応力状態を表すとき、「どの面」の「どの方向」に作用する応力であるかを明確に記述する必要があるが、一般に
、
、
のように表記される(図1参照)。これは、”どの面に”、”どの方向の”単位面積あたりの力が作用しているかを示しています。
これは、汎用プログラムを使用するのに結果出力の際にも必要な知識です。
まず、指標(index)x,y.zは次のような意味です。
たとえば、
はx軸に垂直な面にx軸方向に作用する単位面積当りの力であり、
はx軸に垂直な面にy軸方向に作用する単位面積当りの力です。せん断応力
は慣用で
のように書かれるのが普通です。
ここで、
であることを述べておくと、
図2に示すような単位厚さの微少要素ABCD(Δx × Δy × 1[厚さ])にせん断応力
、
が作用しているときの、要素中心Oまわりのモーメントの釣り合いを考えてみる。例えば、面DCに作用するせん断応力は
であり、これによる中心Oまわりのモーメント=
である。このようにして、O点まわりの合モーメントがゼロになる条件は次式で与えられる。
したがって、物体内部のある点における2次元応力状態を表すには
、
、
の3つの応力成分を知ればよいことになる。3次元問題については次の9個の応力成分のうち6個の成分(
、
、
、
、
、
)のみが独立な値を持つことになる。
汎用プログラムでは、"x"を"1"、"y"を"2"、"z"を"3"と表す事が多い。
「弾塑性力学の基礎」吉田総仁著