かりこぼうず大橋


かりこぼうず大橋

かりこぼうず大橋 かりこぼうず大橋

はじめに

今回は、宮崎県西米良村にある国道219号線をそれた林道にある「かりこぼうず大橋」についてです。かりこぼうず大橋は現在(2005年1月6日)日本一の最大支間長を有する木造車道橋です。木橋を掲載したいと思っていたのが、今回ようやく掲載できることになりました。

かりこぼうず大橋

かりこぼうず大橋は、宮崎県産スギ材の需要拡大を目的として、ふるさと林道緊急整備事業により、平成12〜14年度に架けられた木造車道橋です。木造とあるとうり、この橋は構造用材に集成材を使用しています。案内の看板によれば樹齢50年生の県産スギ材を集成材に加工したものを使用したようです。
昔、日本では林業が盛んだった頃は木が高く売れたんですが今は輸入ものにおされているのが現状で林業はかなり衰退してしまっています。しかしながら木を切って加工することにより高く売れるらしくそうやって町の活性化を図っている地域もあるみたいです。木を切ることは環境問題とかで嫌なイメージを持ちますが、集成材に加工している木は間伐材です。いわゆる"間引き"した木なんですよ(かりこぼうず大橋はわかりません。)。逆に間伐しないと林は育たなく、管理する人がいなく間伐できないで木が枯れ出すみたいな問題になっている部分もあるみたいですよ。

設計荷重、形式等については下記のようになっています(これも案内の看板から拝借しました。)。
● 設計荷重:A活荷重
● 橋梁形式:単純桁橋+キングポストトラス橋×3
● 橋長:140m(15.0m+50.0m+50.0m+25.0m)
● 構造規格:2車線
● 幅員:7.0m
● 床版:単純桁部-木床版(t=15cm)   トラス部:プレストレス木床版(t=33cm)
● 使用材料:スギ構造用集成材(E75-F240等)  集成材使用材積:1,335m^3  鋼材:PC鋼棒 重量:305t


格点 格点 格点 格点
次に、格点、トラス構造については写真1〜4のようになっています。集成材と集成材をつなぐ接合は鋼材を利用したハイブリット構造となっています。写真1は上弦材と斜材を結ぶ位置です。写真2が上弦材同士を結ぶ格点で、写真3が上弦材と下弦材を結ぶ格点、写真4がキングポストトラスの下弦材の中間にあたる部分です。
以上の写真をみてわかると思いますがキングポストトラスの吊り材は別の材料が使われていることがわかると思います。これはPC鋼棒が使用されています。引張が作用する部分にはPC鋼棒を圧縮が作用する部分には集成材を使用して各部分に位置する材料を有効に使っています。さらに、写真1と4を見ると鋼材が集成材にめり込んでいるように見えるかもしれませんが、これは鋼材が集成材を挟んでいるのだと思います。トラスに使用されている集成材の断面は矩形になっているのだと思います(推測です。しかも自分の説明だとわかりにくいですね。まぁ全体的にそうだと思います。スイマセン)。
さらに、集成材にはボルトが締めてあるのがあるのがわかると思います。これも断面が矩形になっているために集成材同士をつぎ合わせるために圧着しているわけです。つぎ合わせるという表現が正しいかわかりません。


真下から見た下弦材 真下から見た下弦材
下弦材を下から見たのが写真5、6です。写真5から下弦材にはケーブルが敷かれていることがわかります。写真6は下弦材の接合している状態を真下からみた状況です。

プレストレス木床版 プレストレス木床版と高欄
次に床版等についてです。写真7と8はキングポストトラス部の床版でプレストレス木床版を使用しています。プレストレス木床版はラミナを幅員方向に並べ、幅員方向にラミナ同士を押さえつけるプレストレスを与えることにより複数のラミナを一体とした構造です。詳しい説明はまたの機会にします。この橋のプレストレス木床版はバッドジョイントを有しており配置は5BJとなっていました(橋梁下部から確認。)。
さらに、これは橋梁全体なんですが雨が直接当たる部分や集成材端部には防腐のために綱板が設置されおり写真5、6からもそれがよく分かると思います。
高欄部には、排水孔があります。速やかな排水が行えるようになっています。

下から見た橋梁の様子 下から見た橋梁の様子
写真9、10は下から見た橋梁の様子です。

橋梁の下に向かう階段 流れている川(一ツ瀬川)
写真11は、橋梁の下に向かう階段です。橋梁周辺は少し整備されていました。木橋は珍しいので見学者も多いんでしょうね。写真12が、橋の下を流れる川です。この川は、一ツ瀬川といい、大変綺麗な川でした。下流に行くととても大きい一ツ瀬ダムがあります。

参考文献

橋梁案内の看板 ←橋梁案内の看板

関連サイト
Photo Miyazaki 宮崎観光写真


January 05,2005


初めて木橋みれたのでよかったです。さらに時間もたっぷりあったのでいろいろ紹介できる写真をとることができました。まだ、見たい写真とかあったらメールください。あれば順次掲載していきたいです。

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