神の岩橋


はじめに

こないだ、「抱き返り渓谷」に紅葉に行った際に見つけた、「神の岩橋」をレポートします。

神の岩橋

「神の岩橋」は抱き返り渓谷入り口にある吊り橋で秋田県ではもっとも古い吊り橋だそうです。
橋の近くには次のような文が書かれた看板がありました。


神の岩橋 看板

この吊り橋は、秋田県では最も古い吊り橋で大正15年(1926年)に完成しました。
抱き返り渓谷入り口の象徴として、昔からその美しい姿を碧水の水面に写しています。この神秘な橋の名は、旧神代村と旧白岩村から一字づつとって名付けられたといいます。
真に神秘の渓谷にふさわしい名称ともいえましょう。

秋田県 角館町


この橋は種類で言うと、「吊り橋(suspension biridge)」という分類になります。吊り橋は、ケーブル(cable)、アンカー(anchorage)、塔(tower)、補剛桁(stiffening girder)などで構成されています。ケーブルの形状がアーチに似ていますが、アーチは圧縮力が作用しますが、吊り橋のケーブルは引張力が作用し、その点が異なります。

ちなみに、吊り橋はスパン1000m以上でも可能であり、本州四国連絡橋にも利用されています(全部吊り橋ではありません)。
では、どのような特徴(メリット)があるかというと

●主要部材であるケーブルは、座屈の心配がなく、全断面が一様な力を受けて最も有効に働く。そのため、死荷重が著しく軽減でき、長大スパンの吊り橋の建設を可能にしている。
●美観がよい。

しかし、ケーブルやその定着に費用がかかり、吊り材(hanger)で吊り下げられているだけの吊り橋であると、活荷重などの局部的な載荷に対して、変位や動揺が激しいため、これを防ぐために補剛トラスや補剛桁を設けます。また、耐風安定性の改善が必要で神の岩橋のような小スパンの橋では対風ケーブル(storm cable)が必要になります。

神の岩橋 抱き返り渓谷

写真からはわかりにくいと思いますが、この橋梁にも耐風ケーブルが設けられています。しかし、耐風安定性の改善が重要視されたのは1940年に、タコマ橋(Tacoma narrows bridge)が、風速19m/sの風で落橋事故を起こしてからなので、この神の岩橋が完成したのはさらに前なので神の岩橋の耐風ケーブルがつけられたのはあとになるのかな〜??ちょっとわかりません。
あと、塔が結構綺麗なんですが、これもあとで改修したのだと思います。
橋梁の上から撮ったちょうど紅葉時期の抱き返り渓谷の写真も載せておきます。

  

参考文献

橋梁工学 第5版  橘喜雄著 中井博・北田俊行改訂


Octorber 29, 2004

  

ようやく2回目のReportが書けました。分からない事とかおかしいっていうところがあったらご指摘よろしくお願いします。

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