード解析(蛇腹)+tex
10/13木曜15:00~17:002.00柴田シェルに対するモード解析(蛇腹)
10/14金曜15:00~20:005.00江村シェルに対するモード解析(蛇腹)
10/16日曜13:00~19:005.00柴田シェルに対するモード解析(蛇腹)
10/18火曜13:00~20:005.00江村シェルに対するモード解析(蛇腹)
10/19水曜13:00~17:004.00後藤モード解析+OC準備
10/20木曜16:00~22:004.00江村シェルに対するモード解析(蛇腹)
10/25火曜14:30~22:005.00江村シェルに対するモード解析(蛇腹)
10/27木曜17:00~22:004.00柴田シェルに対するモード解析(片持ち梁)
10/28金曜16:00~19:003.00江村シェルに対するモード解析(蛇腹)
11/5土曜17:00~19:002.00柴田シェルに対するモード解析(片持ち梁+蛇腹)
11/6日曜15:00~20:005.00柴田シェルに対するモード解析(片持ち梁)
11/7月曜17:00~24:006.00柴田DLOADによるシェル要素モード解析
11/8火曜17:00~23:005.00柴田DLOADによるシェル要素モード解析
11/9水曜14:00~19:005.00江村DLOADによるシェル要素のたわみ解析
11/12土曜10:30~20:007.00柴田DLOADによるシェル要素のたわみ解析
11/13日曜17:30~21:003.00柴田DLOADによるシェル要素のたわみ解析
11/14月曜15:00~20:005.00後藤DLOADによるソリッド要素のたわみ解析
11/15火曜14:00~20:306.00後藤DLOADによるソリッド要素のたわみ解析
11/16水曜16:00~22:004.50後藤薄板を載せた蛇腹折りモード解析+ccx2.3との比較
11/18金曜14:00~21:005.00後藤薄板を載せた蛇腹折りモード解析
11/21月曜14:30~21:305.00後藤薄板を載せた蛇腹折りモード解析
11/22火曜11:20~12:201.00後藤薄板を載せた蛇腹折りモード解析
11/22火曜19:00~22:003.00後藤薄板を載せた蛇腹折りモード解析+ccx2.3との比較
11/25金曜14:30~22:304.50後藤ABAQUSが使えるか?+DLOAD確認
11/27日曜15:00~21:006.00柴田ABAQUS(試)+DLOAD確認(済)
11/28月曜16:30~21:305.00江村解析手法による比較(蛇腹)
11/29火曜15:00~21:006.00江村厚さ・荷重方向による比較+BEAM要素での拘束
11/30水曜12:00~14:002.00後藤時間ステップでの比較
12/2金曜14:30~22:306.50柴田高さ分割数比較・BEAM拘束・その他新たに解析
12/4日曜13:00~19:006.00柴田直接法・複数荷重の同時入力・減衰設定の再確認
12/5月曜18:00~25:006.00柴田初期高さ比較・ソリッド載荷
12/6火曜18:30~24:004.00柴田減衰振動比較・ソリッド載荷
12/7水曜8:00~12:004.00後藤ソリッド載荷・複数荷重の入力・塑性入力(試)
12/8木曜16:30~24:006.50柴田荷重の変更によりグラフは変わるか?
12/9金曜14:00~24:007.00柴田切れ目の追加・固有値グラフ・固有振動数の低減
12/10土曜0:00~2.002.00柴田初期高さによる固有値比較
12/10土曜15:00~22:006.00柴田固有値比較・固有振動数下げて周期荷重応答
12/13火曜14:00~24:005.00柴田固有振動数下げてモード解析・固有値比較
12/14水曜13:00~22:007.00後藤中間発表スライド作成+モード解析(比較)
12/15木曜13:00~24:007.00柴田中間発表スライド作成+モード解析(比較)
12/16金曜13:30~20:306.00柴田中間発表スライド作成+発表練習
12/17土曜15:00~17:002.00柴田中間発表スライド修正
12/18日曜13:30~18:305.00柴田中間発表準備・発表練習
12/22木曜6:00~16:308.50後藤弾塑性モデルの作成・回転変位のグラフ化・設計反力
12/23金曜15:00~24:008.00後藤初期高さと固有値比較・弾塑性解析
12/25日曜15:00~19:004.00後藤周波数による応答比較・塑性の設定・回転荷重
12/27火曜13:30~18:305.00後藤周波数による応答比較・塑性の設定・回転荷重
1/6金曜7:00~17:008.00後藤周波数による応答比較・周波数応答解析
1/10火曜15:00~21:004.00後藤周波数応答解析・長短周期振動について
1/11水曜10:30~18:006.00後藤周波数応答解析・色々メモ
1/16月曜14:00~22:007.00後藤周波数応答解析
1/17火曜14:00~19:004.00後藤スライド改良・tex
1/18水曜13:00~22:008.00後藤支部概要作成(グラフ以外)
1/19木曜18:00~24:006.00後藤支部概要作成(グラフ→完了)
1/20金曜10:00~14:004.00後藤支部概要添削
1/21土曜20:00~24:004.00後藤支部概要改良
1/22日曜9:00~12:003.00後藤卒論スライド作成
1/23月曜15:00~19:003.00後藤卒論スライド作成
1/24火曜19:00~22:003.00後藤支部概要訂正
1/25水曜12:00~15:003.00後藤支部概要送信 スライドver1完成
1/26木曜18:00~24:006.00江村スライド修正 tex
1/27金曜17:00~24.005.00江村スライド tex
1/28土曜21:00~24.003.00後藤スライド tex
1/29日曜5:00~10.004.00後藤スライド tex
1/30月曜15:00~21.006.00後藤スライド tex
1/31火曜9:00~24:008.00後藤発表練習+スライド修正
2/1水曜15:00~24:006.00後藤スライド修正
2/2木曜5:00~12:006.00後藤スライド修正 減衰定数の評価(試)
2/3金曜3:00~22:0010.00後藤スライド修正(完)・減衰定数の評価(試)
2/4土曜17:00~24:007.00柴田スライド補足・ソリッドとシェルは一致するか?
2/5日曜6:00~19:0010.00柴田スライド補足・シェル要素の振動解析精度再確認
2/6月曜15:00~17:002.00後藤スライド補足
合計613.5(h)

ゴム支承についての参考資料(HPリンク:ゴム支承協会)

(http://www.j-rba.com/php/faq/faq.php

地震動応答解析についての解説(企業HPリンク:株式会社 構造ソフト)

専門的だが、地震に対する応答解析の意味や 考え方・方法などが分かりやすく書いてあるので参考までに。(http://www.kozosoft.co.jp/gijyutu/jisindou.html

総括

個人的に思うところは、そもそも実際に蛇腹折り構造がプレス加工でつくれるのか? また、バネ性能を金属疲労や座屈をなるべく起こさずに発揮できるかという点。 そもそも、蛇腹折り構造に載荷した際の変位が小さい気がした。 (ロッキングでも起きているのだろうか?)

自分の研究では、振動解析を行ったわけだが…正直な話、大した結果は出なかった。 (序盤に自分が馬鹿なことが原因で、振動解析の方法や意味を理解する段階で、 時間をかけすぎてしまった。より早い段階でモード解析の精度と蛇腹折りモデルでの モード解析が正しくできていれば、 他の解析も試せたと思うので少しだけ後悔している。)

結局、剛性と密度に依存した結果となり、地震応答解析の論文に見るような 複雑な応答スペクトル波形や加速度応答・速度応答を解析できなかった。 地盤の状態や地震のような複雑な揺れを設定して 解析できれば面白い結果が出たのだろうか?(Calculixで可能だったのか?)

もしくは、梁要素で橋梁のモデルを作り、 支承部分に蛇腹折りを複数使用したモデルを作る必要があるのだろうか? そして、複数バネの挙動を調べる必要があると思われる。 (なによりも実物の性能を調べることが先決だが…)